プラスチック戦略

三井化学グループは、プラスチックを巡る課題に対し、バリューチェーン全体を視野に入れた次のふたつの戦略に注力します。この戦略と海洋プラスチックごみ問題への対応を通して資源循環を促進し、循環経済モデルを推進していきます。

① リサイクル戦略:プラスチック資源リサイクル

当社グループは、これまでも軽量・薄肉化(Reduce)に貢献する高機能プラスチック製品を提供してきました。これに加え、使用後のプラスチックの活用に向けて、リサイクル(Recycle)にも積極的に関与していきます。原料としてリサイクル材料を利用することや、廃自動車由来プラスチックのケミカルリサイクル、包装材料の単一素材化(モノマテリアル化)といったリサイクルを考慮した製品設計等、幅広く可能性を検討し、オープンイノベーションも活用していきます。

廃自動車由来プラスチックの油化技術で Car to Car リサイクル

日本では自動車リサイクル法に基づき、廃⾃動⾞から金属が回収され、その後の残渣(シュレッダーダスト)からは廃プラスチックが回収されています。廃プラスチックはシュレッダーダストの約30%を占め、そのほとんどは燃料として利用されています。当社は、自動車会社などと共同で、シュレッダーダスト中の廃プラスチックを分解して化学原料に変換(原料油化)するケミカルリサイクル技術の開発を進めています。

包装材料のモノマテリアル化でリサイクルしやすさを追求

食品包装フィルムは、特性の異なる複数の素材を貼り合わせることで、長期保存性や破れにくさ等の高機能化を実現しているため、リサイクルしにくいという課題があります。 当社は、リサイクルのしやすさを追求した単一素材(モノマテリアル)の包材を開発し、提案しています。

② バイオマス戦略 バイオマスプラスチック製品群の拡充

プラスチックは、通常、石油から製造されるため、必然的に化石資源を消費します。これに比べ、二酸化炭素を吸収し成長した植物を原料とするバイオマスプラスチックは、製造過程で発生する二酸化炭素を抑制できます。三井化学グループは、バイオマス原料への転換は資源循環を促進すると同時に、新たな化石資源の使用を抑制し、気候変動の緩和策となると考えています。
当社グループは、バイオポリオール(エコニコール®)、バイオポリウレタン(スタビオ®)、バイオレンズモノマー(Do Green)といったバイオマスプラスチック製品を保有しています。これに加え、バイオポリプロピレン製造技術の確立を目指すなど、バイオマスプラスチック製品群の拡充を図っていきます。

世界初のバイオポリプロピレン実用化を目指す

ポリプロピレンは、バイオマス原料化の難易度が高く、工業化レベルでの技術確立に至っていません。当社は発酵をキー反応とする独自の新技術により、世界で初めてバイオポリプロピレン製造の実証試験に挑戦します。
非可食植物を主体とするバイオマス原料を使用し、原料残渣も電気に変換して有効活用する持続可能な技術の確立を目指します。

ポリプロピレン
✔ 世界のプラスチック生産量の約20%。需要は今後も拡大。
✔ 自動車部品、家電、医療、住宅、食品包装など幅広い用途で使用。

海洋プラスチックごみ問題

海洋プラスチックごみ問題は、プラスチックが資源循環から外れてしまうことに起因しています。最も大切なことは、廃棄物を河川や海に流出させないことです。廃棄物管理・回収は、個社では対応しきれない社会インフラの整備が課題であることから、Alliance to End Plastic Waste(AEPW)などの国際的なアライアンス等に参画して取り組みを進めていきます。

Alliance to End Plastic Waste(AEPW)

化学、プラスチック加工、小売り、廃棄物管理など、プラスチックのバリューチェーンに携わるグローバル企業が参加しています。プラスチックごみ削減に対して、廃棄物管理のインフラ整備、イノベーションの促進、教育・啓発活動、清掃活動の4つの分野において、今後5年間で総額15億米ドルを投じ、持続可能な社会への貢献を目指すことを掲げています。(参加企業は、2019年7月時点で39社)

海洋プラスチック問題対応協議会(JaIME)

日本の化学産業を担う企業・団体が参画し、プラスチック廃棄物に対する科学的知見の集積や、アジアにおけるプラスチック廃棄物の管理向上支援などの活動をしています。2019年5月には、プラスチック製容器・包装に関して、各種リサイクル手法やエネルギーリカバリーにおける環境負荷を定量的に評価したLCA(ライフサイクルアセスメント) 結果を公表しました。なお、当社社長は会長を務めています。

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