2001年(平成13年)3月15日各 位 古河電気工業株式会社 三井化学株式会社
古河電工・三井化学、WDMのキー部品で共同開発
古河電工と三井化学はこのたび、WDM*1の重要部品である光増幅用980ナノメートル励起レーザー*2チップの共同開発を開始した。
古河電工と三井化学は両社の技術を融合し、世界最高出力の980ナノメートル励起レーザーチップを開発する。第一弾として、モジュール出力250mWに対応する980ナノメートル励起レーザーチップを2001年秋を目処に開発し、更に2002年初頭にはモジュール出力350mWに対応するレーザーチップを開発する予定である。
光増幅器はWDMシステム構築に必要不可欠であり、通常、980と1480ナノメートル励起レーザーを複数使用する。980ナノメートル励起レーザーは励起時のノイズが少なく、光増幅器の前段励起レーザーとして使用されている。WDM長距離伝送システムの普及に伴い、高出力光増幅器の需要が増大しているが、980ナノメートル励起レーザーは高出力化することが難しく、システムメーカーの要求を満たす高出力レーザーの技術開発が待望されていた。本共同開発により、三井化学独自の高出力技術と古河電工の波長及び出力安定化技術を融合させることで、高出力、高信頼性のチップを開発する。
古河電工は、1480ナノメートル励起レーザーモジュールで世界市場の70%以上を確保しており、出力、信頼性共に世界最高水準である。1480ナノメートル励起レーザーの顧客は980ナノメートル励起レーザーの顧客と同一で、顧客としても両方の最高出力励起レーザーを併せて調達できるのでメリットが大きい。共同開発する世界最高出力の980ナノメートル励起レーザーを搭載したモジュールを市場投入することで、同分野でも高シェアの獲得を目指す。
三井化学は、古河電工の技術及び販売チャンネルを活用し、独自の高出力技術による980ナノメートル励起レーザーチップの開発・事業化を加速する。また、同事業を橋頭堡に、かねてから注力してきた次期重点分野である光通信材料の開発を加速する。
*1 |
WDM Wavelength Division Multiplexの略
波長の異なる光信号をまとめて一本の光ファイバーで伝送する技術 |
*2 |
励起レーザー
光ファイバーの中を光信号が伝達してゆくと次第に信号の大きさが減衰してゆく。光ファイバーの途中に光増幅器と呼ばれる装置を置き、減衰いした光信号を元の大きさに増幅させる時に使用する半導体レーザーを励起レーザーと呼んでいる |
以 上
【本件に対するお問い合わせ先】
古河電気工業株式会社
総務部広報課 TEL.03-3286-3050
三井化学株式会社
広報室 TEL.03-3592-4060
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