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地球温暖化防止に向けて私たちにできることは?身近な対策を紹介

地球温暖化 私たちにできること(個人の取り組み)のイラスト

地球温暖化が加速する中、私たちの行動が地球の未来を左右する時代となっています。今回の記事では、地球の未来のために私たちができることについて、身近な対策を具体例を交えながらご紹介します。地球温暖化に対して私たち個人ができることを知り、持続可能な未来に向けた行動を始めるきっかけになれば幸いです。

地球温暖化の深刻な現状 - 今、私たちにできることは?

地球温暖化は、人間活動による温室効果ガスの排出量増加が原因で進行しており、年々深刻化しています。温暖化によって気温上昇や異常気象が発生しており、その影響は私たちの生活にも及んでいます。

※地球温暖化については、「地球温暖化とは?原因や仕組み、現状をわかりやすく解説」にて詳しく解説しています。

地球温暖化の現状

地球温暖化によって、世界の気温上昇は深刻さを増しています。19世紀後半から20世紀にかけて、地球の平均気温はすでに約1℃上昇しており、21世紀にはさらに1.5℃から2℃の上昇が見込まれています。こうした中で、EUのコペルニクス気候変動サービスの発表によると、2023年2月から2024年2月の間、世界の平均気温は産業革命以前に比べて、すでに1.52℃上昇したと発表しています。
また、気温が上昇することで、洪水や台風の頻発といった異常気象の増加や、海面上昇といったさまざまな問題が起きています。

地球温暖化がもたらす影響

地球温暖化の影響は異常気象の増加、海面上昇、生態系の変化、食料生産への影響、健康被害など広範囲にわたっています。特に、大雨や猛暑などの異常気象による被害が世界各地で報告されており、農作物の不作による食糧不足や、乾燥地域での生活水の不足といった問題が世界各地で起こっています。

また、地球温暖化による影響は人類だけでなく、生態系全般へ影響を与えます。例えば、気温や水温の上昇によってそれまでの環境に適応できなくなった生物が絶滅してしまうこともあります。

私たちの生活への影響(健康被害、経済的な損失など)

このような地球温暖化の影響は私たちの生活にも及んでいます。日本においても、猛暑の影響で全国における熱中症による救急搬送人員は年々増加傾向にあります。また、台風や豪雨などの異常気象も増加しており、記録的な大雨による犠牲者や家屋の倒壊といった被害が毎年のように発生しています。

国連国際防災戦略事務局(UNISDR)が2018年に発表した報告書では、1998年から2017年の20年間の気候関連の災害による被害額は2兆2,450億ドル(全体の被害額の77%)と報告されています。これは、1978年から1997年の20年間に生じた気候関連の災害による被害額の約2.5倍です。地球温暖化は私たちの生活にも、経済にも影響を及ぼしています。

<1970~2018年の大災害による保険損害額の推移>気候関連の災害による被害額

出典:環境省「令和2年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」

このように地球温暖化は年々深刻化しており、私たち生活者も一人ひとりの行動が求められていますが、「地球温暖化を個人の行動で止められるのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。しかし、私たちにできることは意外にも多く、その影響力は決して小さくありません。日本の二酸化炭素の排出量のなかで、家庭由来の排出量(電気・熱配分後排出量)は全体の約15%を占めており、私たちの対策や行動によって地球温暖化の抑制に貢献することができます。

※地球温暖化の影響については、「地球温暖化の影響とは?予測される未来をわかりやすく解説」にて詳しく解説しています。

日本政府は「2050年カーボンニュートラルを目指す」ことを宣言しており、国をあげて温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいます。その動きの中で、私たち生活者もこれまでのライフスタイルを見直し、少しずつでも実際に行動を起こし、この大きな社会課題の解決に向けたプロジェクトメンバーのひとりになっていくことが、未来を変える一歩につながります。

私たちにできる地球温暖化対策-具体例を紹介

では、私たちができる地球温暖化対策としては、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。ここからは地球温暖化の抑制につながる身近な対策を紹介します。

一人ひとりの小さな行動が地球を救う

家庭でできる取り組み

省エネの徹底や再生可能エネルギー(再エネ)の活用は、最も身近にできる対策のひとつです。私たちが使用する電力や熱の大部分は、石炭や石油、ガスなどの化石資源を使用しています。化石資源は地中に埋没されているため、それを掘り起こして使用すると、そこに含まれている炭素(C)も地中から地上に移動します。そのため、化石資源を燃焼・分解させると、もともと地中にあった炭素(C)が酸素(O)と結びつき、大気中の二酸化炭素(CO₂)が増加します。このように「炭素(C)が地中から地上に大量に移動すること」が、化石資源の使用により大気中の二酸化炭素が増加する要因となっています。

つまり、使っていない照明や家電の電源を切る、エアコン・暖房機器を効率的に使用する、LED電球や省エネタイプの電化製品に取り替えるといったように、省エネを徹底することにより化石資源の使用を減らすことは、大気中における二酸化炭素の増加を抑制することにつながります。さらに、省エネは地球温暖化の防止だけでなく、家計にとってもメリットがあります。

また、家庭で使用する電力を再エネ由来に切り替えることも大きな効果があります。資源エネルギー庁によると、再エネとは、太陽光や風力、水力、地熱、バイオマスなど、非化石エネルギー源で永続的に利用できるエネルギー源を指します。再エネは地中の炭素(C)を含んでおらず、化石資源の依存度を下げることにもつながるため、その活用は二酸化炭素排出量の削減にも大きく寄与します。

移動手段の見直し

自家用車での移動は、ガソリンなど化石資源由来燃料の使用を増やす要因になるため、二酸化炭素などの温室効果ガス排出量の増加につながります。国土交通省によると、2022年度の運輸部門における二酸化炭素排出量(1億9,180万トン)のうち、自家用車が44.9%(8,609万トン)を占めています。

そのため、自家用車の利用を控え、公共交通機関や自転車、徒歩などを積極的に利用することで、地球温暖化の抑制に貢献することができます。公共交通機関は、自家用車に比べて一人当たりの二酸化炭素排出量が少なく、自転車や徒歩は、健康にも良い影響を与えます。可能な限り、環境に配慮した移動手段の選択を心がけることも重要です。

ファッションに関する取り組み

近年はファッショントレンドのサイクルが短い傾向にあり、低価格で服を購入できるようになったことで、ごみとして廃棄される服の量が増えています。その廃棄の過程や、生産工程で大量のエネルギーが消費されると、二酸化炭素排出量の増加原因となります。

服の生産量を減らすためにできる対策として、リペアなどで今持っている服を長く着る工夫をすること、新しく購入する際は長く使えそうな素材の服を選択すること、シェアリングサービスや古着を活用することが挙げられます。また、着なくなった服を自治体や店舗の回収ボックスに出すことは、資源循環の側面でも有効です。

環境問題に関心を持ち続ける

地球温暖化問題を解決するためには、私たち一人ひとりがこの問題に対して継続的に関心を持ち、行動し続けることが重要です。今回の記事でご紹介した個人でできる取り組みはごく一部であり、他にも情報を積極的に収集することで、より多くの効果的な対策を日常生活に取り入れることができます。

また、環境配慮型の製品を選択することは、企業のモノの売り方にも変化を与えることにもつながるため、その選択の積み重ねは大きな影響力となります。是非、皆さん自身でも今日から取り組める地球温暖化対策を自ら探し、実行していただけると幸いです。

地球温暖化防止に向けた三井化学の取り組み

三井化学は「世界を素(もと)から変えていく」をコンセプトに、2021年12月から、化学産業の心臓部であるナフサクラッカー(分解装置)に、廃食油などからつくられるバイオマスナフサ(バイオマス由来の炭化水素)を日本で初めて投入し、そこから製造されるあらゆる化学品(プラスチックなど)をバイオマス化する取り組みを進め、カーボンニュートラル社会の実現を目指しています。

現在使用されているプラスチックの多くは、石油由来のナフサ(粗製ガソリン=炭化水素)に含まれる炭素原子(C)と水素原子(H)から作られます。つまり、従来のプラスチックは、地中から掘り起こした炭素原子(C)で構成されているためそれが燃焼・分解されると、酸素と結びつき大気中の二酸化炭素が増加する要因になります(炭素原子が地中から大気中に移動)。これに対し、バイオマスプラスチックでは、植物が大気中からCO₂を吸収し、固定化した炭素原子(C)と水素原子(H)からプラスチックを作るため、それが燃焼・分解しても、もともと大気中にあった炭素原子(C)が大気中に戻るだけなので、カーボンニュートラル(二酸化炭素の排出量が実質ゼロ)といえます。

石油由来のプラスチックを使用している製品では、それをバイオマスプラスチックに転換することで、二酸化炭素排出量を削減することができます。ただ、これまでのバイオマスプラスチックでは、ポリ乳酸に代表されるように、従来の石油由来のプラスチックと全く分子構造の異なるものが多く、そのラインナップも限られていたため、品質や機能の面から、バイオマスプラスチックへの転換が進みにくい状況がありました。

そこではそこで、三井化学は「世界を素(もと)から変えていく」アプローチにより、さまざまな領域でより使いやすいバイオマスプラスチックを展開しています。この「素(もと)から変える」アプローチでは、炭素原子(C)と水素原子(H)の由来を石油からバイオマスに転換していますが、由来が変わるだけですので、物質としては全く変わりません。そのため、このアプローチで供給されるバイオマスプラスチックの物性は、従来の石油由来のものと全く同等でありながら、ライフサイクルでの二酸化炭素排出量を大幅に削減することができます。これにより、従来は品質や機能の面からバイオマスプラスチックへの転換が難しかった領域でも、バイオマスプラスチックを活用して二酸化炭素排出量の削減を図ることができます。

また、ここで使用されるバイオマスナフサは、持続可能な航空燃料(SAF)やバイオディーゼルの製造過程で副産物として発生するものです。バイオマスでありながら、サーキュラーの要素を併せ持つ原料が使用されています。このような新たな資源を最大限有効活用していく上でも、「素(もと)から変える」アプローチによるバイオマスプラスチックの普及拡大が期待されています。

三井化学では、「世界を素(もと)から変えていく」というスローガンのもと、
バイオマスでカーボンニュートラルを目指す「BePLAYER®」、リサイクルでサーキュラーエコノミーを目指す「RePLAYER®」という取り組みを推進し、リジェネラティブ(再生的)な社会の実現を目指しています。カーボンニュートラルや循環型社会への対応を検討している企業の担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。

「BePLAYER®」「RePLAYER®」https://jp.mitsuichemicals.com/jp/sustainability/beplayer-replayer/index.htm

<公開資料:カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー関連>https://jp.mitsuichemicals.com/jp/sustainability/beplayer-replayer/soso/whitepaper/

参考資料
*1:BBC「世界の平均気温、年平均で『1.5度』目標超える=EU機関」:
https://www.bbc.com/japanese/articles/c72gnnj21z0o
*2:JCCCA「IPCC第6次評価報告書」:
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/1028.html
*3:環境省「令和2年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」:
https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r02/html/hj20010102.html#n1_1_2_1
*4:JCCCA「4-04 日本の部門別二酸化炭素排出量(2022年度)」:
https://www.jccca.org/download/65477
*5:国際連合広報センター「個人でできる10の行動」:
https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/climate_change_un/actnow/
*6:武蔵村山市「地球温暖化とは? どうなってしまうの? 私たちにできることは?」:
https://www.city.musashimurayama.lg.jp/kurashi/kankyou/1016188/1016221.html
*7:国土交通省「環境:運輸部門における二酸化炭素排出量 」:
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/environment/sosei_environment_tk_000007.html

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