特性
接着特性
ケミパール®は、紙・金属箔・樹脂フィルム等の様々な基材に塗工・乾燥することで、優れたヒートシール性を付与することが可能です。また、水性塗料に添加することでバインダーとして機能します。
これらのケミパール®塗膜は、透明性・無臭性を有し、透湿性や通気性の調節も可能です。
特にXSP589は様々な基材と密着します。
主な想定用途
紙・フィルム・アルミ包材用ヒートシール剤(食品・医療等)
電極バインダー等
推奨銘柄:S,V,XSP
ケミパール®塗工紙のヒートシール強度
いずれも基材破壊に至る強度で接着されており、ケミパール®塗工紙のヒートシール強度は十分に強いものといえます。
剥離強度[gf/15mm] | 剥離モード | |
---|---|---|
S300塗工紙 | 376 | 材破 |
S500塗工紙 | 500 | 材破 |
V200塗工紙 | 620 | 材破 |
基材:200g/m2原紙
塗工量:4-5 g/m2 (V200のみ6-7 g/m2)
乾燥:120℃×30秒 (V200のみ150℃×60秒)
HS:塗工面/塗工面、200℃×0.2MPa×1秒間
剥離:180℃剥離、200mm/分、HS後24時間
表面改質性
ケミパール®は、粒度分布が狭く形態が真球状のポリオレフィン微粒子ディスパージョンです。
塗膜や繊維の中にケミパール®の粒子を分散させることで、耐磨耗性・滑り性・アンチブロッキング性を飛躍的に向上させることが可能です。
主な想定用途
水性インク・塗料の耐磨剤・潤滑剤等
フィルムのアンチブロッキング剤、離型剤等
繊維の滑剤等
推奨銘柄:A,M,V,W
耐水性・耐油性
ケミパール®を塗工・乾燥して形成した塗膜は、原料ポリオレフィンの化学特性に由来する優れた耐水性・耐油性を発現し、基材表面の化学安定性向上に寄与します。
単独で塗工するのみならず、水性塗料等に添加して使用することも可能です。
ケミパール®塗工紙の耐水・耐油性評価結果
成膜条件の最適化や銘柄の選定により、表の数値を上回る耐水性や耐油性も期待できます。
銘柄 | 塗工量 [g/m2] | Cobb300値 [g/m2] | KIT値 [-] |
---|---|---|---|
S300 | 4.3 | 0.5 | 7 |
S500 | 4.7 | 0.2 | 12 |
主な想定用途
包材・紙器・フィルム等への耐水性・耐油性付与
推奨銘柄:S
透明性・着色性
ケミパール®を塗工・乾燥して形成された塗膜は、無色で高い透明性を有します。
基材本来の外観を損なうことなくヒートシール性を付与することが可能です。
また、着色剤を配合することで、任意の色彩を付与することも可能です。
※透明性を有するのはS100、XSP589の2銘柄です。
主な想定用途
印刷面の意匠性維持
ヒートシール面の着色
推奨銘柄:S,XSP
安全性・衛生性
加工汎用性
ケミパール®は液状製品であるため、単独でも使用できますが他剤への配合も容易です。
基材についても、フィルム状やペレット状、繊維状等の様々な形態の製品に対して使用できます。
特に塗工に関しては多くの塗工機で実績があり、使用場面は多岐に渡ります。
主な想定用途
基材への塗工(グラビアコート、ロールコート、スプレーコート等)
塗料やコーティング剤への添加
繊維の浸漬
推奨銘柄:S,V,M,A,XSP
豊富なラインナップ
ケミパール®は、5シリーズ35種類以上の豊富な銘柄を取り揃えています。
また、従来の主要ラインアップ銘柄にない特性へのニーズに応えるため、「開発品」としてさらにいくつかの銘柄も開発しています。
多様な銘柄によって様々な機能を付与できるため、幅広いニーズや使用場面に応じて使用すべき銘柄や方法の提案が可能です。
ケミパール® Wシリーズラインナップ
接着性
非極性材料(ポリオレフィン等)と極性材料(金属・ナイロン等)の接着に優れます。
基材相性表はこちらへ
主な想定用途
ヒートシール材
ドライラミネート用接着剤
プライマー
AL/PPヒートシール強度
評価方法
1. 軟質アルミに塗工し乾燥。 (条件:120℃で60秒、200℃で20秒(Rのみ)。乾燥膜厚:4gsm)
2. PPに2kgf/cm2で1秒熱圧着。
3. 室温、180℃、100mm/minで剝離試験。
AL/PEヒートシール強度
評価方法
1. 軟質アルミに塗工し乾燥。 (条件:120℃で60秒。乾燥膜厚:4gsm)
2. PEに2kgf/cm2で1秒熱圧着。
3. 室温、180℃、100mm/minで剝離試験。
耐熱接着強度
評価方法
1. 軟質アルミに塗工し乾燥。 (条件: 120℃で60秒。200℃で20秒(Rのみ)。乾燥膜厚:3gsm)
2. 塗工面同士を0.3MPa、200℃で1秒熱圧着。
3. 所定温度、180℃、50mm/minで剝離試験。
硬化剤添加時の強度
評価方法
1. 軟質アルミに塗工し乾燥。 (条件: 120℃で30秒。)
2. CPPに所定温度で貼り合わせ、40℃で7日間、60℃で3日間養生。
3. 室温、180℃、50mm/minで剝離試験。
※硬化剤につきましては、別途お問い合わせください。
耐水・耐薬品性
ユニストール®はポリオレフィンを主成分としているため水溶液や溶剤に対して安定で、耐水性、耐薬品性に優れます。
主な想定用途
ドライラミネート用接着剤
化粧品ボトル用プライマー
自動車内装用プライマー
電材・電子部品用プライマー
推奨銘柄:P銘柄、XP銘柄
P銘柄(P-601)耐性一覧
上塗りコート | 外観評価 | 密着性評価 | |
---|---|---|---|
初期密着 | アクリル系 | - | 100/100 |
塩化ビニル・酢酸ビニル系 | - | 100/100 | |
耐熱性 80℃, 400h |
アクリル系 | 変化なし | 100/100 |
塩化ビニル・酢酸ビニル系 | 変化なし | 100/100 | |
耐水性 80℃, 24h |
アクリル系 | 変化なし | 100/100 |
塩化ビニル・酢酸ビニル系 | 変化なし | 100/100 | |
耐アルコール性 50%エタノール 40℃, 24h |
アクリル系 | 変化なし | - |
塩化ビニル・酢酸ビニル系 | 変化なし | - | |
耐薬品性 耐薬品性日焼け止めクリーム 80℃, 24h |
アクリル系 | 変化なし | 100/100 |
塩化ビニル・酢酸ビニル系 | 変化なし | 100/100 |
耐電解液性
イソシアネート硬化 | エポキシ硬化 | |
---|---|---|
常態強度 | ◎ | ○ |
耐電解液性 | ○ | ◎ |
評価方法
1. 軟質アルミに塗工し乾燥。 (条件: 120℃で30秒。乾燥膜厚:4µm。)
2. CPPに所定温度で貼り合わせ、60℃で3日間養生。
3. 室温、180℃、50mm/minで剝離試験。
4. 85℃で7日間、1MLiPF6 EC/DEC(=3/7)+水1000ppmに浸漬し、耐電解液性を評価。 (◎:14N/15mm以上、〇:8-14N/15mm。)
誘電特性
汎用接着剤に比べ比誘電率・誘電正接が低く、周波数に対する依存性が低いです。
主な想定用途
電材・電子部品用接着剤
ICタグ用接着剤
銅張積層板用接着剤
対象銘柄:XP銘柄、H銘柄
誘電特性
測定周波数 | H-100 | XP11B | |
---|---|---|---|
比誘電率 | 2.45 GHz | 2.4 | 2.2 |
10 GHz | 2.1 | 2.2 | |
誘電正接 | 2.45 GHz | 0.0006 | 0.0004 |
10 GHz | 0.0006 | 0.0004 |
評価方法
ユニストール®塗膜(100µm)の誘電特性を、 空洞共振器法摂動法で測定。
延伸性
ユニストール®はPPやPEに比べ延伸性に優れます。
主な想定用途
加飾フィルム用ヒートシール剤
ドライラミネート用接着剤
対象銘柄:XP銘柄、H銘柄
TOM成型時の延伸性
【成形例】
試作フィルム
アクリルフィルム(75µm)/接着層(40µm)
成形フィルム温度140℃, 基材予熱100℃
圧力300kPa, 加圧時間5秒
最延伸箇所(約500%延伸)でも基盤目剥離なし
塗膜の延伸性
評価方法
ユニストール®塗膜(130µm)を、 室温、180℃、100mm/minで引っ張り試験。
コールドフォーム時の白化改善
評価方法
1. 軟質アルミに塗工し乾燥。 (条件: 120℃で30秒。乾燥膜厚:3gsm)
2. CPPに所定温度で貼り合わせ、60℃で3日間養生。
3. 貼り合わせサンプルを深さ5mmで深絞りし、〇部分を光学顕微鏡で観察(20倍)。
※硬化剤につきましては、別途お問い合わせください。
撥液性
ユニストール®をコーティングすることで基材表面に撥水性を付与できます。また、コーティング面同士をヒートシールすることも可能です。
主な想定用途
アルミ、紙、PP向け撥液性ヒートシール材
対象銘柄:XP銘柄、R銘柄
銘柄ごとの撥液性
液種 | 撥液性 | |
---|---|---|
軟質アルミ基材 | 紙基材 | |
水 | ◎ | ◎ |
ヨーグルト | ○ | - |
ブラックコーヒー | ◎ | ◎ |
ミルクコーヒー | ○ | ○ |
牛乳 | △ | △ |
食用油 | × | × |
ケチャップ | × | × |
マヨネーズ | × | × |
評価方法
1. 軟質アルミ・紙にユニストール®(XP04A/R-200X=5/16)を塗工し乾燥 (乾燥条件:80℃で60秒。乾燥膜厚:2µm)。
2. 所定液体を基材上に滴下し、液滴の様子を観察。評価は以下の通り。
◎:滴下すると平面で滑る
〇:傾けると転がる
△:傾けても転がらない
×:逆さまにしても滴が落ちない
透明性
コーティングによる薄膜化により高透明な接着層を形成できます。
主な想定用途
高透明性粘接着剤
対象銘柄:H銘柄
高透明性
ガラスにユニストール®(H-200)を塗工し乾燥 (乾燥条件:120℃で30秒。乾燥膜厚:5µm)。
塗膜のヘイズ
銘柄名 | ヘイズ |
---|---|
H-200 | 0.1 |
汎用ポリオレフィン接着剤 | 15 |
ガラスにユニストール®を塗工し乾燥 (乾燥条件:120℃で30秒。乾燥膜厚:5µm)。
ガラス基材ヘイズ:0.1