2006/4/18 |
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各 位 |
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シンガポール国際シンポジウム(SIS2006)共同開催について |
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三井化学株式会社 |
当社(社長:藤吉建二)は、4月17,18日の両日、シンガポール政府機関である A*STAR*1) 及び EDB*2) との共催により、「先端材料とケミカルズにおける進展」をテーマに、「シンガポール国際シンポジウム:Singapore International Symposium (SIS2006)」を開催しました。 |
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本シンポジウムは、当社にとって、アジアで開催する初めてのシンポジウムであり、アジアにおける先端材料・ケミカルズ分野の研究機関と企業との協調関係を推進することを目的に開催したものです。シンガポールをはじめとしたアジア各国からも、企業、大学を中心に多数の参加者があり、約300名に上る出席者を得て、盛大なシンポジウムとなりました。 |
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当社は、世界の研究者とのグローバルサイエンスネットワークの構築と社会貢献の一環として、これまで国内で「三井化学触媒科学国際シンポジウム」を2回(2003年及び2005年)開催し、また、2004年にはフランスのルイパスツール大学で先端材料に関するシンポジウムを開催しました。今回、 A*STAR 及び EDB と共同で先進の情報交換の場を提供できましたことは、産学官の枠、国の枠を超えたグローバルネットワークをより一層、強固なものにできたと考えております。 |
*1)The Agency for Science,Technology and Research : 科学技術研究庁 | |
*2)The Economic Development Board : 経済開発庁 | ||
別紙:シンポジウムの概要 |
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本件に関するお問合せ先 |
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シンポジウムの概要 |
1. シンポジウム名称: | ||
Singapore International Symposium (SIS2006) | ||
<A*STAR ‐ EDB ‐ Mitsui Chemicals> |
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2.テーマ: | ||
Advances in Materials & Chemicals | ||
(先端材料とケミカルズにおける進展) |
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3.開催日: | ||
2006年4月17日(月)、18日(火) |
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4.会場: | ||
シンガポール、Biopolis、A*STAR内 講演室 |
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5.講演者紹介・演題: (講演順 8件) | ||
◆Krzysztof Matyjaszewski 教授(米国、カーネギーメロン大学、化学科) | ||
高度に制御されたリビングラジカル重合(ATPR:原子移動ラジカル重合)の先駆者。 ATPRにより、傾斜機能ポリマーなどの種々のユニークな構造を持つポリマーの創製が可能となった。 「制御されたリビングラジカル重合で可能となる新しいナノ構造材料」 |
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◆中條 善樹 教授(日本、京都大学、大学院工学部) | ||
有機合成化学をベースにした、官能基を持つ高機能性樹脂材料の合成研究の推進者。 分子複合材料として有機無機ポリマーハイブリッドの研究にも力を入れている。 「有機・無機ポリマーハイブリッド」 |
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◆Andy Hor 教授(シンガポール、シンガポール国立大学、理学部化学科) | ||
材料、触媒の設計を含む均一系触媒の研究、クラスターを形成するモノマー、オリゴマーの研究および触媒活性を持つクラスターの研究等、多岐にわたる研究の推進者。 「不安定で不活性な有機金属錯体の安定化と触媒的活性化」 |
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◆Stan Veprek 教授(ドイツ、ミュンヘン工科大学、化学科、無機材料化学) | ||
材料科学者として知られており、新規ナノ材料のデザイン、評価への貢献が大きい。 研究分野は高強硬度材料の一般的設計原理とプラズマ技術を用いるそれらの薄膜形成技術である。 「超硬度、高機能ナノ構造薄膜:一般的設計原理から工業的応用まで」 |
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◆福田 伸 研究主幹(日本、三井化学、マテリアルサイエンス研究所) | ||
三井化学研究開発部門のリサーチフェローで、ポリマー基板への無機薄膜形成とその応用および表面科学と薄膜技術のエキスパート。 この技術はPDP用光学フィルターやLCD用の反射材に生かされている。 「スパッタ薄膜を持つ高分子基板の電子材料への応用」 |
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◆William A.Goddard III 教授(米国、カリフォルニア工科大学、化学、化学工学科) | ||
研究の目的は化学、生物、材料系の特性を基本原理で説明しようとするものである。 量子力学、力場、分子動力学、静力学を含む理論に新しい方法を開発した。 「材料と触媒設計の基本原理」 |
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◆Myongsoo Lee 教授(韓国、延世大学、化学科) | ||
有機化学、超分子、材料とバイオケミストリーを融合させ、分子制御と超分子構造によりナノスケールの自己組織化システムを追究している。 「高機能ナノ構造への超分子の集合」 |
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◆相田 卓三教授(日本、東京大学、大学院工学系研究科) | ||
デンドリマーの光捕集機能、メソポーラスシリカを鋳型とした高分子合成、カーボンナノチーブをもとにした導電性ソフトマテリアル、自己組織化グラファイトナノチューブなど、多様なナノ科学を展開している。現在は、ERATO−SORST相田ナノ空間プロジェクトのリーダー。 「プログラムされた自己組織化による新しい電子ナノ材料」 |
6. ポスター発表:(20件) | ||
<三井化学> ・高性能半導体ウエハ裏面研削用保護テープ 「イクロスR」 (ウエハ薄研削用新規開発テープ) ・世界で活躍する三井化学の農薬 ・PDP光学フィルター 「フィルトップR、フィルファインR」 ・酵素-有機合成ハイブリッド技術を用いたデオキシヌクレオシドの工業的製法開発 ・ナノ結晶構造制御型エラストマー 「NOTIO™」 ・スーパーポリオレフィンTPXRの耐熱離型用途 ・成形加工性を改善する機能性ポリエチレンワックス 「エクセレックスR」 ・ガスバリア性と耐摩耗性に優れた有機無機ハイブリッドコート材料 ・レーザ光照射による有機材料の配向技術 ・FI触媒が生み出す高機能ポリオレフィン材料 |
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<シンガポール> Institute of Materials Research & Engineering, A*STAR ・ポリマーナノコンポジット ・超分岐ポリマーの新しい設計と応用 Institute of Chemical & Engineering Sciences, A*STAR ・均一系触媒における3次元配位子 ・機能化特殊ポリマー - 合成と応用 - ・ラマンスペクトルと数値解析による商品の認識 Institute of High Performance Computing, A*STAR ・ナノマテリアル ‐ ポリマーコンポジットの量子力学計算 National University of Singapore ・高次ナノ構造を持つメソポーラス機能性材料 ・環境分析化学への機能性ポリマーの応用 Nanyang Technological University ・フェロセンベースの不斉炭素カチオンを用いるアミン誘導体の不斉合成 ・薬剤溶出導管向け多層生分解性ポリマー構造 |
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<写真1:Dr. Vivian Balakrishnan 大臣(Minister For Community Development, Youth And Sports And Second Minister For Trade & Industry:シンガポール社会開発・青年・スポーツ省大臣、通産省第二大臣) による冒頭のご挨拶> | ||
<写真2:三井化学 藤吉社長による冒頭挨拶> | ||
<写真3:Krzysztof Matyjaszewski 教授(米国、カーネギーメロン大学、化学科)によるご講演> | ||
<写真4:ご講演者及び両主催者> | ||