特性詳細

耐熱性

TPX® の融点は220~ 240 ℃で、ビカット軟化点も高いため、高温下での使用が可能です。
但し、熱変形温度がポリプロピレンとほぼ同等のため、荷重のかかる用途にご検討の際はご注意下さい。

関連用途: 食品容器、FPC離型紙、ゴムホース、合皮離型紙、アニマルケージ、LED モールド

graph of Heat Resistance

離型性

TPX® の表面張力は24 mN/m で、フッ素樹脂に次いで小さいので、各種材料からの剥離性に優れます。
この特性を生かし、熱硬化性樹脂(ウレタン、エポキシ等)硬化時の離型材料に利用されています。また、
熱可塑性樹脂(PET、PP 等)と混ざらないため、PET、PP 膜の多孔質化に利用されています。


関連用途:食品容器、FPC離型紙、ゴムホース、合皮離型紙、樹脂改質、LED モールド

もっと見る

graph of Releasability and Non-compatibility

離型性

離型性に優れるTPXは食品の汚れがつきにくく、防汚性に優れます。

graph of Releasability and Non-compatibility

上記の表は一般的な容器であるPPと食品の色の着き方を比較したものです。TPX®の容器は他材に比べて汚れが着きにくいのがわかります。

透明性

TPX® は、結晶性の樹脂でありながら、透明(Haze< 5%)で優れた光線透過性を誇ります。
特に紫外線透過率がガラス及び透明樹脂に比べ優れているため、光学分析用のセルにも利用されています。

関連用途: 食品容器、アニマルケージ、実験器具

graph of Transparency

耐薬品性

TPX® は安定したC-C 結合であるため、ポリカーボネートやアクリル類と比較して耐薬品性に優れています。特に、酸やアルカリ、アルコールに対し優れた耐久性を有することから、化粧品キャップやチューブ、実験器具や分析セルなど、幅広い分野にて使用されています。

関連用途: 実験器具

graph of Chemical Resistance

ガス透過性

TPX® はその分子構造上、すぐれたガスを透過する特性を有しています。この特性を生かし、ガス分離膜等の分野で活躍しています。

関連用途: 中空糸

graph of Gas Permeability

低誘電特性

非極性の構造であることから、フッ素系樹脂並の低誘電特性を有しています。
誘電特性の周波数依存が小さく、更には射出成形にて成形できることから、様々な周波数帯で、安定した品質で使用することができます。

graph of Low Dielectric Property

低誘電特性

graph of Releasability and Non-compatibility

低密度

熱可塑性樹脂の中で最も密度が低く(830kg/㎥ )、他の透明樹脂と比べ比容積が大きいため、成形品の軽量化が可能になります。TPX® 単体のみならず、他の樹脂とのコンパウンドによる軽量化も可能です。

関連用途:食品容器、アニマルケージ

耐スチーム性

ポリオレフィンであるため、吸水率が極めて低く、吸水による寸法変化がありません。
また、沸騰水中でも加水分解しないため、スチーム滅菌が必要となる医薬品実験器具やアニマルケージなどに使用することができます。

関連用途:中空糸、実験器具、アニマルケージ

食品衛生性

TPXは各種国内規格試験や、米国のFDA規格、EU食品規格に適合する銘柄を揃えています。安全性は勿論、耐熱性等にも優れるため、熱に強い食品用ラップや電子レンジ調理可能な食品保存容器等にも採用されています。

関係法令

低屈折性

TPX® の屈折率は1.463nD20であり、フッ素樹脂に次いで低いため、低屈折材料として使用できます。

物性表

補足情報

物性補足情報

成型補足情報