ペットボトルや食品トレーなど、プラスチックを原材料とした容器包装にはさまざまなマークが表示されているのをご存じでしょうか。これらはリサイクルマークと言って、プラスチック製容器包装を廃棄する際、分別回収をしやすくするための目印です。そのため、プラスチック製容器包装を廃棄する際は、それぞれのリサイクルマークの意味を理解しておくことが重要です。また、これを知っておくと、分別の際の悩みが少し減るかもしれません。
そこで今回は、プラスチック製容器包装のリサイクルマークについて、意味や表記の見方についてお伝えします。また、プラスチックにおけるリサイクルの課題やこれからについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
プラスチックのリサイクルマークとは、資源有効利用促進法という法律で定められた識別表示を指します。地方自治体や事業者が廃棄物の分別回収への取り組みを推進するにあたり、外見上識別が難しいものが分別されずに混合されたまま回収されるのを防ぐために表示させるものです。リサイクルマークを表示させることで分別が進み、再度資源として適切に回収し、利用することが可能になります。
プラスチック以外にも、紙製容器包装、飲料・酒類用スチール缶・アルミ缶、塩化ビニル製建設資材、小型二次電池などは、指定表示製品としてリサイクルマークの表示義務があります。
プラスチックのリサイクルについて詳しくは、「プラスチックのリサイクルが必要な理由とリサイクルの課題解決のポイントを解説」をご覧ください。
プラスチックのリサイクルマークには、プラスチック製容器包装(飲料・酒類・特定調味料用ペットボトルを除く)とペットボトル(飲料・酒類・特定調味料用ペットボトル)の2つがあります。
プラスチック製容器包装は、矢印で描かれた四角の中に「プラ」と記載されたマークで、ペットボトルは矢印で描かれた三角の中に「1」、下に「PET」と記載されたマークです。
【識別表示の例】
リサイクルマークは基本的に全国統一のデザインで、改変は認められません。ただし、容器自体の形状により、同一性が損なわれず、誰が見てもはっきりと識別が可能であれば多少の変更、装飾は可能です。
リサイクルマークは、印刷、ラベルもしくは刻印により容器包装に表示します。サイズは原則、印刷ラベルの場合は上下の長さが6mm以上、刻印の場合は同8mm以上と定められています。
リサイクルマークは、基本的には1つの容器包装につき1つ表示しなければなりません。例えば、個包装のお菓子や食品の場合、外側の大きな袋と個包装の袋は別々に廃棄するため、それぞれにリサイクルマークを表示します。
しかし、洗剤やシャンプーのボトルのように、ボトル・キャップ・ポンプに分かれている場合はその限りではありません。別々の部品にはなりますが、まとめて捨てるのが一般的なため、一体容器包装と見なされるからです。そのため、どれか1つだけの表示で構いません。
お菓子やカップ麺などで、カップ本体はプラスチック、ふたは紙といった場合、1カ所だけの表示でも構いませんが、プラスチックのマークの下にカップ、紙のマークの下にふたと記載します。
そのほか、日本酒用紙箱で、注ぎ口はプラスチック、紙箱はアルミと紙製といった複合材になっている場合は一体容器包装と見なし、表示するマークはそのなかで最も重量が多く使われている材質のマークとなります。ただし注ぎ口のキャップは外れるため、プラスチックのリサイクルマークの下に「キャップ」と記載したマークを紙箱に表示する必要があります。
輸入品には基本的にはリサイクルマークの表示義務はありませんが、次のような場合は表示義務が生じます。
資源有効利用促進法にのっとり、規定を順守しない識別表示義務者には、勧告、公表、命令、罰則が適用されます。ただし、製造業で売上高2億4,000万円以下かつ従業員数20名以下、商業・サービス業で売上高7,000万円以下かつ従業員数5名以下の小規模事業者には、罰則等は適用されません。
プラスチックのリサイクルマークは、上述したようにペットボトルとプラスチックの2種類です。ただしプラスチックの素材にはいくつかの種類があり、容器包装にどのように使われているかによって表記方法が異なります。
容器包装が単一素材の場合、その素材名だけをリサイクルマークの下に表記します。
2種類以上の素材でできている容器包装の場合、リサイクルマークの下に主要構成材料を含む2つ以上の素材名を並べて表示し、主要構成材料の素材名には下線を付します。
キャップやボトルなど個別に分けられるものでそれぞれ素材が異なる場合、それぞれの役割名と素材名の両方をリサイクルマークの下に表記します。
【表記例】
リサイクルマークでは素材名を記号で表記します。主な素材記号は次のとおりです。
リサイクルマークは、廃棄されたごみの素材を明確に分別するために欠かせないものです。
プラスチックには、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、PET樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル、ナイロン、ポリカーボネート、フェノール、メラミン、ポリウレタン、エポキシなど、身近に使われているものだけでも20種類以上の性質も用途も異なる素材が含まれています。
原料としてマテリアルリサイクル(メカニカルリサイクル)するには、それぞれの素材ごとに集めて処理する必要がありますが、種類の多さから分別の手間は小さくないでしょう。そういった面からも、消費者が正しく分別するための道しるべとなるプラスチックのリサイクルマークが担う役割は大きいと言えます。
プラスチックのリサイクルマークとは、資源有効利用促進法という法律で定められた識別表示です。廃棄される際、適切に分別・回収できるようにするためのマークで、製造を発注する事業者を含む製造、加工または販売の事業を行う事業者には表示義務が課せられています。法律で定められているため、一定規模以上の売上高を有する事業者が表示事項を表示しない、または順守事項を守らない場合は、罰則が適用されることもあるので注意が必要です。
リサイクルマークの表示を徹底し、リサイクル率の向上につなげることは企業として重要な役割です。また、持続可能な社会を実現していくためには、多角的なアプローチで複雑に絡み合った社会課題の糸をひとつずつほどいていかなければなりません。そこで三井化学では、サーキュラーエコノミー実現に向け、廃プラを〝新たな資源〟としてリサイクルしていく「RePLAYER®」という取り組みを進めています。ここでは、ケミカルリサイクルやマテリアルリサイクル(メカニカルリサイクル)などの手法で廃プラの再資源化を進めています。
脱炭素や循環型社会への対応を検討している企業の担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。
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