016UNFRAGMENT形状記憶性を活かした「初めから割れている壺」

Photography: Toru Oshima

CONCEPT

冷やすと固くなり、人肌以上で柔軟性を増す特徴を持った三井化学東セロの形状記憶シート。伸ばしたり、丸めたり、くしゃくしゃにしても元に戻っていく形状記憶性を持った新しいシートです。
その不思議な特性を活かして、「割れたら壊れる」という「当たり前」に反した新しい価値を探ってみました。
手で広げてあたかも割れたようになる壺は時間と共に徐々に元の形に戻っていきます。
日本の伝統的な金継ぎの技術を想起するデザインで、見ていると時間が逆戻りしたかのような不思議な感覚に引き込まれます。

素材名

形状記憶シート

三井化学が開発した特殊ポリマーを発泡・シート化した新開発の製品。特にその触感は多くの人から高い評価を頂いています。常温~50℃付近で柔軟性を増す特性を持っており、人に触れている部分は柔らかく、触れていない部分は若干硬いため、サポートされている感覚が生まれる素材です。各種ヘルスケア、医療、介護、スポーツ、シート、クッションなどの使用者にフィットするような用途で世界に一つだけの製品開発に貢献できる素材として注目されています。

素材の可能性

  • ●三井化学の新素材を三井化学東セロの特殊成膜技術でシート化を実現
  • ●形状記憶性を有する新素材
  • ●人肌で柔軟性を持つこれまでにない特徴ある質感
  • ●世界に一つだけの製品開発に貢献する素材で、新たなものづくりの可能性を広げていく。

クリエイティブパートナー

コクヨ株式会社 クリエイティブセンター佐々木 拓

1985年東京生まれ。2008年多摩美術大学プロダクトデザイン専攻卒業後、コクヨ入社。 KOKUYO DESIGN AWARD2005優秀賞、同2014社内特別賞受賞。
2017年5月東京・千駄ヶ谷にオープンしたコクヨの直営店「THINK OF THINGS」にて、オリジナル商品のディレクション及びデザインを担当。
休日は大学の同級生と共同のアトリエ「B6studio」を構え活動中。