037 GoTouch (ゴトウチ) - Indigo Tiger Tee
1930年代のインジゴ染料缶のデザインを復刻

Design feature

100年企業である三井化学のルーツは大牟田で産声をあげた石炭化学にあります。その三井の化学事業の象徴であったインジゴ。
その染料缶に描かれていた虎のデザインをあしらったオリジナルTシャツです。
また、繊維産業から大量に廃棄されている色とりどりの紙管を素材として見立て直し、パッケージとして使用しました。
MOLpCafé2021のスタッフユニフォームでもあるこのグッズには現代における資源のあり方を捉え直し、「次なる100年に向けてサスティナブルな社会を実現していこう」という想いが込められています。

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三井化学のDNAをまとう

日本の近代化の礎を築いた石炭産業。三井化学の歴史は、1889年に三井財閥 が明治政府から三池炭鉱の払い下げを受けたことから始まりました。1912年、当時の社会課題であった食糧増産に貢献すべく、日本で初めて石炭コークスの副生ガスから化学肥料を創り出し、本格的な化学事業を開始しました。その後、日本初の合成染料の生産で大牟田の石炭化学工業が発展しました。
これが現在の三井化学のルーツです。
三池炭鉱が官営から民営となった際に陣頭指揮をとった団琢磨(だん・たくま)は、MIT(マサチューセッツ工科大学)への留学経験を活かして積極的に欧米の最新技術を導入し、石炭採掘量を大幅に増加させるとともに海外輸出の拡大に成功しました。また、100年先の経済発展を見据えて化学事業を広く展開し、貿易拡大のための大港湾工事を実施。現在の大牟田の経済の礎を築いたのです。
団琢磨は「染料はネクストジェネレーションのものと思っているのだ。だいぶできたようだけれどもなかなか儲かるまでには間がある」と社内反対論を押さえて、インジゴを完成させ、昭和7年(1932)から生産が開始されました。

1934年には695tのインジゴを生産し、翌年には中国への輸出を開始、1937年には980tを生産しますが、戦争によって需要が伸びず1970年代のジーンズブームを待つことになります。
1976年から本格的に始まったジーンズブームで需要が増えたことによって、設備を増強し大量生産に備えましたが、日本ではドイツに比べて原料費が高く生産コストが見合わなかったことと、次第に中国でも安価なインジゴが生産されるようになったため、平成9年(1997)に生産を停止。平成10年(1998)にインジゴ工場を閉鎖することとなり、ついに65年におよぶインジゴ生産の歴史はこうして幕を閉じたのです。
残念ながら祖業は無くなってしまっていますが、インジゴ開発にかけた団啄麿のDNAは現在の私たちに脈々と受け継がれています。

日本初のインジゴ染料缶のデザイン