005FASTAID社会課題解決に向けたパッケージ技術の応用

撮影/児島孝宏(博報堂プロダクツ)
レタッチ/宮本准(デジモ)

CONCEPT

清潔な水と、必要な栄養素。災害時や、難民キャンプではその両方を手に入れるのが難しい。そんな状況を解決するための、パッケージ技術の応用に挑戦しました。
1つのパッケージの中に水と栄養成分を別々に保存し、ギュッと握ると混ざり合う今までにないパッケージ。
ぐっと、握ってみてください。ロック&ピール®は必要とするその人の手に、水と栄養を同時に届けます。

素材名

ロック&ピール®(エチレン系ポリマー)

三井・デュポン ポリケミカルのロック&ピール®樹脂は、パッケージを製造する際のヒートシール温度を変えるだけで、完全シールとイージーピールの異なる機能を使い分けることが可能な新素材で、食品や化粧品の2室分離袋のパッケージとして採用が広がっています。2つのシール状態を1つの素材で簡単に実現できるため、「1つのパッケージの中で、異なる内容物を保存・携帯し、使用時はワンタッチで混ぜ合わせられる」新しいパッケージとして内容物の消費期限向上や、利便性向上、新しいパッケージの体験価値を提供しています。今後ますます重要になってくるフードロス削減やユニバーサルデザインへの対応策として注目が集まっています。

素材の可能性

  • ●2つのシール状態を1つの素材で簡単に実現できるため、「1つのパッケージの中で、異なる内容物を保存・携帯し、使用時はワンタッチで混ぜ合わせられる」新しいパッケージとして提案。
  • ●内容物の消費期限向上や利便性向上、またパッケージに新しい体験価値をプラス。
  • ●2つのシール状態 × 体験するパッケージデザインという価値で、新しいものづくりの可能性を広げていく。
撮影/JCV

参考

「ラオスの子どもたちへのワクチン支援プログラム」に寄付。

三井化学のCSR活動のひとつである「ちびっとワンコイン」は認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会(略称:JCV)と共に「ラオスの子どもたちへのワクチン支援プログラム」としてBCGワクチンやロック&ピール®2室包装技術を使用したアイシングパックなどを寄付いたしました。 本支援プログラムの規模はラオスで1年間に必要とされるBCGワクチンなど20万人分に相当します。
またラオスでのワクチンの運搬は暑さをともなう過酷な作業環境が課題となっています。こうした課題に対して尿素と水が入った2室包装バッグを作って提供。ぎゅっと握ると吸熱反応でひんやり冷やすことができ、過酷な作業環境の緩和に貢献します。使い終わったら、肥料として使えます。

クリエイティブパートナー

TBWA\HAKUHODO 佐藤カズーエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター

1973年横浜生まれ。メディアの枠を超えたBig Ideaで、150以上の国内外の賞を受賞。またカンヌ国際広告祭をはじめ数々の国際広告賞の審査委員にも選出されている。2011年クリエイターオブザイヤー・メダリスト。