気候変動対応方針

目指す未来社会の実現には、気候変動関連の課題解決が優先すべき事項であると考えています。
当社グループは、2050年を見据えた長期的な視点で予測される機会とリスクを考慮し、緩和と適応の両面から気候変動に取り組みます。この考えのもと、グローバルバリューチェーン全体を対象とする気候変動対応方針を策定しました。

三井化学グループ 気候変動対応方針

三井化学グループは、気候変動対応を最優先課題と考え、グローバルバリューチェーンでの協働・共創を推進してまいります。

緩和

GHG削減推進による
低炭素社会の実現

機会・リスク
製造における低炭素化
  • 省エネ、再生エネルギー
  • 原料・燃料転換
製品によるGHG削減
  • Blue Value® 製品
リサイクル技術向上
  • 素材・デザインの革新
バリューチェーンによる貢献最大化

適応

気候変動リスクに強い
健康・安心な社会の実現

機会・リスク
水セキュリティ強化
  • 生産拠点のリスク対応
  • 水資源の有効活用
適応製品群の拡大
  • Rose Value® 製品
  • 防災減災関連製品
バリューチェーンのレジリエンス強化

GHG削減推進による低炭素社会の実現

製造における低炭素化

化学製品は化石由来原料を使用しています。また、化石由来の燃料を蒸気・電気に変換し、多くの工程を経て製造しています。そのため、化学産業は他の産業よりも多くのGHGを排出しています。これからの化学製品の製造においては、低炭素な原料・燃料への転換、高性能触媒の使用や省エネ機器の導入等による製造エネルギー削減、再生可能エネルギーの積極利用などの様々な施策により、大幅なGHG排出削減に貢献できると考えています。

製品によるGHG削減

化学製品は、様々な最終製品に使用されており、製品ライフサイクルの各々のステージでGHG削減に貢献することができます。当社グループでは、環境貢献価値を有する製品をBlue Value® 製品として認定しています。その貢献要素のひとつとして「CO2を減らす」を設定し、各ライフサイクルステージでのGHG削減を評価しています。 また、Blue Value® 製品の売上高比率を、2025長期経営計画のKPIに設定しています。今後、Blue Value® 視点を反映させた製品開発を加速していきます。

リサイクル技術向上

リサイクルによる資源循環の促進は、化石原燃料の削減、GHG排出量削減の観点からも重要な事項と考えています。プラスチック戦略に掲げている通り、リサイクルしやすい製品設計に取り組みます。

化学製品のライフサイクルでのGHG削減貢献の例

気候変動リスクに強い健康・安心な社会の実現

水セキュリティ強化

温暖化の進行により気象現象が大きく変化し、風水害および旱害が増加すると予測されています。また、人口増加や経済発展により大規模な水不足が発生するとも予測されています。化学製品の製造では、加熱・冷却や製品の精製などに多くの水を必要とするため、利用可能な水量、水質の変化が事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは世界各地域に生産拠点を有しており、地域に即したリスク評価および対策を行う必要があると考えています。

適応製品群の拡大

気候変動に伴う温暖化は、健康や衣食住、農作物や生態系に大きな影響を与えることが予想されています。当社グループでは、健康寿命の延長、食料問題への対応などのQOL向上貢献価値を有する製品をRose Value® 製品として認定しています。その中で、感染症の予防やフードロス低減等への貢献について評価しています。また、Rose Value® 製品の売上高比率を、2025長期経営計画のKPIに設定しています。今後、Rose Value® 視点を反映させた開発を加速し、適応製品群を拡大していきます。

TCFD提言に賛同

当社グループは、2019年1月にTCFDの提言への賛同を表明しました。化学企業として気候変動に真摯に向き合い、事業に影響する機会・リスクへの理解を深化させ、その取り組みの積極的な開示に努めていきます。

TCFD:
金融安定理事会によって設立された気候関連財務情報開示タスクフォース。2017年6月、気候変動の影響を金融機関や企業、政府などの財務報告において開示することを求める提言を公表した。世界中の792の機関が提言への賛同を表明している。(2019年6月時点。TCFD公表)

TCFD提言では、気候変動に関するガバナンス、経営戦略、リスク管理、指標と目標の各項目に関する情報開示が求められています。当社グループは、TCFD提言に沿って次のように対応を進めていきます。

1. 気候関連リスクの重要性評価

気候変動に伴う当社重要事業のリスク・機会の定性分析

2. シナリオの範囲の特定および決定

気候変動に伴う当社事業環境変化(シナリオ)を予想して影響を検討

3. 事業影響の定量化

当社シナリオから将来の事業戦略と財務への影響を定量化し、戦略に反映

4. 潜在的な対策の特定

気候変動戦略の対策決定、マネジメント管理指標の選定

1. 気候関連リスクの重要性評価

ファーストステップとして、当社グループ事業の気候変動による影響評価を行いました。今後、これに基づき、事業に対する気候変動影響に関するシナリオ分析を行い、その結果を開示する予定です。

1)評価対象

当社グループ主要事業のうち、気候変動の影響を受けやすい事業領域を選定。

① モビリティ、② 石化原料、③ 農業、④ ヘルスケア、⑤ 電気電子、⑥ 包装、⑦ エネルギーソリューション

2)評価実施方法

① 気候変動リスク・機会の洗い出し

TCFD最終報告書に示されている情報開示のフレームワークに基づき、移行リスク・物理的リスクおよび機会を洗い出し。

② 重要なリスク・機会の抽出

上記から、発生の可能性、事業へのインパクト(人的損失、財務的インパクトなど)をふまえ、特に重要なリスク・機会を抽出。その際、国際的な議論の動向、展開地域、他社事例なども考慮。

3)評価結果(●リスク、〇機会)

この表は横にスクロールできます。

評価項目 共通 事業領域別
物理的
リスク/機会
急性 ● 風水災(洪水・暴風雨)によるリスクの上昇  
慢性 ● 潮位上昇(高潮)によるリスクの上昇
● 利用可能な淡水不足によるリスクの上昇
●〇 農作適地変化と新たな農業技術開発
●〇 害虫、雑草、細菌類の分布拡大
●〇 気候変動による感染症の流行拡大
低炭素社会移行
リスク/機会
政策および
法規制
● 炭素価格導入、上昇によるリスク
● 訴訟リスクの増加
●〇 EVシフトによる事業への影響 ①⑤
● 合成化学肥料の使用規制
技術 ●〇 再生可能エネルギーの普及
●〇 CCU技術、高度化リサイクル技術の開発加速
● バイオマスプラスチックの普及 ①②⑥
● 低GHG排出技術への移行加速 ②⑤⑥
市場 ●〇 サーキュラー・エコノミーの普及
●〇 再生可能原材料への転換
● 再生可能エネルギー使用へのメーカー要請
● EVシフト、水素社会の低炭素移行による希少資源価格上昇
● ライドシェア、カーシェアの増加などによる自動車製造・販売量の減少
● 石油生産量の低下によるナフサの不足
●〇 再生可能エネルギーの需要増加
評判 ● 投資家によるアプローチ増加  

外部情報として、 IPCC_RCP2.6、RCP8.5、IEA_B2DS、SDS等を活用。

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