2005/6/7

各 位

太陽電池封止シート製造設備の増設について

三井化学株式会社

 当社(社長:中西宏幸)の100%子会社である三井化学ファブロ株式会社(以下MFI、社長:坂本 甫)は、太陽電池封止材事業のリーダーの地位強化を図るため、MFI名古屋工場に太陽電池封止シートの製造設備を増設することを決定しました。
 
<増設計画の概要>     
1. 対象製品 太陽電池封止シート(ソーラーエバ®)
(太陽電池セルをバックシートと強化ガラスで挟む際の封止材に用いる、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)製のシート。別紙ご参照)
     
2. 設備設置場所 三井化学ファブロ株式会社 名古屋工場内
     
3. 所在地 愛知県名古屋市
     
4. 生産能力 4,000トン/年(太陽電池570MW 相当)
(5,200トン/年→9,200トン/年)
     
5. スケジュール 着      工 2005年 8月
完      工 2006年 3月
商業生産開始 2006年 4月

 三井化学グループは、中期経営計画において、機能性ポリマーズ、情報・電子材料、ヘルスケア材料からなる機能性材料分野の拡大・成長を目指しております。情報・電子材料の一つである太陽電池封止材事業の戦略は、太陽電池メーカーの生産拡大に対応して、高品質の太陽電池封止材を供給できる体制を整備し、事業の更なる拡大を図ることであります。

 太陽電池市場は、今後、2010年までに世界で年率30%を超える成長が見込まれています。日本では、京都議定書の発効による環境や省エネに関する意識の高まりから、住宅への急速な普及が進んでおります。欧州では、日本同様環境意識の高まりと、各国政府の積極的な普及策から、太陽電池市場は近年60%程度の高成長を記録しております。また、米国、及び電化された割合が未だ低い東・東南アジアにおいても、太陽電池の普及が進むものと予想されています。

 このような状況において、MFIは、世界最大の太陽電池供給国である日本の大手メーカーの増産に対応し、中部・西日本地区においてコスト競争力ある新たな生産拠点を確立するため、現在のMFI勝田工場(生産能力5,200トン/年、茨城県ひたちなか市)に加え、今回、同社名古屋工場における増設を決定したものです。

 MFIは、今後とも日本の太陽電池メーカーの増産に対応し、高品質の製品を安定的に市場に供給する体制を整備し、更なる事業の強化・拡大を進めていく計画です。

本件に関するお問合せ先

製品に関するお問合せ先

      
ソーラーエバの役割 シリコン結晶を薄く切って電極化したセルをバックシートと強化ガラスで挟む際の封止材として用いられるEVAシート。接着性、透明性のほか、セルの割れを防ぐための柔軟性が必要となる。
   
太陽電池の原理 セル(シリコン結晶)に太陽光があたると、(−)の電荷をもった電子と(+)の電荷をもった正孔が発生する。セルを構成する半導体は、(−)が集まりやすいN型半導体と(+)が集まりやすいP型半導体とに分かれており、N型は(−)、P型は(+)の電気を帯びる。ここに電線をつないで電気を取り出す。
   

三井化学ファブロの概要

@商号 三井化学ファブロ株式会社
   
A事業目的 機能加工品の製造、販売及び研究
   
B本社所在地 東京都千代田区九段北四丁目2番6号市谷ビル
   
C事業所 工場:名古屋、勝田、安城
支店:大阪、名古屋、福岡
   
D設立 2005年4月1日(旧ハイシート工業鰍ニ旧三井化学プラテック鰍ェ統合)
   
E資本金 200百万円
   
F出資比率 三井化学100%
   
G社長 坂本 甫
   
H従業員数 270名
   
I売上高 220億円(05年度)、 240億円(07年度)