物流
マネジメントシステム
方針・基本的な考え方
三井化学グループは、レスポンシブル・ケア基本方針において、物流を含む全ライフサイクルにわたって、安全、健康、環境、および品質に配慮した活動を行うことを謳っています。
気候変動による異常気象、地震などの自然災害をはじめとした物流網の分断リスクの高まりや、深刻な物流労働力不足など物流を取り巻く環境がいっそう厳しさを増しています。こうした厳しい社会環境の変化の中、社会の基盤を担う当社グループ製品の安定供給は、当社グループの社会的責任であると同時に使命でもあります。
VISION 2030において、2030年の当社グループ物流のありたい姿を「安全確保、環境負荷の低減、物流労働環境向上を実現することで荷主としての社会的責任を全うし、安定的でかつ競争力のある物流で事業の発展/変革を強力に支援する体制を構築する」と定めました。
当社グループは、サプライチェーンと協働しながら、物流環境・安全・品質の維持向上を目指す物流レスポンシブル・ケア(以下、物流RC)活動を主軸に、どのような環境変化にも柔軟に対応できる強靭な物流体制の構築を進めます。
体制・責任者
デジタルトランスフォーメーション(以下DX)推進本部担当役員を責任者とし物流部の総括のもと、関係会社と連携し、協力会社を含めた物流サプライチェーン全体での物流RCの改善、推進に取り組んでいます。
物流RCマネジメント体制
物流部は物流RCの推進部門として、前年までの実績(事故件数、苦情件数等)をふまえて年度目標を設定し、物流RC年間計画を作成します。また当社では、安全や環境、品質を確保した物流を実現するためには、委託先となる物流協力会社との協働が重要と考え、物流RC年間計画には、所管する物流協力会社への監査、教育、現場対話、キャンペーン等の方策も盛り込んでいます。
計画の実行にあたっては、本社および各工場の物流担当部署より選任された、物流RC推進者で開催する月次会議にて、進捗状況を確認しています。
また、当社グループのこれまでに培った知見と経験をグループグローバルに水平展開すべく、危険品輸送、保管の際の事故防止および、物流管理業務における透明性の確保と不正防止を目的として、物流関連のグローバル・ポリシーを制定し、方針の浸透と実務への落とし込みを推進しています。
さらに、海外関係会社の物流部門責任者を集めたグローバル物流会議を定期的に開催し、各拠点の物流の課題や対応策につき情報共有をするとともに、持続可能な物流サプライチェーンに向けた全社方針の理解の促進を図っています。
モニタリング
本社および各工場物流RC推進者による月次会議で、当社グループの年間計画に関する目標状況の確認、および進捗の把握をし、レスポンシブル・ケア委員会において、物流実績や計画進捗状況の報告、および意見交換を実施しています。
なお、物流部にて物流協力会社への監査・現場対話等を行い、その結果についても、月次会議等で共有しています。
内部監査
物流部による三井化学グループの各事業所および物流協力会社に対しての物流RC監査を実施しています。※
物流RC監査 | 監査実施部門 | 物流部 |
---|---|---|
対象 | 三井化学物流部各グループおよび物流協力会社 | |
内容 | 現地監査、または書類監査により、物流環境・安全・品質の管理状況の確認、および指導を行うことにより、製品を正確、且つ確実に顧客へ届ける等、物流RCの維持と向上を図る。 | |
頻度 | 1年から3年の周期(監査先の規模や業態および管理レベル等を考慮) |
※ 物流RC監査が適正に実施されているかについては、リスクマネジメントの第3線として独立的立場から内部統制室が監査を実施。
目標・実績
安全
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指標 | 集計範囲 | 2022年度 | 2023年度 | 2030年度 (中長期) | ||
---|---|---|---|---|---|---|
目標 | 実績 | 達成度 | 目標 | 目標 | ||
物流における 重大労働災害※1 件数 | 三井化学 | 0件 | 0件 | ◯ | 0件 | 0件 |
物流における 重大事故※2 件数 | 三井化学 グループ | 0件
| 0件
| ◯ | 0件 | 0件 |
※1 物流における重大労働災害:
当社構内における物流活動において発生した死亡、負傷または疾病により障害等級1~7級に該当した労働災害。(請負業者を含む)
※2 物流における重大事故:
サプライチェーンを含む当社グループの物流活動において発生した重大事故。環境への影響度も加味した判断基準を含む。
環境
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指標 | 集計範囲 | 2022年度 | 2023年度 | 2030年度 (中長期) | ||
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目標 | 実績 | 達成度 | 目標 | 目標 | ||
国内物流における GHG排出量削減率 | 三井化学 | GHG排出量 削減率1%/年 | 0.11% | ✕ | GHG排出量 削減率1%/年 | △10% (2020年度対比) |
国際物流における 海上コンテナ輸送※のGHG排出量把握率 | 三井化学 | 海上輸送におけるGHG排出量算出法確立
| 算出法を確立
| ○ | 貿易デジタルプラットフォーム構築によるGHGオンデマンド可視化 | 100% (2025年度) |
※ 海上コンテナ輸送:
三井化学物流部手配の輸送案件。
品質
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指標 | 集計範囲 | 2022年度 | 2023年度 | 2030年度 (中長期) | ||
---|---|---|---|---|---|---|
目標 | 実績 | 達成度 | 目標※4 | 目標 | ||
物流における流出トラブル※3件数 | 三井化学 グループ | ≦15件 | 23件 | ✕ | ≦12件 | ≦11件 |
物流における流出トラブル※3発生率 | 三井化学 グループ | ≦35ppm
| 58ppm
| ✕ | ≦30ppm | ─ |
※3 流出トラブル:
社会的および顧客への影響が大きいトラブル(苦情、事故等)。
※4 目標:
直近3年の実績平均90%以下を年度目標として設定
2022年度は物流を取り巻く環境変化に加え、コロナパンデミックによる物流現場の混乱などにより、流出トラブルが増加しました。感染予防のため、トラブル対策やフォローアップ、監査など物流現場の把握が十分できなかったことが大きく影響したと捉えています。2023年度は三現主義(現場、現物、現実)で物流現場との直接対話を積極的に行い、作業環境改善を支援することでトラブル予防に繋げていきます。