炭鉱電車トークショーを開催、その様子をお届けします!

2020.10.09

2020年9月27日に開催した炭鉱電車トークショーの模様をお届けします。今回のトークショーは映画監督の瀬木直貴さん、炭鉱電車保存会会長の藤原義弘さん、大牟田大使でミュージシャンの長友仍世さん(infix)のお三方をゲストにお迎えし、開催致しました。

みんなの憧れ。炭鉱電車の赤い車体「三池マルーン」

左から、藤原さん、瀬木監督、長友さん。
瀬木監督の記念映像を観た後だったこともあり、お三方とも終始ハイテンション。
司会の入る余地なくお話が続きました。

瀬木今回の映像の「紅い恋人」というタイトル、実は長友さんが命名してくださったんです。

長友はい。子供の頃の私は何はなくとも炭鉱電車。
近くで見ようとしていつも係員の方に怒られていたんですよ。

瀬木もう炭鉱電車愛が半端ないというか…そして凄いですよね!映像にも登場するあのジオラマ。

さすがミュージシャン。会場中に響き渡る声で炭鉱電車愛を語っていただきました。

長友本当は炭鉱電車を引き取って自宅の庭に置きたいくらいなんですが…
今回、瀬木監督がこの映像を撮ってくださったことが本当にものすごく嬉しかったんですよ。
まるで一編の映画みたいでしたよね、皆さん!
これだけ美しい景色の中で我々は生活していたんだ!と改めて思い知らされました。あの風景は当たり前のものじゃなかったんだ、と。

瀬木そうなんですよ。炭鉱電車がある風景は当たり前のものじゃなかったんですよ。
車両はもとより、あの炭鉱電車の独特な赤は非常に珍しく、鉄道ファンの方々からは「三池マルーン」と呼ばれていますが、模型でもあの色を再現されているのですか?

長友いろいろ試したのですが、答えに辿り着いていなかったんです。鉄道模型のプロの方に聞いても独特な色だと言われるのですが、最近あの色について詳細がわかったんですよね?藤原さん。

藤原そうなんです、実は今日は色見本を持って来ていますよ。

炭鉱電車の三池マルーン色の秘密を明かす藤原さん

藤原業者さんを訪ねましたところ、私は何も言ってないのに「色見本をどうぞ」と頂きまして…(笑)
これですね、型番を分析すると10進法で、そこから推測すると赤、緑、青の配合割合がですね…(以下、専門的な解説)

長友なるほど!さすがは学校の先生ですね!

藤原長友さん、炭鉱電車の模型を塗る時はこの色見本で塗料を注文しますから保存会までお知らせください。

長友うわ〜、もう私の模型、それで塗り直します。

瀬木藤原さんにとってこの「三池マルーン」にはどんな想いをもたれていますか?

会場は炭鉱電車の懐かしい昔の写真がたくさん飾られていました。

藤原「紅い恋人」に勝る言葉は無いですよ。
あの色は整備の方々が手塗りで塗装していらっしゃるんですよ。

瀬木私も撮影の際、三池マルーンの塗装はもちろん、ナンバープレートまでピカピカに磨き上げられていて感心したんです。

藤原若いスタッフさんが炭鉱電車廃止を前にして、最初に19号機のナンバープレートをピカピカに磨き上げていて、しかも自主的になさったと聞いて私は感動しました。

長友炭鉱電車ってピカピカで走っているイメージですよね。

藤原あれを使い込んでくると薄い紫みたいな色になるんですが「あれこそが炭鉱電車だ」という人もいます。

瀬木&長友いろんな姿を見せていたんですね。

瀬木変化していくのもすばらしいことですね。電車の色だけでなく、炭鉱電車が運んでいたものも変化してきたし、町の風景や関わる人達も変わる…時代に対応して変わり続けてこれまで走り続けてきたというのは本当にすばらしいことですね。

炭鉱電車愛を語る炭鉱電車保存会の藤原会長

藤原私は社会科の教員でして、炭鉱電車に「歴史」を重ね合わせます。團琢磨が三池港を築港し、その後に合成染料の礎が作られたわけですが、そのころから炭鉱電車は走っていたわけですよ。三井さんと共に大牟田・荒尾の発展に貢献し、歴史を見てきました。
それを100年以上維持して走らせてきたというのは、鉄道を知る者にとっては驚異的としか言いようがありません。

長友本当にそうですね!