INTERVIEW
インタビュー|執行役員 兼 生産・技術本部 生産・技術企画部長
目の前の課題は、
世界を広げるための
チャンス。
松江 香織
執行役員 兼 生産・技術本部
生産・技術企画部長
1990年入社
薬学部 卒
CAREER
これまでのキャリア
- 1990:三井東圧化学株式会社(当時) 総合研究所 化学品安全性試験センター
- 1999:株式会社三井化学分析センター 安全科学研究部
- 2006:三井化学株式会社 環境・安全・品質企画管理部製品安全センター
- 2010:レスポンシブルケア部 化学品安全チーム
- 2012:レスポンシブルケア部 化学品安全グループリーダー
- 2013:化学品安全センター長
- 2020:理事 兼 RC・品質保証部長
- 2022:執行役員 兼 生産・技術本部 生産・技術企画部長
女性がますます輝くために、
会社を変えていく。
執行役員として。生産・技術企画部長として。今の私が職責と向き合えているのは、30年以上にわたるキャリアの中で、有意義な経験の数々に恵まれてきたからにほかなりません。その中でも転機になったのは、入社20年目の本社異動でした。それまで磨き続けてきた「化学品安全」という専門性をベースに、社内外の垣根も、国境も越えたさまざまなプロジェクトに関わるようになりました。その時に築いた人脈の中で実感したのは、世界には多くの女性リーダーがごく自然に活躍しているということ。三井化学においても、仕事上のジェンダーギャップを意識することはほとんどなくなっていた時期ですが、華々しく活躍する女性リーダー達と実際に出会い、その価値観やチャレンジ精神に触れたことで、目を開かれるような思いをしました。
今の三井化学は、女性の働きやすさについていえば制度も充実し、かなりの高水準にあると考えています。その先にある女性の「活躍」、つまり「登用」についてはまだまだ推進の途上。特に工場においても女性が活躍する場を増やすことは、生産・技術企画部長としての重要なミッションだと考えています。私が管理職としてのキャリアを踏み出した時、上司はこう励ましてくれました。「これは自分(上司)にとってのチャレンジだ、任命責任は自分にある。1年目は、うまくいってもいかなくても気にするな。2年目からは、自分の力で責任を果たしてほしい」。女性登用においては、本人の能力や意思に対し、上司がどう向き合うのかも非常に重要です。私はこれまで、工場に勤務する女性はもちろん、その上司ともディスカッションを重ねてきました。彼女たちが活躍するために、会社はどう変わるべきか。ひとり一人にフォーカスし、最適な育成の機会を提供するために、彼女たちがキャリアを実現していくために、会社は何をするべきか。その方向性を見定め、すでに実行のフェーズに移しています。おそらく近い将来、女性管理職が工場でも活躍し、その姿を見て、自分も続きたいと若手が思う。そんな未来を心待ちにしているところです。
ネットワークを生み出し、
サポーターを増やす。
若手の女性社員にインタビューをしていると、「ロールモデルがいない」という悩みをよく耳にします。ロールモデルになるような女性の管理職を増やすことにはもちろん力を入れますが、一方で思うのは、ロールモデルは必ずしも社内で見つけなくてもいいということ。自分から世界を広げれば、明日に繋がる出会いもきっと見つかるはずです。私が携わってきた「化学品安全」という領域は、各社に従事者が少なく、みなさん悩んでいました。そこで私たちは、同業他社、業界、コンサルタント、省庁などの専門家をつないでいきました。化学品や関連法規についての最新情報から、ちょっとした悩みごとの相談まで、有意義なコミュニケーションの場が生まれるとともに、各社で活躍する女性社員がつながっていきました。今では、100人を超えるネットワークになりました。「課題が人を呼んでくる」。目の前の課題を解決しようと本気で考えた時、そこには新しい人脈やネットワークの生まれるチャンスがある。今はデジタルを活用することで、そういった場がさらにつくりやすくなっているのではないかと思います。
私は2021年、IBMから「AIの未来を築く世界の女性リーダー」の一人に選出されました。これもまた「化学物質の法適合性調査の煩雑さ」が国内外を問わず課題になっていることを知り、AIソリューションの開発に挑戦したことが発端です。私の名前が前に出てはいますが、開発に力を尽くしてくれた部下たち、アイディアに賛同してくれた社内の仲間、貴重な知見を提供してくれたIBMや協力してくれた会社のみなさんとともに生み出したものだと思っています。こうした成果が、男女問わず自由な発想を持ち、さまざまな人や会社と組んで仕事ができる三井化学の社風を伝えることになることを願っています。
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