outline
2022年4月29日、30日に幕張メッセで開催された『ニコニコ超会議2022』にMOLpが初めて参加した。特設ブースではこれまでに生み出したプロダクトの展示を行ない、科学ステージで「超アリエナイ理科ノ実験」を披露。来場者に科学と素材の魅力を伝えた。
ステージ企画の「超アリエナイ理科ノ実験」では、書籍『アリエナイ理科ノ教科書』シリーズやYouTubeチャンネル『科学はすべてを解決する!』でおなじみのくられ先生、ツナっちをはじめとする「薬理凶室」が1日4ステージ、合計8ステージにわたり、最新の科学技術を紹介。両日の4ステージ目には三井化学の若手研究者とのコラボ実験が実施されました。
本記事は、大盛り上がりだった当日の様子をレポートする。また、ステージ終了後はくられ先生や研究者たちに、科学の面白さや、科学の魅力を伝えるために挑戦したいことについてインタビューを行なった。そこで語られた、教育現場に求められる科学学習のあり方とは?
取材・執筆:宇治田エリ 写真:小坂奎介 編集:川谷恭平(CINRA)
ツナっちの心理状態が丸裸に?「三井化学 超コラボ実験ステージ」
今回のイベントのなかでもっとも注目されたのが、科学実験ステージで開催された「超アリエナイ理科ノ実験」。これは書籍『アリエナイ理科』シリーズやYouTubeチャンネル『科学はすべてを解決する!』でおなじみの「薬理凶室」と三井化学のコラボレーションで、薬理凶室のリーダー・くられ先生の発案によって生まれた。
レイユールら凶室の人気メンバーをはじめ、科学系YouTuber・元気先生らも参加した実験企画は、毎回立ち見が出るほどのにぎわいに。
両日のトリを飾ったのが「三井化学 超コラボ実験ステージ」という企画だ。これは、くられ先生に憧れて化学の道を志し、三井化学の研究員になったという入社3年目の若手研究員、佐藤陽日(サトウ)と内海樹(ウツミ)が考えたもの。
椅子に座るだけで心理状態や感情を可視化できる最新技術「PIEZOLA® Emotion アプリ」で、ツナっちや来場者の感情を計測しながら、いくつかのクイズや実験が行なわれた。
くられ先生:じつはいま、三井化学さんが開発した人の心を可視化する装置で、ツナっちの本心を読み取って、ニコニコ動画で配信しているんだよ。
ツナっち:俺の心理状態がダダ漏れじゃん!どうやって!?
サトウ研究員:座っている椅子の座面を見ていただくと、装置がついているのがわかりますか?これは「PIEZOLA®️ Emotionアプリ」といって、心拍数や呼吸などから、その人の心理状態を読み取るアプリです。
マスクで表情がわかりにくいコロナ禍のイベントでも、この装置を使えば、平常心、リラックスやイライラした状態、ポジティブな気持ちなど、人の心理状態を可視化することができます。
三井化学が開発した、極細糸状の接触・センシング素材「ピエゾラ®️」をバイタルセンサーとして椅子の座面に敷いて、心拍数や呼吸数を取得。リトルソフトウェア社の人工知能技術によって、心拍や呼吸データから感情などを予測することできる。
観客席の一部にもセンサーが設置されており、「自分の感情も読み取られているかも」と会場がざわついた。なかにはストレスの反応が出ている人がいて笑いが起きた。
伸びたり、硬くなったり。「ABSORTOMER®️」の不思議な触り心地
続いて、会場の参加者に配られた「緑のシート」について、サトウ研究員が説明した。
サトウ研究員:これは「ABSORTOMER®️」という三井化学の新素材です。手の体温で温めていただいたうえで引っ張ってみると……。どうなりますか?
くられ先生:すごい、どんどん伸びる!
サトウ研究員:この素材は温度によって硬さが変わるため、冷蔵庫などで冷やすと逆にカチカチに固まるんです。また、プラスチックでありながら、常温になるともとのかたちに戻る形状記憶機能もあるんですよ。