特性詳細
高温剛性
オーラム®は、高いガラス転移温度(Tg:245℃)を有している為、PEEK樹脂と比較し、150℃以上での高温剛性に優れます。
非熱可塑性PIと比較し、熱可塑性樹脂であり、繊維強化が可能な為、初期強度の向上を図れます。
(曲げ弾性率 3GPa ⇒ 22GPa)
【使用用途】
自動車: トランスミッション用スラストワッシャー, トランスミッション用シールリング, ベアリングリテーナー, 軸受け
航空機: 航空機エンジン 構造部品
電気電子: ICトレイ, IC製造トレイ, 液相パネル製造治具
ダイヤモンド砥石用バインダー
線膨張係数
熱可塑性樹脂は、線膨張係数コントロールの為、各種添加材を充填可能であり、要求特性に応じた材料設計が可能です。
オーラム®も熱可塑性樹脂であり、線膨張係数のコントロールが可能です。
熱可塑性樹脂の中で最高クラスのガラス転移温度を有するので、245℃まで線膨張係数が安定です(アルミ金属同等にコントロール可能)
【使用用途】
自動車: トランスミッション用スラストワッシャー, トランスミッション用シールリング, ターボチャージャー アブレシール, 軸受け, ピストン, オイルポンプ
電気電子: ICトレイ, IC製造トレイ
熱可塑性
一般的なポリイミドは、非熱可塑性樹脂が主であり、素材からの切削加工が主な使用方法になりますが、オーラム®は、全芳香族中で唯一の熱可塑性樹脂です。
高い耐熱性が良く知られたPEEK樹脂よりも100℃高いガラス転移温度(Tg)を有しており、高温剛性、寸法安定性に優れます。
【使用用途】
自動車: トランスミッション用スラストワッシャー, トランスミッション用シールリング, ベアリングリテーナー, 軸受け, ピストン, オイルポンプ
航空機: 航空機エンジン 構造部品
電気電子: ICトレイ, IC製造トレイ, 液相パネル製造治具
ミシン用摺動部品
ダイヤモンド砥石用バインダー
摺動特性
オーラム®は、無潤滑摺動雰囲気下において、熱可塑性樹脂中で最高クラスの限界PV値を有します。
オーラム®は、オイル潤滑下にて、競合樹脂と比較し、最高クラスの限界PV値を有します。
【使用用途】
自動車: トランスミッション用スラストワッシャー, トランスミッション用シールリング, ベアリングリテーナー, 軸受け, オイルポンプ, ピストン
アウトガス性
耐放射線性
耐クリープ性
オーラム®は、PEEKよりもガラス転移温度が高く(Tg245℃)高温環境下でも優れた耐クリープ性を有します。
【使用用途】
自動車: トランスミッション用スラストワッシャー, トランスミッション用シールリング, ベアリングリテーナー
耐薬品性
オーラム®は、ポリイミド骨格を有するので、優れた耐薬品性を有します。
自動車用途のガソリン、各種潤滑油、飛行機用途の各種燃料、潤滑油、洗浄剤での耐性も有します。
【使用用途】
自動車: トランスミッション用スラストワッシャー, トランスミッション用シールリング, ベアリングリテーナー, ターボチャージャー アブレシール, オイルポンプ, ピストン, 軸受け
人工透析器インペラー
飛行機エンジン部品
寸法安定性(収縮率)
オーラム®は、PEEKよりも収縮率が1/2であり(AURUM:0.7%、PEEK:1.5~2.0%)、繊維補強銘柄での成形品の寸法精度が優れます。
成形品の寸法精度に優れるため、高い寸法精度を要求される部品でも成形後の後加工が不要です。
【使用用途】
自動車: トランスミッション用スラストワッシャー, トランスミッション用シールリング, ベアリングリテーナー, オイルポンプ, ピストン, バルブシート
電気電子:ICトレイ, IC製造トレイ
耐高電圧特性
オーラムは、高温下でも低誘電率を維持でき、高温下での絶縁特性に優れます。
(240℃下の誘電率 オーラム:2.5 PEEK:3.6)
高温下での絶縁特性に優れているため、高熱を生み出す高電圧環境でも絶縁膜の薄膜化ができ、マグネットワイヤの占積率向上に貢献できます。
【使用用途】

ピストン: 軽量化



従来材料
金属
問題点
高比重
要求特性
高温剛性、耐疲労性、摺動特性、成形品精度
AURUM®での優位性
軽量化ピストン ⇒ カウンターウエイトの低減
軽量化エンジン提案可能
推奨銘柄
建機オイルシール: 長期耐久性




従来材料
綿布フェノール
問題点
長期耐久性(耐薬品性)、加工時の発塵性
要求特性
長期耐久性(高温剛性、摺動性)、靭性
AURUM®での優位性
- 長期耐久性(高温剛性、摺動))
- 靭性
長期耐久性
高品質シリンダー(市場クレームが激減)
推奨銘柄
高電圧巻線ワイヤ:耐熱性/低誘電率/厚膜被覆/単層被覆


EVモーターの技術トレンド
高出力化、小型化
従来材料
PEEK(押出被覆)
PAI/PIワニス(ディップ被覆)
従来材料の問題点
PEEK:高温域(≧150℃)での電気特性 維持率が低い
銅線との接着性が低く二層被覆が必要
PAI/PIワニス:厚膜被覆が難しい
製造時の環境負荷が大きい(電力, ワニス溶媒の使用)
要求特性
高温域でも優れた電気特性(低誘電率・高絶縁破壊電圧値)を維持
銅との接着性
可撓性
膜厚精度
耐薬品性
耐熱老化性
AURUM®での優位性
高温域でも優れた電気特性(低誘電率・高絶縁破壊電圧値)を維持
押出被覆により 厚膜被覆可能・環境負荷低減
銅への単層被覆可能
推奨銘柄
非強化銘柄