036 GoTouch (ゴトウチ) - slowplay
STABiO®による晩秋の記憶を閉じ込めたコートフック

Design feature

愛着をもってプラスチックを高寿命化させることを、毎日の暮らしの中でもできないだろうか。
その問いに対する答えとして晩秋の記憶を植物由来の樹脂に閉じ込めたコートフックを制作しました。
その様子は冬の湖水に封印された落ち葉のよう。
毎日なにげなく見る風景からでも、命の循環や環境について考えることができるでしょう。

Spec

素材:
PDI®系ポリイソシアネート、研究所の落ち葉、アルミ
サイズ:
H123.5 × W138.5 × D63mm

Details

いつも安らぎを与えてくれる身近な自然風景。袖ヶ浦にある当社の研究所も木々に溢れ、秋には美しい景色が広がります。
そんな秋の落葉の循環に思いを馳せ、次の命へとバトンタッチしていく自然のエコシステムと生物多様性を表現する素材はできないかと、ある研究者は思いました。
「落葉の色合い・ギザギザ・透明感。その落葉の再生の記憶をプラスチックに閉じ込めたい。」
南三陸で出会ったプロダクトデザイナー山崎タクマ氏の「Bio-Vide(落ち葉の板材)」の技法で、研究所で集めた落ち葉を多層化し、植物由来のポリウレタン「スタビオ®」で封入しました。
毎日のお出かけ・帰宅の際にふと美しい季節を感じることができればと、コートフックとして表現してみました。

Material Description

スタビオ®

スタビオ®は、三井化学が世界で初めて開発した、植物由来のPDI®系ポリイソシアネート。
従来のポリウレタン材料にはない高い反応性と耐薬品性、耐傷付き性、高光沢を活かして、塗料や接着剤として使用されています。また、他の透明樹脂ではできない低温での成型を可能とし、植物や着物などといった熱に弱く焦げやすい天然物を美しく固めることができる上、高い透明感は黄変による濁りやくすみなどとも無縁です。ホテルの天井や柱飾りに利用されるガラスの代替により安全性を高めた装飾も可能とします。

クリエイティブパートナー

山崎タクマ (Takuma Yamazaki)

プロダクトデザイナー。1990年北海道生まれ。
キヤノン株式会社でデジタルカメラのデザイナーを務めた後、TAKUMA YAMAZAKI DESIGN を設立。インダストリアルデザインを手がけ、国内外で大規模なアワードを多数受賞するなど、個人作家としても活動中。