EV関連部品の小型化や動作電圧の高電圧化に伴って、バスバー間の沿面距離の確保が難しくなってきています。高電圧に対して絶縁性が高く、電導体間のトラッキングを防ぐ高機能樹脂アーレン®が真価を発揮します。
優れた絶縁性・
耐トラッキング性で、
部品の小型化を実現
耐トラッキング性が低い絶縁材料の場合、端子間距離の延長やリブが必要とされていました。耐トラッキング性の高いアーレン®なら、リブを省略し、部品を小型化することが可能。設計の自由度を高めます。
トラッキング破壊現象と
CTIについて
トラッキング破壊現象の原理
トラッキング破壊は、何らかの理由で汚染された絶縁体表面が微小な放電によって「炭化」し、導電路が形成されてしまう絶縁破壊現象。CTI(比較トラッキング指数)とは、トラッキング破壊現象の起こりにくさを表す指標です。
アーレン®の卓越した
耐トラッキング性の理由は、
分子構造にあり
全芳香族系ポリマー(例)
芳香環の多い「全芳香族系ポリマー」は、分子構造的に炭化しやすく、トラッキング破壊を引き起こしやすい特性があります。PPSやLCPなどはこの「全芳香族系ポリマー」に属すため炭化しやすく、CTIの低い素材です。
半芳香族系ポリマー
一方、アーレン®は「半芳香族系ポリマー」に属します。
芳香族系ポリマーの特徴である高耐熱性や高信頼性を有し、且つ耐トラッキング性が高い点を両立できる高機能樹脂です。
CTIは600と、UL規格の6段階中最もトラッキング破壊現象を起こしにくい「PLC 0」のレベル。電導端子間の沿面距離を最も短縮できる「材料グループⅠ」に属する高機能樹脂です。
アーレン®は卓越した耐トラッキング性を有する高電圧絶縁材として、
製品の小型化の実現に貢献します。