「サーキュラーエコノミー」に取り組む必要性
世界が大量消費型社会の限界と対策を考えはじめており、日本も2050年までのカーボンニュートラルとサーキュラーエコノミー(循環型社会)への転換を国家目標に掲げて動き始めています。企業や消費者はこうした動きに対して、どう受け止め、どう行動すべきなのでしょうか。カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーへの移行の必要性について解説します。
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世界が大量消費型社会の限界と対策を考えはじめており、日本も2050年までのカーボンニュートラルとサーキュラーエコノミー(循環型社会)への転換を国家目標に掲げて動き始めています。企業や消費者はこうした動きに対して、どう受け止め、どう行動すべきなのでしょうか。カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーへの移行の必要性について解説します。
現代の経済社会は、天然資源を大量に採取し、生産に投入し、消費して、大量の廃棄物や排出ガス、排水等を地球環境中に放出していますが、その行き先である大気や海洋、土壌等の拡散・浄化能力には限界があります。地球が持つ浄化能力の限界を超えた典型例として、石油・石炭など化石燃料を大量に燃焼してきた結果大気中のCO2濃度上昇が起こり、CO2の温室効果が影響して気候変動が激化する地球温暖化問題があります。
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濃度地球温暖化の最も大きな原因は大気中CO2濃度の増加とされていますが、気象庁によると、大気中CO2濃度は国内観測点のすべてにおいて直線的に増え続けており、CO2観測データからもそれが事実であることが裏付けられます。
日本周辺における二酸化炭素濃度の経年変化
出典:気象庁HP 「二酸化炭素濃度の経年変化」
https://ds.data.jma.go.jp/ghg/kanshi/ghgp/co2_trend.html
各国の温室効果ガス(GHG)排出を見ると、中国と米国が突出して多く排出していますが、排出削減を進めるには、特定の国だけに削減努力を求めるのではなく、国際合意の元で各国が公平な削減努力を進めていく必要があります。
世界の温室効果ガス排出量(2018年)
出典:資源エネルギー庁HP 令和2年度エネルギー白書
一定の強制力を持ってGHG排出削減を促す政策として、炭素税や排出量取引などの「カーボンプライシング」が有効とされ、欧州では、1990年代前半の北欧諸国を皮切りに、多くの国で炭素税が導入されています。税率は着実に引き上げられ、スウェーデンのようにCO2排出量1トン当たり100ユーロ以上の国、フランスやアイルランドのように30年に同100ユーロに引き上げる予定の国もあります。
排出量取引制度(ETS)の導入も各国で進められています。EUでは2005年から、一定規模以上の産業施設や域内航空便を対象とする排出量取引制度(EU-ETS)を導入しており、さらに規制の緩い地域への産業流出を防ぐため、炭素税の関税である炭素国境調整措置(Carbon border adjustment mechanism 、CBAM)の導入も予定されています。米国では全国的なETSはありませんが、カリフォルニア州で大規模事業者を中心にETSが導入されています。またGHG排出量世界一の中国でも、2021年7月からCO2排出量2万6,000トン以上の発電事業者を対象にETSが開始されました。
ETSはこのほか韓国、ニュージーランド、スイスなどでも実施されており、メキシコでパイロット事業が開始されているほか、ASEANでも、インドネシア、タイ、ベトナムが導入を計画・検討しています。
このように国際的なカーボンプライシングの導入が進んでいくと、結果として対応が遅れている国は対応が進んだ国への輸出に際して炭素税が課税され、価格競争力を失ってしまうため、カーボンプライシングで有利な地域へ生産拠点が流出していきます。導入に慎重な姿勢を続けてきた日本も、国内経済や国際競争力を維持するため、真剣に取り組まなければならない状況に追い込まれてきたと言えます。
気候変動問題、天然資源の枯渇、大規模な資源採取による生物多様性の破壊など、様々な環境問題の原因は大量生産・大量消費型の経済社会活動にあると考えられています。資源・エネルギーや食糧需要の増大や廃棄物発生量の増加が世界全体で深刻化しているなかで、経済活動をつづけながら、一方通行型の経済社会活動を見直し、持続可能な形で資源を利用するサーキュラーエコノミー(循環経済)への移行を目指すことが世界の潮流となっています。
サーキュラーエコノミーとは、資源投入量・消費量を抑えつつ、既に使用されたストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動であると定義できます。
出典:環境省「令和3年版環境白書」
https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r03/pdf/full.pdf
サーキュラーエコノミーへの移行は、企業の事業活動の持続可能性を高め、カーボンニュートラルの方向性とも合致するため、両方を一体として進めることで、産業の国際競争力向上に繋がります。またポストコロナ時代における新たな競争力の源泉となる可能性を秘めており、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮したESG投資の拡大とも相まって、サーキュラーエコノミーに適合する新たなビジネスモデルを構築する取り組みが国内外で進められています。
カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーを推進する上で、日本ではプラスチック資源循環戦略を定めています。この戦略はサーキュラーエコノミーを実現するための3R(リデュース・リユース・リサイクル)をより一層強化するとともに、戦略の目玉として、もうひとつのR(Renewable:再生可能資源への代替)が掲げられています。それに基づき、「バイオプラスチック導入ロードマップ」が策定され、焼却してもGHGを排出しないバイオマスプラスチックを2030年までに約200万トン導入する計画が打ち出されています。
三井化学では、「世界を素(もと)から変えていく」というスローガンのもと、バイオマスでカーボンニュートラルと目指す「BePLAYER®」、リサイクルでサーキュラーエコノミーを目指す「RePLAYER®」という取り組みを推進し、リジェネラティブ(再生的)な社会の実現を目指しています。カーボンニュートラルや循環型社会への対応を検討している企業の担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。 <「BePLAYER®」「RePLAYER®」>https://jp.mitsuichemicals.com/jp/sustainability/beplayer-replayer/index.htm |
サステナビリティ領域で活躍する有識者や1か月間脱プラ生活を実践した起業家とともにプラスチック問題を解決に導く新たなアプローチと、その実装方法まで議論し、プラスチック問題に対する現実解を読み解きます。
"Sustainable Challenge for Packaging"をコンセプトに、三井化学グループの環境配慮型包材の概要を、リサイク、リニューアブル(再生可能)のカテゴリーでご紹介した資料です。
このホワイトペーパーでは、環境への配慮(環境価値)を製品・サービスの価値に結びつけ、ブランドの価値も向上させている企業の11事例を紹介しています。環境価値の製品価値への組み込み・ブランド価値向上に向けたヒントを得るための事例集として活用いただけると幸いです。
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