リュブマー®グラスランチャネル用途での特性
耐摩耗性、摺動性、工程・作業環境の改善
CASE05
GRCに共押出という摺動改質ソリューションを提案します
耐摩耗性、摺動性、工程・作業環境の改善
自動車グラスランチャネル
グラスランチャネルとは、車の窓ガラスと窓枠の間に設けられた部材であり、窓ガラスの昇降・開閉操作を容易にしながら、窓ガラスと窓枠との間の密閉操作を必要とします。グラスランチャネルにはEPDMなどの加硫ゴムが使用されますが、単体では摺動性が足りないケースなどもあり、表層に摺動コートや植毛などを施しています。しかし、これらは作業工程を増加させたり、有害物質が発生するリスクがあるなど、SDGsの観点から変更が求められる分野でもあります。
三井化学のリュブマー®は、押出成形可能なペレットタイプの超高分子量ポリエチレンです。このリュブマー®で一般的な押出成形機を用いて、未加硫のEPDMとの共押出・加硫操作を行うことが可能です。実際の成形例が下記になりますが、添付の通りに共押出により二層のベルト状のサンプルを成形することができ、これをグラスランチャネルとして使用します。未加硫のEPDMとの共押出・加硫操作が可能となることで、コーティングなどが必要なくなり、作業性が改善します。また、超高分子量PEを表層に出すことで、グラスランチャネルの摺動性と耐摩耗性を向上させることも可能です。
実際に、リュブマー®をグラスランチャネルの摺動材として使用した際のメリットを示します。下図は、乾燥・砂なしの条件下において学振摩耗試験を行った際の、滑り性を示したものになります。PUコーティングやPA植毛に比べて、摩擦係数が低い状態で推移することが見て取れます。これらの摩擦係数低減効果は、砂存在下や、水存在下でも同様に発揮されます。
また、リュブマー®は未加硫のEPDMとの共押出・加硫操作が可能となることで、コーティングなどが必要なくなり、作業性が改善します。下図は、EPDM表面の各摺動改質方法の作業工程を表したものになります。ナイロン植毛やウレタンコートと比較しても作業数を大きく削減することができ、また作業行程中でVOCが発生することはございません。
リュブマー®をグラスランチャネルの摺動層に使用することで、グラスランチャネルの摺動性及び耐久性を向上させることが可能です。加えて、共押出を導入することで従来必要となっていた作業工程を削減することができ、コストや作業環境の改善にも貢献できます。