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新臓形モデル
プラスチックが命のためにできること
Design feature
素材キットMATERIUM™ での提示などMOLpでも検討を続けているプラスチックの触感や質感の研究は医療分野でも応用されています。
人々の命を救う希望となっている医療分野で応用されている質感を活かしたプラスチック素材を展示会のコンセプトである新造形主義になぞらえ、新臓形モデルとして制作しました。
Spec
- 素材:
- 新臓形モデル本体:ABS、台座:鉄
眼球モデル、歯科デンチャー、メディカル心臓モデル、おしり(おまけ) - サイズ:
- Height:165cm、Weight:Secret
Material Description
❶ 眼球モデル Bionic-EyE™
眼科手術の手技練習にはこれまで豚眼が用いられてきました。しかし豚眼を用いた練習では、そもそも人の眼を薄くカットするときの感触と全く異なることや、衛生面での課題がありました。Bionic-EyE™は、手術時のリアルな触感にこだわり、豚眼に代わる手術練習ツールとして、医学生の実習、研修医のトレーニング、新規デバイスの試験・講習に活用できる他、将来的には各種認定試験、実技試験用に採用されることが期待されております。
使用モデル:ab-externo
眼外法緑内障手術モデル(強膜モデル)。メスで切る感触を複合素材で模倣しています。
❷ 歯科材料 フルデンチャー(総義歯)
生きがいの1つの美味しいものを食べること。その“食べる”を支える歯科において、昨今熟練した歯科技工士の人手不足が深刻になっています。
重合技術とクラウドベースでデザインプラットフォームを活用し、歯科技工士が行っていた歯列や歯肉の設計をソフトウエア上でデザイン。薬事認証した歯と歯肉造形用のレジンインクを使い3Dプリンターで出力するサービスを開始。
従来法と比べ作業時間を10分の1に。患者さんの通院も5回から3回程度までに減らすことに貢献します。
❸ メディカルモデル 心臓
手術シミュレーション、医療トレーニングモデル、CT撮影用ファントム等の人体モデルに使用されます。多種材料の組み合わせを用いてMRI、CTデータから3Dデータ+キャスティング(注型)、3Dプリンターなどで製造が可能です。実際の臓器と同じ触感を実現したことで手術シミュレーションに使用可能のほか、素材の電子密度調整によってCT撮影トレーニングなどににも使用できます。
心臓だけではなく、様々な臓器の設計、試作、成形が可能です。
❹ - おまけ - お尻( STABiO®)
STABiO®は三井化学が開発した世界初のウレタン新素材。植物を原料とするバイオマスプラスチックでライフスタイルと二酸化炭素排出削減に貢献します。
難黄変性、透明性、耐久性を有しており様々な成形品に成形可能です。ウレタンは配合次第で柔らかいものから硬いものまでの成型が可能です。
今回は、研究者が思う気持ちの良いお尻の感触を再現しました。一般的にウレタンはアルコールに弱いですが、赤ちゃんのおしりふきなら大丈夫。