001KODAMA-木霊-思わぬ響きを放つ、音色の広がり

CONCEPT

森や山の中で、自分が発した声がひとりでに繰り返されて響きわたる―。この不思議な現象を、いにしえの人々は木の霊=「こだま」と名づけました。カーン、キンキン……叩くとまるでガラスや金属のような思わぬ音が鳴る驚きを、こだまの神秘になぞらえて。
奥深い余韻を刻んでいく、予想もしなかったプラスチックの音色。この響きをぜひ、感じてみてください。

素材名

APEL®(環状オレフィンコポリマー)

三井化学のポリマー重合技術によって独自開発された多機能な透明樹脂。優れた光学特性によってスマートフォンのカメラやデジタルカメラなどのレンズユニット、耐薬品性をはじめとする化学的安定性から錠剤包装用シート(PTP)、注射器のシリンジなどに使用されている。

素材の可能性

  • ●叩くほどに響きわたる、樹脂の概念を覆す音質は、「そざいの魅力ラボ」プロジェクトが初めて発見したもの。
  • ●今回の発見をきっかけに、樹脂の物性と音の関係を研究中。
  • ●この形状を実現するため、日本では一般的ではない回転成形(rotational molding)を同素材に初めて適用。形状の自由度が高く、小ロット生産に適した成形法に挑戦。
  • ●樹脂の特性を活かした形状 × これまでの樹脂にない“音”という価値で、新しいものづくりの可能性を広げていく。

参考

風鈴のれんストリートに出展しました。

2017/7/14(金)〜8/31(木)に東京ミッドタウンで開催されました風鈴のれんストリートに「KODAMA」が出展されました。 当展示会は東京ミッドタウンガレリア館内に江戸風鈴や陶器の風鈴など様々な素材やデザインの風鈴が吊るされ、のれんをくぐると吊るされている風鈴が揺れ、涼やかな音色を奏でました。

クリエイティブパートナー

株式会社MTDO 代表取締役田子 學 MANABU TAGOアートディレクター/デザイナー

幅広い産業分野においてコンセプトメイキングからプロダクトアウトまでをトータルにデザインする「デザインマネジメント」で、社会に向けた新しい価値創造を実践している。

慶応義塾大学 大学院 SDM 特任教授
東京造形大学 デザイン学科 特任教授
東京藝術大学 デザイン科 非常勤講師
熊本大学大学院 自然科学研究科 客員教授

日本の化学会社は100年以上と歴史が長く、世界でも圧倒的なシェアを誇る商材も多く保有しています。しかしながら、そういった事実はなかなか世間に知られていないのが現状です。研究者が能動的に自らの可能性を広げ、もともと持っている高いポテンシャルを高次元に到達させること。それがMOLp®の狙いです。私は「暮らす」という視点でデザインを捉える際、素材そのものからデザインのアプローチを探りたいと常々思っていました。市場に縛られない創造的な開発は、未来を作り上げる事にきっと繋がることでしょう。