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サステナブルとは?意味やSDGsとの関係・取り組みを解説

SDGsに取り組む人々

サステナブルな社会の実現がさらに重要視される時代です。環境への配慮だけでなく、経済、社会のバランスを保ちつつ、持続可能な成長を目指すことが求められています。私たち一人ひとりがエコやリサイクルを意識した行動をとることはもちろん、企業の技術革新や政府の各種制度整備を含め、総合的かつ複合的に取り組みを進めていくことが、サステナブルな未来を築くカギを握っています。サステナブルのトレンドや成功事例を交えながら、私たちが日々できる取り組みを考えていきましょう。

あらためて考える――サステナブルの意味と、意義

そもそも「サステナブル」とは「sustain=持続する」と「able=できる」を組み合わせた言葉で「持続可能な」という意味です。今では、自然環境を守りながら限られた資源を効率的かつ循環的に使い、自然と人間が共生していくような、持続可能な社会を示す言葉としても使用されています。この「サステナブル」に求められるのが環境保全と社会発展のバランスです。私たちは地球環境を損なうことなく、なおかつ現在の社会・経済のニーズにも目配りしながら、未来の世代に豊かな環境を引き継いでいかなければならないのです。

「サステナブル」は、社会全体だけでなく、個人や企業にとっても大切なものになっています。環境に思いを馳せること、そして経済活動を進めていくこと。これを両輪で考えなければ、持続可能な社会は実現しません。私たちが消費行動や、企業が事業活動で行う選択のすべてが、この「サステナブル」の考えに直結するのです。

「サステナブル」と似た言葉に「サステナビリティ」があります。サステナブルは、持続可能な状態や行動を表す形容詞です。一方、サステナビリティは持続可能性やその取り組みを表す名詞です。

サステナビリティ:名詞 持続可能性やその取り組みを表す。
サステナブル:形容詞 持続可能な状態や行動を表す。

「サステナビリティ」を高めるために「サステナブル」な行動を実践し、未来に向けた取り組みを進めていくことが大切です。

サステナビリティについては「サステナビリティとは?意味や3つの柱・企業の取り組みについて解説」で詳しく解説しています。

なぜ「サステナブル」が大切なの?

サステナブルとSDGsはどうつながっている?

「サステナブル」という概念は、SDGs(持続可能な開発目標)と深く結びついています。SDGsは国連が提唱した、2030年までに達成すべき17の目標を中核とし、それぞれの目標達成に必要な具体的行動を定めた169のターゲットと、その進捗状況を測るための約230の指標で構成されており、環境保護、経済成長、社会的公平性をバランス良く発展させるための指針になっています。では、「サステナブル」とSDGsの目標はどのように関わっているのでしょうか?

SDGs17の目標

SDGsには、貧困の撲滅(目標1)気候変動対策(目標13)陸の豊かさの保護(目標15)など、サステナブルな社会の実現に直結する目標が掲げられています。これらの目標は環境保護や社会的公正に関連しており、企業や個人のサステナブルな取り組みと紐づけられます。

エネルギーをみんなに そしてクリーンに(目標7)、つくる責任 つかう責任(目標12)、気候変動に具体的な対策を(目標13)は、企業の活動にも深く関連しています。環境価値の高い製品の開発や、環境負荷を低減する製造プロセスの導入といった取り組みが進んでいます。

一方、私たち個人も、日々の生活を通して、このSDGs目標に貢献することができます。エネルギー効率の高い家電製品の選択や、節電・節水の工夫を日常生活に取り入れることは、目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」に貢献しますし、食品ロスを減らしたりリサイクルを意識したりする消費行動は、目標12「つくる責任 つかう責任」に直結。公共交通機関や電気自動車の利用は目標13「気候変動に具体的な対策を」につながります。SDGsは政府や企業だけでなく、私たち個人のライフスタイルにも深く関わってくるのです。

見逃せない環境問題と、サステナブルはどう関係する?

サステナブルな社会を目指すためには、深刻化している各種の環境問題に注目していく必要があります。近年は酷暑や水害の多発といった形で気候変動の影響を感じることが多くなっていますし、生態系の破壊や、プラスチックごみ問題などに関する報道を目にする機会も増えています。

地球温暖化は、二酸化炭素など温室効果ガスの排出量増加が主な原因とされており、これが異常気象の多発や海面上昇を引き起こしています。サステナブルな取り組みでは、再生可能エネルギーの利用や省エネ技術の導入など、温暖化の進行を抑えるための具体的なアクションが求められます。

また、環境汚染も見逃せない問題です。人間の経済・社会活動を通して、空気、水、土壌の汚染が進んでおり、特に化学物質やプラスチックごみ増加の問題は深刻化しています。こうした問題の解決を目指すサステナブルな取り組みでは、リデュース、リユース、リサイクルの3Rに加え、もうひとつの「R」として「Renewable(再生可能)」な素材や製品を選択していくことが重要になっています。

社会課題の解決もサステナブルな社会への一歩

サステナブルな社会に立ちはだかる課題は「環境」だけではありません。貧困や格差といった社会的な課題の解決を考え、アクションを起こしていくことも大切です。

社会的格差は、持続可能な社会の実現を妨げる大きな要因です。富の集中や不平等が進むと社会の安定が脅かされ、持続可能な成長が難しくなります。すべての人に公平な機会が与えられる社会を築くことが、持続可能な未来への鍵のひとつです。途上国の技術支援や人権の啓発など、格差解消に向けた取り組みも着実に進んでいます。

社会的、経済的、環境的な持続可能性を脅かすのが貧困問題です。教育やインフラの整備、働く機会の提供などを通じて貧困をなくし、誰もが豊かに暮らせる環境を作ることが求められています。

サステナブルな社会を目指す取り組みは、地球に住む私たちの全員に関わってくるものです。環境問題や社会的格差、貧困といった問題を解決し持続可能な未来を築くために、具体的なアクションが求められています。

企業が推進する「サステナブル」

環境・社会に配慮したプロダクトはどのように生まれるのか

近年、企業は環境や社会に配慮した事業活動に取り組んでいます。持続可能な資源の利用やリサイクル可能な製品開発、省エネルギー技術の導入などが、企業の社会的責任を果たす活動の一環として行われています。

サステナブルを考えた製品開発:家電メーカーのケース

家電業界では、エネルギー効率の高い製品が普及しています。冷蔵庫やエアコン、洗濯機などは、従来製品に比べて消費電力を大幅に抑え、使用時の環境負荷を軽減しています。例えば、ヒートポンプ技術を搭載したエアコンやLEDライトの導入により、電力消費が抑えられ、家庭でのエネルギー使用量を削減しています。

パナソニックの「エコナビ搭載冷蔵庫」はその好例です。この冷蔵庫は、AIを活用して使用パターンを学習し、最適な冷却制御を行うことで、従来モデルに比べて省エネを実現しています。

エコナビ冷蔵庫のサステナブルな特徴:

  • エネルギー効率の向上:AI制御による省エネ性能
  • 長寿命設計:高耐久部品の使用による製品寿命の延長

これにより、電力消費とCO₂排出量の削減、廃棄物の削減に貢献し、気候変動緩和や資源の有効利用を支えています。

また、パナソニックでは、グループ全体の資源別投入量を把握することで、再生資源活用への課題を明確化しています。例えば再生樹脂の場合、活用する部材に求められる特性への対応、供給量の安定的確保、製造側での使いこなす工夫、リサイクル技術開発などの課題に取り組むことで、2023年度は約17,200トンの再生樹脂を製品に活用。さらに、環境負荷のより小さい植物由来樹脂等の材料の開発や製品への適用を進め、循環型モノづくりの進化を図ろうとしています。

サステナブルを考えた製品開発:自動車メーカーのケース

自動車業界でも、持続可能な移動手段を実現する取り組みが進んでいます。従来のガソリン車に比べて温室効果ガスの排出を大幅に削減するのが電気自動車(EV)、ハイブリッド車、燃料電池車(FCV)といった新しいタイプの自動車です。これらを社会に実装し、普及を考えていくこと。それが持続可能な社会に貢献する重要なアプローチになります。

トヨタの「MIRAI」は、水素を燃料とする燃料電池車(FCV)で、「ゼロエミッション車」を実現しています。ゼロエミッション車とは、走行中に二酸化炭素(CO2)や他の有害物質を排出しないクルマのことを指します。水素を燃料にするため、大気汚染や地球温暖化の原因となる温室効果ガスを一切出しません。

MIRAIのサステナブルな特徴:

  • ゼロエミッション:走行時にCO₂を排出せず、水のみを排出
  • 高効率:燃料電池のエネルギー変換効率により、長距離走行が可能
  • V2H(Vehicle to Home)機能:災害時に家庭へ電力供給が可能

また、2020年に発表した新型「MIRAI」では、発電のため走行時に空気を取り入れるFCVだけの特長を活かし、吸入した空気をきれいにして排出する“空気清浄”システムを開発。走れば走るほど空気をきれいにする新概念「マイナスエミッション」を提唱し、サステナブルを超えたリジェネラティブ(再生的)を視野に入れた取り組みも進めています。

環境に配慮した製品開発は、企業の事業戦略の中核に位置づけられます。これらの取り組みは環境への負荷を減らして社会課題を解決するだけでなく、企業の競争力強化にもつながります。

サステナブルとは?意味やSDGsとの関係・取り組みを解説

今日から始める、サステナブルな暮らしのヒント

ムダを減らして、食品ロスをカット

企業だけでなく、私たち一人ひとりが個人として環境のために取り組めることも多くあります。その一つとして、食品ロスを減らすことは、資源を大切にし、環境への負担を軽減するための重要な取り組みです。資源の有効活用や廃棄物の削減につながり、サステナブルな社会の実現に貢献するのです。以下のアクションを考えることで、日常生活から食品ロスを減らすことができます。

1. 賞味期限の管理
  ・冷蔵庫内の食品を定期的にチェック
  ・スマホアプリで食材の在庫や賞味期限を管理
2. 残り物の活用
  ・カットした野菜の切れ端などでスープやサラダを作る
  ・食パンの耳でラスクを作るなどのアレンジ
3. 計画的な買い物
  ・週ごとに献立を立て、必要な分だけ購入
  ・冷蔵庫を確認し、重複購入を避ける

日々のエネルギーを節約するアイデア

日常生活の省エネも、サステナブルな社会を実現するための重要な取り組みです。エネルギー消費の削減は、CO₂排出量の削減にも直結し、気候変動対策として大きな役割を果たします。以下の取り組みなどは、日常生活でのエネルギー節約につながります。

1. 省エネ家電の使用
  ・統一省エネラベルで★マークが多い製品を選ぶ
  ・電力消費の大きい冷蔵庫やエアコンを省エネモデルに買い替える
2. 室温
 ・室温を夏季は28℃、冬季は20℃を目安にする(環境省の推奨値、空調の設定温度ではなく室温)
 ・衣服で体温を調整する「クールビズ」「ウォームビズ」を実践
3. 消灯の徹底
  ・使用していない部屋の照明をこまめに消す
  ・人感センサー付きLED照明を導入する

プラスチックごみを減らす、エコなライフスタイル

プラスチックごみの削減は、日常から簡単に取り組めるサステナブルな活動の一つです。次のようなアクションで、生活から出るプラスチックごみを減らすことができます。

1. マイバッグ・マイボトルの使用
   ・買い物の際にエコバッグを持参する(エコバックは同じものを使い続ける)
   ・外出時に水筒を持参し、ペットボトルの使用を控える
2. 詰め替え製品の利用
   ・シャンプーや洗剤などは詰め替え用を選ぶ
3. ごみの適切な処理を行う(適切な処理でリサイクルに回す)
   ・ごみは所定の場所・時間に、分別して出す
 ・ごみのポイ捨て、不法投棄は行わない

3Rの取り組み

プラスチックはあらゆる産業や私たちの生活に欠かせない素材のひとつであるため、完全になくすことはできません。そのため、バイオマス化やリサイクルを通じてプラスチックを再生可能にしていく「改プラ」の取り組みが大きな意味を持ちます。不用なプラスチックの活用は減らすのと同時に、バイオマスプラスチックやリサイクルプラスチックが採用された製品を選択していくことも、私たちが日常で取り組めるサステナブルな取り組みになります。

サステナブルな社会の実現には、企業の取り組みと個人の意識改革の両方が欠かせません。企業は革新的な材料や技術を通じて、持続可能な未来に向けたイノベーションを進めています。一方で、私たち一人ひとりが日常生活の中で小さなサステナブルな行動を積み重ねることも大切です。企業のイノベーションと私たち個人の行動が両輪で回ることで、持続可能な社会に一歩ずつ近づくことができるのです。

三井化学グループでは、こうしたサステナブルな社会の実現に向け、バイオマスでカーボンニュートラルを目指す「BePLAYER®」、リサイクルでサーキュラーエコノミーを目指す「RePLAYER®」という取り組みを進めています。カーボンニュートラルや循環型社会への対応を検討している企業の担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。持続可能な社会に向けて行動する「BePLAYER®」「RePLAYER®」はこちら


<公開資料:カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー関連>
https://jp.mitsuichemicals.com/jp/sustainability/beplayer-replayer/soso/whitepaper/ 

 

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