モビリティ事業本部

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大きな変革期を迎えている自動車・ICT市場の事業機会を機敏に捉えるために、成長のための戦略投資を着実に実行するとともに、顧客視点に基づく新製品・新事業の開発や、素材の技術を活用したソリューション提案力の強化により、新たな価値を提供してまいります。

基本情報 経営概況・事業戦略

2019年度の概況

売上高事業別比率

売上高事業別比率

売上高地域別比率

売上高地域別比率

売上高・営業利益推移(億円)

売上高・営業利益推移(億円)

2020年度見込み数値はIFRSに基づいて記載しています。

2025年度の目標

営業利益700億円 + 新事業

中長期的な成長需要を事業機会として捉えるために、戦略投資計画を着実に実行し、成長につなげていきます。また、全社モビリティ戦略の組織横断的な取り組みを加速させるために、組織横断的な責任と権限を付与したCoEプロジェクト推進室を立ち上げました。グローバルに、情報収集・戦略立案・事業開発をリードし、既存事業の拡大・強化を図るとともに、顧客へ最速・最適なソリューションを提供していきます。

成長戦略

  • 既存事業については、意思決定した投資を着実に実行し、投資回収を図るとともに、手綱を緩めることなく、次期能力増強の検討を進めていきます。また新規差別化製品を継続的に市場投入し、今後も拡大を図ります。
  • マルチマテリアル化への対応、繊維強化複合材の技術確立や顧客支援機能の拡張により、モビリティ事業分野における製品ポートフォリオの拡充を図ります。
  • オープン・イノベーションや提携を通じてニーズを先取りすることで新規市場での新事業展開を進め、川下化・サービス化を推進します。

投資戦略

  • 大型の生産設備を要するポリマー製品群については、適切な立地での能力増強を行い、グローバルな需要拡大に対応するとともに、競争優位性の一層の強化のため積極的に資源投入を行っていきます。
  • コンパウンド製品については、地産地消型能力増強をタイムリーに行い、顧客に密着したグローバルな供給体制を強化していきます。

自動車業界を取り巻く課題と車体の軽量化
PPコンパウンドなど自動車部品の拡大

環境規制やEV化の進展を背景に加速する軽量化

自動車業界では、地球温暖化防止を目的とした二酸化炭素排出量の抑制が課題となっています。排出量抑制には、自動車の低燃費化促進が課題であり、その対策として車体重量にも大幅な軽量化が必要と言われています。また、同時にパワートレーンの電動化や電気自動車へのシフトにより航続距離改善のための軽量化も進んでいます。
このような軽量化実現の手段として、多くの自動車メーカーが、それまで金属製だった部品・部位の樹脂化を進めており、その動きが加速しています。

世界No.1を目指す
PPコンパウンド事業の成長と拡大

当社グループの自動車材PPコンパウンド事業は、世界シェア2位、アジアシェア1位を誇っています。また、日本自動車メーカー向けでトップシェア、米国自動車メーカー向けにも高い評価と実績を築き、北米内でも既に約3割のシェアを有しています。
PPコンパウンドは、成形性に優れるポリプロピレンに、エラストマーやタルクなどをコンパウンドすることで耐衝撃性と剛性を向上した材料です。現在、バンパーやインストゥルメンタルパネルなどに採用されており、1台当たり約50-60kg使用されています。
当社グループは、得意とする独自の配合レシピや原料に遡り樹脂そのものを設計する技術を保有することにより、様々な顧客ニーズに応える高品質な製品を提供し高い評価を得てきました。また、世界主要地域で8つの生産拠点と6つの研究拠点を有し、自動車メーカーのグローバル戦略にスピーディーに対応できる体制を構築しています。従来、欧州におけるシェアは高くありませんでしたが、同地域へ開発拠点を設置し事業拡大の取り組みを進めてきました。この取り組みの結果、欧州での販売増加が見込まれることから、オランダに自社生産拠点を設立し、2020年6月に営業運転を開始しました。
また、成長するアジア需要の獲得のためタイ・インド拠点の増強を計画し、タイ拠点では2020年6月に増強を完了しました。今後も、当社グループの技術優位性と供給能力を活かしながら、需要拡大や新たなシェアの獲得に合わせて逐次生産能力の増強を進め、成長市場を確実に捉えてさらなる事業強化を図ります。

PPコンパウンド拠点
PPコンパウンド
  シェア
世界 2位(21%)
アジア 1位
日本 1位

さらなる金属代替への取り組み
ガラス長繊維強化ポリプロピレン

ガラス長繊維強化ポリプロピレン(以下、GFPP)は、繊維状のガラスにポリプロピレン樹脂を含浸させて得られる複合材料です。軽量で、ガラス繊維が長いことによる剛性や耐衝撃性のバランスに優れていることから、これまで金属が使用されていたバックドアなどへの採用が進んでいます。また、当社グループのGFPPは、外観性が良いことから、無塗装で使用でき自動車メーカーの工程短縮に寄与しています。このような、世界的な軽量化ニーズの拡大から、バックドア以外のスライドドアなど金属製の部品についても他素材への置換が検討されており、繊維強化樹脂は有力な候補の一つとなっています。中でもGFPPは、炭素繊維と比較しコストを抑制できることから、今後需要の増加が見込まれています。当社グループは、日本・中国・米国の世界3極で生産体制を確立しており、グローバルに軽量化ニーズに対応していきます。

ガラス長繊維強化ポリプロピレン

TOPICS - 環状オレフィンコポリマー アペル®の用途拡大

アペル®はポリオレフィン樹脂と非結晶性樹脂の性能を融合させた、三井化学独自の環状オレフィンコポリマー(COC)です。非結晶性ポリオレフィンの中でも、最も高い屈折率を有しており、光学的異方性が少なく、本質的に複屈折の小さい材料です。その優れた光学特性から、透明性の高い光学レンズや光学部材に適しており、高い評価を得ています。現在、スマートフォンカメラレンズを主用途として販売が拡大しており、昨今、多眼化進展に伴い、アペル®の需要が急拡大しているため、当社は、それに対応した供給体制構築を目的とし、大阪工場(大阪府高石市)内での新プラント建設に着手しました。新プラントは2020年4月に着工し、2022年3月に完工する予定です。これによりアペル®の生産能力は約50%増強され、当面の需要拡大へ対応が可能となる見通しです。一方で、車載カメラレンズ(センシングカメラ、ビューカメラ、ドライブレコーダー、バックビューモニタなど)、ヘッドアップディスプレイ用部材(集光レンズ、コンバイナーなど)、AR/VRデバイス用光学部材などに幅広く使用され、また、優れた防湿性、耐薬品性、非吸着性も有しており、食品用包装材、医療用包装材などへの用途も拡大しています。将来的にさらなる需要拡大も予測されるため、次期能力増強計画の検討も開始しています。このように当社は、加速する多様な用途での展開と、急成長する市場ニーズへの対応を実現するため、着実に供給体制を整え、事業拡大を図ります。

環状オレフィンコポリマー アペル
環状オレフィンコポリマー アペル