グローバル人材戦略

担当役員メッセージ

グローバル人材戦略について

三井化学グループの連結従業員数は近年実施したM&Aなどにより約2万人(含む嘱託)に増加し、うち海外従業員比率は約40%に至っています。事業領域も素材の開発、製造、販売にとどまらず、お客様へのソリューション提供といった領域にも拡大しています。当社グループで活躍する人材の国籍や専門性の多様性が大きな広がりをみせる中、以前にも増してグループ・グローバルを意識した人材戦略の実行が必要となっています。当社は2019年4月に「グローバル人材部」を新設し、グループ・グローバルベースでの人材戦略の策定と展開を担うためのCoE機能の強化を図っています。「グローバル人材部」の立ち上げから1年余りの間に、タレントマネジメント、ポジションマネジメント、タレントディベロップメントなどの観点を採り入れた「グループ・グローバル人材プラットフォーム」の整備を着実に進めてきました。三井化学グループがグローバル市場で価値を生み出し続けるため、求められる人材の確保育成と効果的な配置をグループ・グローバルで実現していきます。

常務執行役員 グローバル人材部長 >安藤 嘉規
常務執行役員 
グローバル人材部長 
安藤 嘉規

グローバル人材マネジメント・戦略

1997年の三井化学発足以降、連結対象会社数は156社、連結従業員数は17,929人(2020年3月末、嘱託社員除く)、海外売上高比率は45%へと拡大してきました。このような事業のグローバル化の進展に伴い、海外拠点運営やクロスボーダーM&AのPMIなど、人材マネジメントの領域においてもグローバルベースで仕組み構築に取り組んできました。これらをさらに加速させるため、これまでのバーチャルHR組織から、恒久的なグローバル組織に発展させるために、「グローバル人材部」を2019年4月に新設しました。これによりグループ・グローバルレベルでの効果的な人材マネジメントの遂行および人材ガバナンスの強化を図り、グローバルな事業競争力の強化を図っていきます。同部発足に伴い、グローバル本社にタレントマネジメント、人材育成、報酬・評価などの制度設計の機能を設置しました。合わせて、2014年から継続する「HR Development Advisory Committee(HRDAC)」(地域統括会社等の人事を巻き込んだバーチャルなプロジェクト体制)のスキームを活用し、各種グローバル共通プログラムの企画、および各地域への展開を加速しています。グローバルに統一すべき事と、各地域や個社毎に自由度を持って運営する事を再定義し、グループ・グローバルレベルでの効果的な人材マネジメントの実現と、各地域や事業の成長を両立するような人事組織を運営しています。

グループ・グローバル化とグローバルHRの変遷

グループ・グローバル化とグローバルHRの変遷

グローバル人材マネジメントの全体像

グローバル人材マネジメントの全体像

キータレントマネジメント 次世代を担う経営者候補の育成

次世代を担う経営者候補、および海外展開・M&Aなどにより増加する海外現地法人のマネジメントを行える人材の育成は、当社グループにとって喫緊の課題となっています。これら人材の育成に向け、当社グループは「キータレントマネジメント」の仕組みを導入し、2016年度から運用を開始しています。今後、この仕組みをさらに進化させ、当社グループの成長をさせる人材の育成を推進していきます。

キータレントマネジメントの概要

(1)「キータレント」と「経営者候補」

全世界の当社グループ人材のうち、業績・コンピテンシー(資質要件)、潜在能力そして熱意において継続的に高いレベルを示す者を「キータレント」として、この中より将来の経営者となりうる素質を持つ人材を「経営者候補」として選抜しています。

(2)人材育成委員会

「キータレント」および「経営者候補」の選抜、育成計画の承認とその成果の確認を行う機関として人材育成委員会を設置しています。人材育成委員会は、選抜された人材の職務経験をレビューし、「経営的視野」「事業再構築」「新事業開発」「全社横断プロジェクト」「海外法人運営」の5つの視点より配置先を決定します。

キータレントマネジメントの仕組み

レスポンシブル・ケア マネジメント体制 レスポンシブル・ケア マネジメント体制
2019年度の進捗状況
  • 全部門(事業・機能部門)における部門別人材育成委員会を開催。国内外関係会社を含むグループ全体から「キータレント」を選抜し、当該タレントの個別育成計画(配置・研修)策定を実施。
  • 全役員参加による全社人材育成委員会を開催。部門別人材育成委員会にて選抜された「キータレント」の中から、将来の経営陣幹部層候補である「経営者候補」を選抜し、当該タレントの個別育成計画(配置、研修)案を確認、承認。その他(国内外関係会社を含む本社チームリーダー級相当ポジション以下)の「キータレント」についても育成・配置の方向性を確認。
  • 2019年度の事業戦略に基づく「戦略重要100ポジション」のサクセッションプラン改訂案を確認、承認。
  • 組織の多様性強化の一環として、女性ライン管理職候補となる「キータレント」の個別育成計画を立案。
  • 経営者候補の育成プロセスにおいて、客観・透明性を高めることを目的に、「キータレントマネジメントアセスメント体系」を策定。
今後の具体的計画
  • 「キータレント」から選抜された「経営者候補」の資質・動機・経験・コンピテンシーを踏まえた個別育成計画(配置、研修)の見直し、実行。
  • 新たに選抜された「キータレント」の個別育成計画の策定。
  • 国内外チームリーダー級「キータレント」の個別育成計画に基づく本部間キータレント育成ローテーションの実行。
  • 「戦略重要100ポジション」のサクセッションプラン策定。
  • 経営者候補に求められる人材要件の定義、および経営者候補の中長期的な育成の方向性を確認する能力開発プログラム(キータレントマネジメントアセスメント)の導入。

グローバルポジションマネジメント グループ全体での適切な人材配置

現在当社グループには約18,000のポジションがあり、そのうち海外をベースとするポジションは40%近くとなっています。グローバルに拡大していく当社グループにおいて、グループ経営戦略と整合した組織および職務の設計を全体で着実に実行していくため、グループ内におけるポジションの新設や廃止に関して基本的な理念や仕組み、手続きを明確にし、共通化しました。また新たにグローバルグレードを導入し、グループ内のポジションを可視化します。これにより、グループ全体での適材適所を実行し、国・地域を超えた異動の枠組みを構築することで、グループ内でキャリアデベロップメントを促進していきます。

活動例 グローバルポジションマネジメントの実践

グローバルに事業を展開する会社で働く上で、国境を越えた新たなポジションへの異動の機会は非常に大きなチャンスです。私は2009年に三井化学グループに入社して以来、3つの異なる国で勤務をしてきました。1つ目は新設されたばかりのシンガポールのR&D拠点、2つ目は三井化学本社での新事業開発業務、3つ目は母国であるドイツでの勤務経験です。それぞれの勤務地において、常に、その時々の上司や同僚、日本の本社からのサポートを受け、自らの業務を遂行していくことができました。私はグループ・グローバルでの適材適所の実現がグループの成長に寄与すると信じています。

常務執行役員 グローバル人材部長 安藤 嘉規
Chemicals Europe GmbH
New Generation Business
Development Manager, Health Care Division
Dominik Jürgen-Lohmann

グローバル従業員エンゲージメント調査

2025長期経営計画の実現に向け、グループ従業員の貢献意欲(エンゲージメント)は極めて大切だと考えています。そこで、2018年6月に、三井化学グループ全従業員を対象に、個々人のエンゲージメントレベルを測り、その背景にある要因を調査するオンラインサーベイを実施しました。
当社のグループ全従業員を対象としたエンゲージメント調査は初めての試みでしたが、87%の従業員が調査に回答しました。多くの示唆に富んだ意見が寄せられ、改めてグループ全体の人事課題に関する理解が進みました。調査を通じて判明した当社グループの特徴は、安全文化が非常に強く、自主性や権限委譲を重んじているという点です。本調査結果は、本社各部、および関係会社単位で解析が可能なため、各組織のリーダーと本社人事部門が協働し、個々の部署に適した改善アクションプランを策定、エンゲージメントレベルを向上させるための具体的な方策に着手しています。本社人事部門では、エンゲージメントスコアの向上に向けた優先領域を特定した結果、「経営陣」「キャリア機会」「業績管理」について全社的な施策の立案・実行に取り組んでいます。「経営陣」に関しては、経営陣が従業員に対してビジョンや戦略を明確に示し、双方のコミュニケーションの場を充実させることが第一歩だと考えています。「キャリア機会」については、部署や会社の垣根を越えて新しい領域にチャレンジするといった柔軟なキャリア機会やプロジェクト機会を増やしたり、学びの機会を提供したりしたいと考えています。また、「業績管理」については、評価を成長機会と捉え、上司との対話により個々の成長を促進する環境整備を進めていきます。
グループ全体のさらなるエンゲージメントレベル向上に向け、本調査は、2〜3年ごとに継続して実施していくこととしています。

エンゲージメント要因スコア

三井化学グループの上位要因
=強みを持つ 3 領域

安全

47

雇用主としてのブランド

39

権限委譲 / 自律性

38

三井化学グループの下位要因
=課題のある 3 領域

ラーニングおよび自己開発

22

キャリア機会

18

人材活用と配置

15

グローバル研修

グローバルリーダーシップ研修

三井化学でグループグローバルに活躍する経営者候補育成を目的に、経営基礎知識の獲得を目指すプログラムです。世界各拠点の三井化学グループのキータレントが集い、ビジネススクールとの協働のもと、戦略的思考力、グローバルリーダーシップスキル、アクションラーニングを含めた12日間計9カ月にわたるプログラムに取り組みます。2019年度は19名(うち日本語ネイティブは5割程度)が参加しました。

グローバルマネージャーセミナー

三井化学グループ各社リーダーのローカライゼーションを目的に、三井化学の戦略・文化の理解促進やリーダーシップスキルの獲得を目指すプログラムです。世界各拠点の部長登用候補者が集い、ディスカッションを中心とした5日間のプログラムに取り組みます。2019年度は20名(うち日本語ネイティブは2割程度)が参加しました。

Mitsui Chemicals Competency Development Program

次世代リーダーの育成を目的に、リーダーとしての役割理解や必要となる知識スキル習得を目指すプログラムです。アジアパシフィック地区を中心に若手の選抜者が、ビジネスシミュレーションなど5日間のプログラムに取り組みます。2019年度は22名が参加しました。今後、その他の階層に対するプログラムについても検討を進め、実施を目指します。

  • Get Adobe Acrobat Reader

    最新のAdobe Readerはアドビ社のサイトより無料でダウンロード可能です。