2005/3/30

各 位

熱可塑性ポリイミド/カーボンナノチューブからなる
ナノコンポジットの販売開始について

三井化学株式会社

 当社(社長:中西宏幸)は、耐熱性、耐摩耗性、クリーン性、成形性に極めて優れるスーパーエンジニアリングプラスチックである熱可塑性ポリイミド(商標名:オーラム®)の製造、販売を行っております。熱可塑性を有するポリイミドは、世界で当社のみが製造しており、その特性を活かし、自動車部品、航空機のエンジン部品、半導体製造時のプロセス材料等に使用されています。この度、新たに、カーボンナノチューブの製造元である、米・Hyperion社との共同開発により、低発塵で、帯電防止性能に優れたナノコンポジットグレードを市場投入することと致しました。
 
<新製品の概要>
1. 製品: ナノコンポジット(熱可塑性ポリイミド/カーボンナノチューブ)
     
2. 商標名: オーラム®CNTグレード
     
3. 技術: 米・Hyperion社(カーボンナノチューブの製造元)との共同開発
     
4. 販売開始: 2005年4月
     
5. 売上高: 07年度3億円以上

 当社は、中期経営計画(04年度〜07年度)において、機能性材料分野の拡大・成長を目指しております。そのなかで、機能性ポリマーズ分野は高収益事業への事業ポートフォリオ変革の中心的役割を担うべく、新製品開発・新用途の開発に努めて参りましたが、今般、機能性ポリマーズ分野のオーラム®に、新たにCNTグレードを加えることとなりました。
 自動車部品、半導体製造時のプロセス材料、電気電子部品等のうち、静電気の帯電を防止する必要性の高い用途に対しては、導電材料として、カーボンブラックやカーボンファイバーを添加したスーパーエンプラ(帯電防止材料)が用いられています。新たにカーボンナノチューブを用いて開発されたオーラム®CNTグレードは、従来の帯電防止材料に比べ発塵が少なく、半導体を中心とした高いクリーン性が要求される用途での使用が期待できます。
 また、従来の帯電防止材料ではできなかった導電性のコントロールが可能になること、さらに、導電材料の添加量を極端に少なくできることから、分散性、流動性、寸法安定性に優れるため、ハードディスクドライブ部品、ハードディスク製造治具等の電気電子部品等のうち、既存の帯電防止材料が使用されている用途に加え、様々な新規用途への展開が期待できます。
 当社は今後とも、機能性材料分野の拡大・成長に向け、機能性ポリマーズ事業を収益の柱として育成すべく、更なる新製品開発・新規用途開発の加速を図っていく方針です。

本件に関するお問合せ先
三井化学株式会社 IR・広報室長  古賀義徳
電話:03-6253-2100