キャリア入社座談会|研究※掲載内容は取材当時のものです
CROSS TALK
MEMBER
K.K.
生産技術研究所 先端解析G
2022年入社
高分子工学科
BEFORE 入社前:
2017.04-2022.2 材料メーカーにて製造技術部を経験。製品の性能向上や歩留まり改善の検討を行う。
AFTER 入社後:
2022.03-現在 製造プラントや研究所で撮影された画像をAIで解析。
S.N.
高分子・複合材料研究所 繊維強化複合材G
2021年入社
工芸科学研究科 高分子機能工学専攻
BEFORE 入社前:
2016.04-2021.11 重工業メーカーにて航空宇宙関連製品の材料開発や生産技術に従事する。
AFTER 入社後:
2021.12-現在 カーボンニュートラルに貢献するバイオコンポジットを開発。
H.A.
合成化学品研究所 有機合成G 主任研究員
2021年入社
工学系研究科 化学生命工学専攻
BEFORE 入社前:
2017.04-2021.6 外資系化学メーカーにて開発を経験。材料開発に携わる。
AFTER 入社後:
2021.07-現在 ICT関連のテープ材料を開発。
Chapter 1.
プレスリリースを見て、
可能性を読む。
数ある転職先候補の中から、三井化学を選んだ理由を教えてください。
S.N.
熱可塑性複合材料のスキルを身につけたいと思ったことが転職のきっかけでした。熱可塑性複合材料には、たとえばリサイクル性の高さやサイクルタイムの早さといった、環境対応の面で優れた特徴があり、これからの時代を考えれば、学ぶべき分野だと感じたからです。じゃあ、どこでそれを学ぶか。そう考えた時に、TAFNEX®︎(※)を開発している三井化学に惹かれました。材料単体だけではなく、グループが持つ技術を組み合わせ、トータルソリューションとして提案する姿勢もよかったです。
TAFNEX® CF/PP:三井化学独自の技術を用いて炭素繊維とポリプロピレン(PP)を複合化した一方向性テープ(UDテープ)
H.A.
そう、取り組みが魅力的だというのはありますよね。私はずっと化学畑で仕事をしてきたので、「転職先も同じ分野で」と考えていました。化学メーカーのプレスリリースをチェックしてみると、三井化学はいろいろ面白いことをやっている。なんとなく石油化学の会社という印象があったんですが、たとえばロボット向けに高分子材料を提供したり、樹脂部品の製造まで行っていたり。その幅の広さに興味を持ちました。
K.K.
私の切り口はAIでした。前職では製造技術に携わりながら独学でAIを学んで、品質向上や歩留まりの改善に役立てていたんです。その面白さを味わううちに、「AIをキャリアの主軸にしたい」と思うまでになっていました。AIは転職においてもトレンドで、希望にかなう企業を何社か見つけることができました。その中で三井化学に決めたのは——いくつか理由はあるんですが、いちばんは人間関係ですね。
なぜ、人間関係を重視されたんですか?
K.K.
前の職場が、人間関係のものすごくいいところだったからです(笑)。人間関係のよさが仕事にも好影響を及ぼすことは身に染みていましたから、転職においてはかえってそれが不安材料でした。三井化学に入っても、同じような関係を築けるんだろうか、と。ラッキーだったのは、大学時代の同期が何人か、三井化学にいたことです。彼らに話を聞くと「本当にいい人しかいないんだ」と言う。実際に私も、三井化学の面接官と技術のディープな話で盛り上がりながら、人柄のよさを実感できました。おかげで不安はすっかり消えましたね。
Chapter 2.
多彩な人材の中に、
キャリア入社が溶け込んでいる。
H.A.
私も入社前に、紹介を受けて三井化学の社員と会っているんです。その方が、なんというか豪快なタイプで(笑)。こういう方もいるのかと。あくまでも私の先入観ですが、日本の化学メーカーといえば「社員が真面目で堅い」。そう思い込んでいたので新鮮でした。キャリア入社が多い会社だから、バックグラウンドもキャラクターも多様なのかもしれませんね。
K.K.
多いですよね、キャリア入社の社員。私のチームだと、10人のうち新卒は逆に1人しかいない(笑)。グループ全体でも、半分——は言い過ぎかもしれませんけど、それに近い印象ですね。
H.A.
それぞれに得意分野を持つ人が集まっているので、仕事のうえでも心強いですよね。仕事で行き詰まりそうになった時、「そういえば、あの人は前職でこれをやっていたはずだ」と、相談相手を見つけやすい。逆に、私の知識やスキルを頼ってもらえることも多い。キャリア入社の社員がすごく溶け込みやすい環境だと思います。
S.N.
すごくいいですよね。転職する時に怖かったのが、「キャリア入社だと浮いてしまうんじゃないか」ということ。会社によっては、そういうケースもあると思うんです。でも、三井化学にはそれがまったくなかった。コミュニケーションがすごく明るいんです。仕事の結果に対しても、ポジティブな反応をくれる人ばかりで。報告書を書けば「よくまとまってるね」。新しい材料で成形試作をしてみると「面白いものつくったね」「これ、売れそうだね」と。
H.A.
上司もそうだし、同僚の間にも同じことを感じますね。一緒に面白がったり、認め合ったり。
S.N.
私は褒められて伸びるタイプなので(笑)、すごく自分にフィットしている会社だと思っています。
K.K.
いい意味で、上下関係の垣根もない。役職者であっても「さん」付けで呼び合う風土ですし、常務と若手が話し合える場もよく設けられていますよね。常務のほうから若手のテーブルを回って会話を引き出し、しっかり耳を傾けてくれる。この規模の会社だと、常務なんて雲の上の人だと思っていたので、びっくりしました。
Chapter 3.
ゴールはあっても、
行き方は自由。
仕事の面で気に入っているポイントはありますか?
K.K.
期待した通り、AIに没頭できています。画像認識による不良の検出や、小規模太陽光発電所に向けた発電収支の予測ソリューション。それから、AIのさらなる活用に向けた社内環境の整備にも取り組んでいます。たとえば、データを効率よく収集するために、各部署が画像の指定と分類を行い、サーバーを介してAIチームに共有できる仕組みもつくりました。
裁量が大きそうですね。
K.K.
かなり大きいですね。ゴールはあるけれど、行き方は自由。楽しいです(笑)。
H.A.
私はICT関連の材料に携わっています。川上の事業を行う三井化学らしく、素材そのものを開発できるのが面白いですね。自由度は高いし、オリジナリティも出しやすい。驚いたのは、研究開発費がとにかく潤沢なことです。改めて、資本力の高い会社なんだなと思いました。
K.K.
たしかに業務に関係があれば、有料の学会やセミナーにも積極的に参加させてくれますね。
S.N.
幸せですね(笑)。私は今、日本製紙さんと連携してバイオコンポジット「QUON®」の開発に取り組んでいます。日本製紙さんの木質バイオマス素材「セルロースパウダー」に三井化学のコンパウンド技術を組み合わせ、脱炭素化と強度や加工性の両立を目指すというもの。「熱可塑性複合材料を学びたい」という希望がかなったばかりか、材料も製造も成形工程も、私にとってはすべてが挑戦。大変だけど新鮮です。日用品から建材、家電製品、自動車部材まで、広い用途が見込める製品に関わるのも初めて。三井化学に入って、私の世界はかなり広がったんじゃないかと思います。
Chapter 4.
業務の外に出てみる。
自分が広がっていく。
S.Nさんは業務外の活動として「MOLp®そざいの魅力ラボ(※)」にも参加されていますね。
K.K.
MOLp®って何ですか?
S.N.
ご存知ないですか? 素材の魅力や可能性を惹き出し、素材を通してコミュニケーションをしようというプロジェクトです。ロビーに置いてある、医療分野用のプラスチック素材を使った「新造形モデル」や、太陽の光で色や模様が変わる「SHIRANUI®」もMOLp®の作品です。
MOLp® そざいの魅力ラボ:さまざまな素材の中に眠っている機能的価値や感性的な魅力を、あらゆる感覚を駆使して再発見し、そのアイデアやヒントをこれからの社会のためにシェアしていく、三井化学グループのオープン・ラボラトリー活動。
https://jp.mitsuichemicals.com/jp/molp/index.htm
K.K.
そういうことなんですか。「超石化プロジェクト(※)」とはまた別の?
S.N.
そうですね。「超石化プロジェクト」はVISION HUB™ SODEGAURAのリノベーションプロジェクトなので、また別のコンセプトをもった組織ですね。過去には、一緒に1階のBOOKS&CAFÉ のDIYをしたりしていますよ。
超石化プロジェクト:三井化学グループ最大の研究開発拠点である「三井化学VISION HUB™ SODEGAURA」のリノベーションプロジェクト。社内の有志メンバーが主体となって「理想の研究所」を追い求めた。「超石化」は、1970〜80年代に生まれた“石油化学を超える”というコンセプトに由来する。
S.Nさんが「MOLp®」での活動を始めたきっかけは何ですか?
S.N.
実は入社前に、青山で開かれた「MOLp®」の展示会に行ったことがあるんです。「化学メーカーだけど、材料を作って物性表を出すだけじゃない、こんなにお洒落な形にして材料を魅せることができるんだ」と感動して。だから「MOLp®」は、けっこう大きな入社動機のひとつでもあって。
H.A.
私も「MOLp®」には何度か顔を出しましたよ。子どもが生まれて忙しくなってしまったので、しばらく参加できていないんですが。
K.Kさんも「MOLp®」に興味が湧いてきましたか?
K.K.
面白そうですよね。でも、私は素材にあまり詳しくないから、大丈夫かな……。
S.N.
「MOLp®」のよさは、部署や会社の垣根を超えて、それまで知らなかった人や知識に出会えることなんです。私は今、温度で感触が変化する「アブソートマー®」という新素材や太陽光で色が変わるフォトクロミック色素を活かしたプロダクトづくりを行っており、次回の展示会に向けて準備しています。普段の業務とはまったく関係がないんですが、自分の視野を広げたり、発想の力を鍛えるうえではとても役立つ。だからK.Kさんも大丈夫ですよ!
Chapter 5.
いい制度が、
ちゃんと使いやすい幸せ。
ワークライフバランスについてはどのようにお感じですか?
K.K.
「自由にフレックスが使える」「長期休暇がちゃんと取れる」「夜勤がない」「休日出勤がない」……普通のことに思えるかもしれませんが、それが当たり前に活用できるのは実はすごいことだなと思っています。
H.A.
転職活動中に気づいたんですが、フレックス勤務を謳っている企業も、よく見るとコアタイムがあることが多いんですよね。三井化学はコアタイムなしだから、使いやすい。
S.N.
私はだいぶテレワークのお世話になっています。「午後に出張があるから、午前はテレワークにして出社しない1日にしよう」という使い方もできますし、申請がシンプルなのもいい。共有のスケジュール表に書いておくか、前の日に上司に連絡すれば、問題なく承認してもらえます。
K.K.
制度でいえば、男性でもごく当然のように育児休暇が取れたのはよかったですね。上司に伝えたら「1年、取ってもいいよ」と逆に背中を押されたくらいです。とはいえ2か月にしたんですが、その間は社用携帯は切ったままでメールもまったく見ない、子どもの成長を見守ることができる幸せな時間でした。
H.A.
私も育休を取りました。ちょうど特許の出願対応と重なったので、1か月ほど。それでもだいぶ助かりました。復帰後も、リモートワーク中の空き時間を利用して病院に連れて行ったり、早めに退勤して家事をこなしてから自宅でデスクワークをしたり、かなりフレキシブルに育児に向き合えていると思います。
S.N.
私はVISION HUB™ SODEGAURAの立地も気に入っているんです。転職に合わせて生活の基盤を千葉に移したんですが、想像したよりも都内にアクセスしやすくて。アートやデザイン、テクノロジーなど、もともと興味のあった分野のイベントや展示会に足を運ぶことが増えました。インプットが増えた分、仕事にも活かせる感性が養われているんじゃないかなと思います。
Chapter 6.
自分のキャリアと、
三井化学の未来を重ねて。
最後に、今後の展望について教えてください。
K.K.
三井化学のAI開発は、まだまだ発展途上だと思います。AIは日進月歩。普及が進むにつれ、AIの中身を知らない人が触れる機会も増えてきました。私は画像認識系のAIを扱う立場として、三井化学の社員が気軽に画像AIに触れ、目的の画像AIをつくれるような基盤を構築したいと考えています。
H.A.
やっぱり開発の仕事が好きなので、スペシャリストとしてのキャリアに強く興味を持っています。三井化学での業務を通じて、自分の専門性をさらに高めていきたいですね。
S.N.
まずは、開発を進めているバイオコンポジット「QUON®」の採用獲得が目標です。最近は悪者扱いされることもあるプラスチックですが、その新しいあり方を提案し、これからも人々の暮らしを支えていく材料であることを示したい。この材料がさまざまな分野で世の中に広がり、生活になじんでいく光景を見てみたいです。長期的には、材料に関する知見と経験を積み重ね、多角的な視点を養い、世の中に大きなインパクトをもたらすものづくりにチャレンジしたいですね。
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