多様性を受け入れる土壌が、変革の原動力です。 社外取締役 吉丸 由紀子 多様性を受け入れる土壌が、変革の原動力です。 社外取締役 吉丸 由紀子

2019年6月に三井化学の独立社外取締役として就任以来、製造業での経験と専攻した応用化学への基礎的知見を踏まえ、ステークホルダーの代弁者として積極的な発言を心掛けてきました。

取締役会では、「この決定は当社と社会の持続的発展に資するか?社会課題の解決につながるか?」という素朴な問いを常に念頭に置いて議論を行っています。今般のVISION 2030策定の議論にも、この問いを意識しつつ早い段階から参画しました。

人事諮問委員会では会長・社長に加え私含め3名の社外取締役が、役員報酬諮問委員会では代表取締役3名に加え、社外取締役・社外監査役計6名が参加し審議を行っています。事業環境の変化がますますスピードを増している中、人事諮問委員会では特に人材の多様性に注目しながら候補者の育成・選抜をモニターしています。役員報酬については、現行の役員報酬制度は固定報酬と変動報酬がバランスよく構成されていますが、今後は加速する環境変化に対応するためのリスクテイクをより積極的に行っていくためにも、固定報酬に対する変動報酬の割合を高めていくことが求められていると考えています。さらに、近年のESGへの要請の高まりに加え、三井化学の原点である社会課題の解決をより高いレベルで実践していくため、ESGに係る評価視点を変動報酬に加えていくことも検討要素です。

三井化学は今、次の50年への持続的成長に向けた大きな転換期にあります。100年の技術力とグローバル基盤・人材を活かしつつも、これからは伝統に甘んじることなく、世の中の変化の先をいくスピーディーな変革や柔軟性、失敗を許容し学びつつ大きなチャレンジをしていくことが求められるでしょう。そのてこ(梃子)となるのがダイバーシティ&インクルージョンです。「ダイバーシティとは何か」―。私は「イノベーションの源泉」であると考えています。複数の企業や、表彰審査員として長きにわたりこのテーマに携わってきましたが、その「目的」を組織の一人ひとりに共有することの難しさと、同じ目的に向かってその実行を加速し実効性を高めることの重要性を痛感しています。昨今「女性活躍推進活動」「働き方改革」といった取り組みが注目されていますが、これらはあくまで「手段」に過ぎません。変化の激しい環境でグローバル・ビジネスを持続的に成長・発展させるため、企業戦略としてこの優先順位を上げ、意識共有のためコミュニケーションを繰り返し粘り強く行っていくことで、初めてダイバーシティの果実であるイノベーションにつながっていきます。

三井化学には、創業以来合併を重ねてきた歴史の中で培った、多様な文化と人材を受け入れる土壌があり、またコアバリューの3要素の一つに「Diversity(多様性)」を置き、「Challenge(挑戦)」とともに企業の持続的発展を支えるものとしてその重要性を位置づけています。この強みを活かし、社内外のさらなる多様性を取り入れながら持続的に発展し、社会課題解決の大きな存在になることを確信しています。

お客様との接点と、ものづくりの現場こそが、三井化学の競争力の源泉です。 社外監査役 藤塚 主夫 お客様との接点と、ものづくりの現場こそが、三井化学の競争力の源泉です。 社外監査役 藤塚 主夫

「これで完璧」ということが絶対になく、ゴールは常に先にある――これがコーポレート・ガバナンス進化の要諦です。絶えず改善すべき点を見いだし、そこに向かって進んでいく。まさにこうした姿勢が肝要です。私が社外監査役として取締役会や監査役会に臨む際は、経営者の意思決定の妥当性や、執行過程におけるフォローアップに目を配っています。また、元々経理畑出身なので、「リスクが適切にヘッジされているか」「リスクベースの意思決定がなされているか」といった観点も重要視しています。とはいえ、リスクばかりを見ていても事業は前に進みません。想定されるリスクとリターンとのバランスやその実現可能性を勘案しつつ、社内の常識が世の中の非常識になるといったことがないよう、社外の目線を意識した提言・助言を心掛けています。取締役会は数日前から議題についての資料も共有され、在任年数などにかかわらず自由な発言ができる雰囲気の中で、多様なバックグラウンドを有する役員の方々から忌憚のない意見が出ており、限られた時間の中でも充実した議論ができています。就任から2年余りが経ちますが、社外役員からの意見や、過去の反省が反映されPDCAが回って漸次進化している手応えがあり、三井化学にはまだ“伸びしろ”があると見ています。

ESGの観点からも言える通り、企業価値とは、社会とすべてのステークホルダーからの信頼度の総和です。当社はかねてより事業計画の策定の際にも売上などの経済軸だけでなく、環境面や安全面に配慮した社会軸の議論を取り入れています。ただ単に製品を売って儲ければよいということではなく、より良い社会のために意味のある製品をつくってお届けし、社会の一員としての責任を果たしていくという信念は、当社独自の指標であるBlue Value®・Rose Value®にも表れています。

新型コロナウイルス感染症拡大前に、何度か工場などを見学した折に、現場の方々が目を輝かせて説明をしてくださったことが印象に残っています。私自身、製造業に長く携わっていましたが、「ものづくりで世の中に貢献する」という純粋な使命感を社員の一人ひとりが持っていることが三井化学の大きな強みであると感じます。これからも、お客様との接点およびものづくりの現場という製造業として重要な2つの競争力の源泉をいかに伸ばしていくか、そのために可能なところは効率化を行い、必要な分野に投資を振り分けていくことが、今後の成長の鍵となります。

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