資本収益性の向上による企業価値最大化を基本方針として、様々な取り組みを進めていきます。取締役 常務執行役員 CFO 中島 一 資本収益性の向上による企業価値最大化を基本方針として、様々な取り組みを進めていきます。取締役 常務執行役員 CFO 中島 一

2021年度は過去最高益を目指す

2020年度は、上期に新型コロナウイルス感染症の影響を受け大きな減益が発生しましたが、下期の需要回復と好調な海外市況により、通期ではコア営業利益851億円と対前年増益を確保できました。また、ダウンサイドリスクに備えた在庫・売掛債権管理の徹底、経費や投融資の抑制に全社を挙げて取り組んだことにより、フリー・キャッシュフローは968億円、Net D/Eレシオは0.6となり、コロナ禍の影響を受けながらも強固な財務体質を維持・改善することができました。
2021年度については、過去最高益となるコア営業利益1,410億円を計画し、成長3領域もそれぞれ過去最高益を目指しています。同時に、コロナ禍で減速した成長事業への投資、新事業創出に向けた研究開発への積極投入に再び舵を切り、ターゲット事業領域のさらなる拡大を図ることで、当社グループが進めている事業ポートフォリオの変革を加速していきます。

営業利益/コア営業利益推移

営業利益/コア営業利益推移

2020年度より国際財務報告基準(IFRS)を任意適用しています。2019年度以前の数値は日本基準、2020年度以降の数値はIFRSに基づいて記載しています。

キャッシュ・フロー・Net D/Eレシオ推移

キャッシュ・フロー・Net D/Eレシオ推移

2021年5月13日発表時点のもの

ROIC推移

ROIC推移

2016年度から2020年度累計投資額

2016年度から2020年度累計投資額

今後の主な投資案件の状況

主な投資案件 能力
(KTA)
営業運転開始スケジュール
2021 2022 2023以降
モビリティ ICT向け機能性ポリマー アペル®能力増強
(日本)
+50%
ヘルスケア 高屈折メガネレンズ材料の拡大 MR™能力増強(日本)    
フード&
パッケージング
半導体製造工程用テープの拡大 イクロステープ®
能力増強(台湾)
380万m2    
基盤素材 ダウンフロー強化・拡大 本州化学工業(株)のTOB実施
錦湖三井化学
MDI能力増強(韓国)
200    
高機能PPプラント新設(日本) 200    

VISION 2030スタート
社会課題解決への貢献と、
当社グループの成⻑実現に向けて

当社グループは、VISION 2025の振り返りに加え、GHG排出量の削減要請の高まりやサーキュラーエコノミーへの対応、DXの進展といった新たな外部環境の変化も取り込んだVISION 2030を策定しました。そして、2030年度の経営目標をコア営業利益2,500億円、ROIC8%以上、Net D/Eレシオ0.8以下、ROE10%以上として、その実現を目指し2021年度より始動します。
これからは、経済価値だけでなく、化学企業として社会課題の解決に貢献することで企業価値を向上させるという視点が一層重要になります。サーキュラーエコノミー対応による機会獲得やDXの展開、ソリューション型ビジネスモデルへの移行など、顧客や市場はもとより、広く社会に当社グループの取り組みの“価値”を認めていただく必要があります。例えば、Blue Value®・Rose Value®製品は、中長期での収益拡大と社会課題解決の両立が可能であることから、これら製品群の拡大を事業ポートフォリオ変革と企業価値向上につなげていきます。
これを支える投資については、自力成長投資と戦略投資の合計で1.8兆円の成長投資枠を設け、持続的な成長と事業ポートフォリオ変革に挑戦していきます。実行にあたっては、資本コストを意識しつつ、当社グループの強みであるバリューチェーンを活かすなど、事業として十分なリターンが得られるようデザインされているかを見極めていきます。加えて、事業ごと・製品ごとのROICに基づき、持続的な成長への貢献が見込めない資産を圧縮するとともに、政策保有株式の保有合理性の検証と適正化、CCC等、資産効率のモニタリングにより、戦略の推進と資本収益性のさらなる向上につなげていきます。

2021年度大型投融資案件

提携・M&A・財務支援などを除く。決裁年度:2021~2023年度

Blue Value®・Rose Value®製品売上収益拡大によるROIC向上

VISION 2030の遂行を支える資本政策と
財務運営体制の強化

資本政策の優先順位は、①事業の継続および成長に向けた投資、②株主還元、③有利子負債の削減を基本とし、財務状況やキャッシュ・フロー、将来の収益見通しなどを総合的に勘案しています。
資金調達については、事業の成長に必要な投資資金を自らが生み出す営業キャッシュ・フローおよび手元流動性資金で賄うことを基本としつつ、それを超える規模には、金融・資本市場から調達することを選択肢とし、常時安定的かつ機動的な調達に取り組んでいます。一方、VISION 2030での投資拡大に伴い、一時的に有利子負債が増加しNET D/Eレシオが1倍を超過するような局面も想定されますが、中期的には0.8倍以下と現行水準の格付けを目標として、財務の健全性と資本コスト最小化の両立を図っていきます。
株主還元については、引き続き経営上の重要課題と認識しており、安定的かつ継続的な配当と機動的な自己株取得の組み合わせにより、DOE3.0%以上、総還元性向30%以上を目安に実施していきます。

安定的かつ継続的な配当の実現と、
機動的かつ柔軟な自己株取得による株主還元の充実を図る。
DOE 3.0%以上、総還元性向 30%以上を目指す。

DOE3.0%以上、総還元性向30%以上を目指す。

※1当社は2017年10月1日付で普通株式5株を1株とする株式併合を行っており、株式併合前の配当金につきましても、遡って当該株式併合の影響を考慮した金額を記載しています。

※2当社は2020年度より国際財務報告基準(IFRS)を任意適用しており、2019年度以前につきましては日本会計基準の「親会社株主に帰属する当期純利益」の値を記載しています。

グローバルでの事業拡大を目指す上で、財務面でのリスクを低減・回避し、実効的なコーポレート・ガバナンスを実現するために、財務機能が果たす役割はますます大きくなっています。
グローバル化に対応した会計基準のIFRSへの統一は、2020年度に完了しました。
資金については、SDGsへの貢献を目的とした投資や事業活動に向けたESG型調達等、新たな枠組みにも取り組んでいきます。また、金利や為替の変動に関するリスク対応については、グループ全体のモニタリング機能強化や、グループ会社間ネッティング決済の推進等、効率的なヘッジ体制をさらに強化・展開してきています。
一方で、グローバルな事業活動では、各国・地域の税制を遵守することが企業の果たすべき重要な役割の一つでもあります。当社グループは、この役割を十分に果たすために税務方針を策定し、事業活動を反映した公正かつ適正な税務プランニングに基づく税務戦略を推進していきます。

ステークホルダーとの対話を通じた企業価値向上

VISION 2030の達成をより確かなものとするためにも、成長に向けた個別事業戦略の策定にあたっては、足元の収益確保という短期的な目線と、持続的な成長のための戦略投資といった長期的な目線のバランスを図っていきます。また、経営計画システムへの非財務指標の組み込みを推進し、様々な環境変化に的確に対応することで、当社グループの目指すありたい姿の実現を目指していきます。
そして、ステークホルダーの皆様との対話は、当社グループの取り組みを皆様にご理解いただくと同時に、皆様の声による経営の質の向上という観点において、非常に有益であると考えています。取締役会や経営層の間での共有に加え、経営層自らによる皆様との直接対話や各事業へのフィードバックなど、今後も対話機会を継続的に改善していきます。そして、当社グループの事業ポートフォリオの変革を強力に推し進めるとともに、強固な財務基盤の確保、資本収益性の向上、社会課題解決への貢献を通じて、企業価値の最大化に取り組んでいきます。

ステークホルダーとの対話を通じた企業価値向上

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