プラスチック戦略

三井化学グループは、プラスチックを巡る課題に対し、バリューチェーン全体を視野に入れた、①リサイクル戦略、②バイオマス戦略に注力しています。この戦略と海洋プラスチックごみ問題への対応を通して資源循環を促進し、循環経済モデルを推進していきます。

全社横断的なプラスチック戦略の推進体制を構築

プラスチック戦略の推進を加速するため、ワーキンググループとステアリングコミッティからなる全社横断的な体制を構築しました。この体制のもとで、ワーキンググループがプラスチック戦略に合致するプロジェクト候補を全社から集約し、内容の具体化および個別部門だけでは実施が困難な案件の社内調整を実施します。ステアリングコミッティは、ワーキンググループの提案の中からプロジェクトを選定、承認し、資源投入の決定も行うことで、迅速な意思決定を実現しています。

① リサイクル戦略:プラスチック資源リサイクル

近い将来、再生プラスチックを使用した製品の優遇措置や消費者意識の変化により、バージンプラスチックの販売機会が減少する可能性が示唆されています。当社グループは事業に再生材料を取り込んでいく方針です。廃プラスチックのケミカルリサイクルやマテリアルリサイクル、包装材料のモノマテリアル化に加え、スタートアップ企業の支援など、幅広く可能性を検討していきます。

軟包材のマテリアルリサイクル実証試験を開始

フィルム加工・印刷工程で発生する廃プラスチックを軟包材用のフィルムとして再利用する実証試験を開始しました。印刷済みフィルムを洗浄・印刷除去する技術を検証し、印刷工程以降の廃プラスチックも対象とすることを見据えています。

国連環境計画 (UNEP)と、廃プラスチック削減に貢献するスタートアップ企業を支援

UNEP主催の「The Asia Pacific Low Carbon Lifestyles Challenge」に参画し、革新的なアジアのスタートアップ企業3社を選出しました。この3社に対し、助成金の提供および、UNEPと共同した技術指導・運営支援に取り組んでいきます。

廃自動車由来プラスチックの油化技術で Car to Car リサイクル

日本では自動車リサイクル法に基づき、廃⾃動⾞から金属が回収され、その後の残渣(シュレッダーダスト)からは廃プラスチックが回収されています。廃プラスチックはシュレッダーダストの約30%を占め、そのほとんどは燃料として利用されています。当社は、自動車会社などと共同で、シュレッダーダスト中の廃プラスチックを分解して化学原料に変換(原料油化)するケミカルリサイクル技術の開発を進めています。

包装材料のモノマテリアル化でリサイクルしやすさを追求

食品包装フィルムは、特性の異なる複数の素材を貼り合わせることで、長期保存性や破れにくさ等の高機能化を実現しているため、リサイクルしにくいという課題があります。 当社は、リサイクルのしやすさを追求した単一素材(モノマテリアル)の包材を開発し、提案しています。

② バイオマス戦略 バイオマスプラスチック製品群の拡充

二酸化炭素を吸収し成長した植物を原料とするバイオマスプラスチックは、今後、経済的にも受け入れられていくことが想定されます。当社グループは、バイオマス原料への転換は資源循環を促進すると同時に、新たな化石資源の使用を抑制し、気候変動の緩和策となると考え、バイオマスプラスチック製品群の拡充を図っています。これに加え、当社独自の発酵をキー反応とする技術を用いた、世界初のバイオポリプロピレン製造技術の確立に挑戦し、実用化を目指しています。

世界初のバイオポリプロピレン実用化を目指す

ポリプロピレンは、バイオマス原料化の難易度が高く、工業化レベルでの技術確立に至っていません。当社は発酵をキー反応とする独自の新技術により、世界で初めてバイオポリプロピレン製造の実証試験に挑戦しています。
非可食植物を主体とするバイオマス原料を使用し、原料残渣も電気に変換して有効活用する持続可能な技術の確立を目指します。

ポリプロピレン
✔ 世界のプラスチック生産量の約20%。需要は今後も拡大。
✔ 自動車部品、家電、医療、住宅、食品包装など幅広い用途で使用。

海洋プラスチックごみ問題

海洋プラスチックごみ問題は、不適切な廃棄物管理によりプラスチックが資源循環から外れ、海洋に流出してしまうことに起因しています。最も大切なことは、河川や海に流出させないことです。流出を抑止するには、プラスチックに関わるバリューチェーンが一体となって対策を実施することが必要です。国際的なアライアンスであるAlliance to End Plastic Waste(AEPW)や、海洋プラスチック問題対応協議会(JaIME)、クリーンオーシャンマテリアルアライアンス(CLOMA)等の国内アライアンスに参画して、取り組みを進めていきます。

Alliance to End Plastic Waste(AEPW)

化学、プラスチック加工、小売り、廃棄物管理など、プラスチックのバリューチェーンに携わるグローバル企業が参加しています。プラスチックごみ削減に対して、廃棄物管理のインフラ整備、イノベーションの促進、教育・啓発活動、清掃活動の4つの分野において、2024年までに総額15億米ドルを投じ、持続可能な社会への貢献を目指すことを掲げています。(参加企業は、2020年6月時点で47社)

海洋プラスチック問題対応協議会(JaIME)

日本の化学企業・団体が参画し、各種リサイクル手法の環境負荷をLCA(ライフサイクルアセスメント)の手法で評価した結果を国内外に発信しています。2020年2月には、アジア新興国におけるプラスチック廃棄物管理能力向上支援を目的として、日本の知見や経験を紹介する研修セミナーを開催するなど、活動しています。

クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)

業種を超えた幅広い関係者の連携を強め、イノベーションを加速するためのプラットフォームとして2019年に設立されました。これまで、会員間の技術情報共有や、マッチング機会の提供といった活動を実施し、2020年5月には「CLOMAアクションプラン」として、2030年に容器包装リサイクル率60%、2050年にはプラスチック製品リサイクル率100%という目標を掲げ、具体的な方策の検討、実証テストの計画などを示しています。

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