CASE事例

  • CASE09

    薬栓ゴム

    安全・密閉性・突刺性向上多くの機能を付与する薬栓ゴム向け添加剤

ミペロン®薬栓ゴム添加の特性

硬度調整・摺動性・安全性

採用例・評価例

各種薬栓ゴム

薬栓ゴム材料における課題

医療用ゴム部材は、医療用ガラス容器のゴム栓や、プラスチック容器用のゴム栓、医療機器に使用されるゴム栓など幅広い用途に応じた用途に使用されています。

医療用ゴム部材のうち、ゴム栓の用途においては密封性や針の突き刺し性を実現するために様々なゴムの材料や添加剤が使用されています。その中でも、ゴム栓の密封性を向上させるための硬度調整のために無機フィラーが使用されています。ただし、無機フィラーは人体に有害となるケースもあり、安全性の面で課題もあります。

解決策

ミペロン®は、真球・狭粒度分布を誇る超高分子量ポリエチレン微粒子です。ミペロンを薬栓ゴムに添加することで、硬度調整並びに摺動性の向上を可能とします。

下図に示すようにミペロンは真球かつ狭粒度分布な微粒子です。このことから、ゴムの添加した際に分散性も高く、添加剤としての使用も可能です。

平均粒子直径

ミペロン®の混錬方法

ミペロン®は、IIRやEPDM、NBRやBRなどのゴムに添加しての使用の実績があります。ミペロン®をゴムに配合するための典型的な配合プロセスとしては、100℃のEPDM混合物にカーボンブラックとプロセスオイルと共にミペロン®を10~40phrの割合で添加します。また、ミペロン®の融点は136℃であるため、ゴム-ミペロン®の配合温度は130℃以下が適しており、これより高い温度では、粒子が凝集してゴム中での分散性が悪くなることがあります。

ミペロン®の添加効果

薬栓ゴムの密閉性を決める要素としてゴムの硬度があります。ミペロン®をゴムに添加した際の硬度の変化を下記に示します。ミペロン®を添加することによって、硬度の向上が実現可能となり、無機フィラーに代わり硬度を向上させることが可能です。またミペロン®はポリエチレンであるため、人体にも無害であり万が一脱落などが起こったとしても安全性が保障されます。

ミペロン添加時の硬度変化
ミペロン添加時の硬度変化

また、ミペロン®を添加した際には、ゴムの摺動性が向上するため、針を刺したときの針の突き刺し性の向上も可能です。さらに、ミペロン®は無機・有機の幅広い薬品に対して高い耐薬品性を有しており、薬液に振れる環境下でも変化しません。

各種添加剤の動摩擦係数比較
各種添加剤の動摩擦係数比較

ミペロン®の用途例

ミペロン®は、OAロールなどの工業用ロールの製造や、コンベアやオートバイのベルトの改質に使用できます。耐摩耗性を向上させ、部品の寿命や装置の信頼性を向上させたい用途に適しています。また、ミペロン®はオレフィン系の物質で、FDAやGB規格に適合しており、それは人体に無害であり、薬栓ゴムなど医療用ゴムの製造にも適しています。

まとめ

ミペロン®は、EPDMを中心としたゴムの耐摩耗性を向上させることができます。その他にも、軽量化に貢献・硬度向上・引張強度や圧縮永久ひずみに影響を与えないなど、様々な効果があります。

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