2006/4/20

各 位

HD DVD−R2層ディスク用色素を開発

三井化学株式会社

 当社(社長:藤吉建二)は、4月1日より100%子会社化した山本化成株式会社(本社:大阪府八尾市、社長:沼田智)と共同で、HD DVD−R 2層ディスク(以下『HD DVD−R DL』)に用いられる新しい有機色素の開発に成功致しました。

 デジタルハイビジョン放送とインターネットでの大容量映像配信が開始され、高精細大画面テレビ(HDTV)とDVDレコーダーが急速に普及している現在、ハイビジョン映像の長時間録画が可能な大容量記録型ディスクが求められております。

 今年、DVDの規格化団体であるDVDフォーラムで規格化された、HD DVD−R DL(容量:30GB)は、ハイビジョン映像を4時間録画することが可能となります。また、HD DVD−Rは、現在、DVDレコーダーと共に普及している記録型メディアで、標準画質映像を2時間、1回録画できるDVD−R(容量:4.7GB)と同様の製造プロセスに適用できるというメリットから今後急速に広まっていくことが期待されます。

 この度、当社と山本化成は、CD−R用色素及びDVD−R用色素の開発で培った分子設計技術、有機合成技術及びメディア特性評価技術の知見をベースに、HD DVD−R DL規格に適合できる、優れた記録特性を有する新しい有機色素を開発しました。この色素は、読み取りエラー率の低い優れた記録再生特性と、記録したデータを100万回以上安定的に繰り返し再生することが可能な優れた耐久性能を有しております。色素の販売は、今月より開始する予定です。

 当社グループは、中期経営計画において、機能性ポリマーズ、情報・電子材料、ヘルスケア材料からなる機能性材料分野の拡大・成長を目指しております。HD DVD−R用色素は、情報・電子材料の中の光機能材料事業のひとつです。
 当社と山本化成は、今後一層の連携強化を図り、より高性能なHD DVD−R用色素の開発を進め、DVDフォーラムが推進するHD DVD規格の普及に協力して参ります。

本件に関するお問合せ先

         
 なお、本件に関し、株式会社 東芝 デジタルメディアネットワーク社 首席技監 山田尚志様から以下の通り、コメントを頂いております。
「三井化学が、HD DVD−R用の2層、30GB用の色素が出来たことは非常に喜ばしいと思います。HD DVDでは、2層の−Rが現行のDVDと同じプロセスでできるという特徴があり、これに適した色素の開発はこれからHD DVDの普及に役立ち、消費者にとっても使いやすいディスクが供給されることを期待します。」
 
<参考:山本化成の概要>
1.商号 山本化成株式会社
2.事業目的 染料(近赤外線吸収色素、情報記録紙用色素など)、化成品中間物(過酸化水素水製造用キャリアなど)、その他製品(有機精密化学品など)の製造及び販売
3.設立 1948年5月
4.資本金 2,134百万円
5.出資比率 三井化学100%
6.社長 沼田智
7.従業員数 約100名
8.売上高 6,900百万円(2005年度見込)