2005/9/12 |
各 位 |
半導体製造 次世代液浸露光用 高屈折率新規液体(デル ファイ)の開発 〜線幅32ナノメートルの微細加工を実現〜 |
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三井化学株式会社 |
当社(社長:藤吉建二)は、半導体製造の露光工程(*1)における、次世代液浸露光技術(*2)に利用可能な高屈折率液体(開発コード名:デルファイ)を新たに開発いたしました。これを、株シ導体先端テクノロジーズ(以下「Selete」、*3)に評価を委託した結果、線幅32ナノメートルの解像が実現できることが確認されました。この内容の詳細につきましては、本日よりベルギーにて開催されます、2nd International Symposium on Immersion Lithographyにおきまして、Seleteと共同で発表いたします。
半導体製造においては、現在、回路線幅130ナノメートルが量産されており、90ナノメートルが最先端となっておりますが、更なる微細化技術の開発が進められております。一般的には、回路線幅を微細化することにより、半導体処理能力の向上、各種機器の小型化に寄与すると言われており、線幅32ナノメートルが実現すれば、例えばDRAM(*4)の場合、現在量産されている線幅130ナノメートル・2ギガビットのメモリに対して16倍となる、32ギガビットのメモリが製造可能です。
現在、次世代液浸露光技術の開発にあたり、各社においては、屈折率1.44の水を用いて、回路線幅65〜45ナノメートルの実現に向けた開発が主流となっています。今回当社が開発したデルファイは、環状炭化水素骨格を基本とする化合物であり、水よりも高い屈折率(1.63)を示します。これを用いることにより、回路線幅32ナノメートルの実現を可能としました。
当社は、中期経営計画(04年度〜07年度)において、機能性ポリマーズ、情報・電子材料、ヘルスケア材料からなる機能性材料分野の拡大・成長を目指しております。その中で、情報・電子材料分野は、既存の中核製品に加え、多数の新規製品からなるクラスターを形成・拡大させていくことに取り組んでいます。今回のデルファイについては、半導体材料の中の新製品として、早期の事業化を目指してまいります。
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<語句解説> |
*1 露光工程
ICチップを製造する際に、パターンを形成するための工程としては、@フォトレジスト塗布→A露光→B現像→Cエッチングがある。
@フォトレジスト塗布:フォトレジストとは、感光性樹脂を言い、光が照射された部分のパターンが残るタイプと照射された部分が除去されるタイプとがある
A露光:ウェハ上に回路パターンを転写するため、露光装置により、レーザー等の光を照射する。
B現像:ウェハ上に現像液を滴下して、光化学反応させる。
Cエッチング:エッチングガスの噴霧・エッチング液に浸す等により、Bで光化学反応させた部分を残したり、除去したりすることにより、回路パターンを形成する。
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*2 次世代液浸露光技術
露光装置において、光源(フッ化アルゴンエキシマレーザー)を短波長化する代わりに、投影レンズとウェハの間に空気よりも屈折率の高い液体を満たすことにより、レンズの開口数を上げて、より高い解像度を実現する技術。現在、第一世代として、屈折率1.44の水を用いる手法の開発が進められ、線幅45ナノメートルまで適用可能な見通しが立てられている。
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*3 (株)半導体先端テクノロジーズ (http://www.selete.co.jp)
半導体メーカー10社の均等出資により1996年に設立。次世代の先端半導体技術に対応した実用化技術の研究開発を、つくば市に建設されたスーパークリーンルーム産学官連携研究棟で進めている。
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*4 DRAM(Dynamic Random Access Memory)
半導体記憶素子の一つ。読み書きが自由に行えるRAMの一種。比較的回路が単純で、集積度も簡単に上げることができ、安価なため、コンピュータのメインメモリは殆どがDRAMである。
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参考資料へのリンク |
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