マスバランス方式によるバイオマス・エボリュー®が、
JALグループの貨物ハンドリング資材に採用

プロジェクト概要

  • JALグループは、日本国内の空港で貨物の積み付けや保管時の固縛に使用するハンドリング資材に、本邦航空会社で初めてマスバランス方式によるバイオマス素材のストレッチフィルムを2025年10月から導入開始。

  • ストレッチフィルムには三井化学グループのプライムポリマーが製造販売するマスバランス方式によるバイオマス・エボリュー® を採用。

  • このマスバランス方式によるバイオマス素材のストレッチフィルムを使用することで、CO2排出量は年間約50トン削減

    ※年間ストレッチフィルム使用量に基づき当社において試算

  • 今回のストレッチフィルム導入により、空港・貨物領域での「環境配慮素材配合へ100%変更」の目標達成に大きく前進。

  • JALグループが中期経営計画で掲げる環境目標の達成に、三井化学グループの技術が貢献しています。

プロジェクト実施背景

  • JALグループは、2050年のCO2排出量実質ゼロ(ネット・ゼロエミッション)実現に向け、機内・ラウンジ・空港・貨物など、あらゆる領域で新規石油由来の使い捨てプラスチック削減に取り組んでいます。

  • 「3R(Reduce・Reuse・Recycle)+1R(Redesign)」の考え方を軸に取り組みを進めています。

  • 空港・貨物領域では、2025年度までに「環境配慮素材配合へ100%変更」という目標を掲げ、代替素材の検討と導入が進められてきました。

  • 輸出入貨物には、実に多くの石油由来のプラスチック資材が使用されており、環境負荷を低減することが重要な課題となっていました。

貨物資材から出る大量のプラスチックごみ

課題

  • ストレッチフィルムは機能面の課題もあり、環境配慮素材への切り替えがなかなか進まない状況でした。
  • 再生材を配合するとフィルムが切れやすくなったり、伸びが悪くなったりしたため、「どのような形にも柔軟にフィットして貨物を固縛する」というストレッチフィルムの機能を十分に果たさず、安全性と作業効率から素材転換が難しい状況が続いていました。従来のストレッチフィルムが有する機能がどれかひとつでも欠けると、「貨物を安全かつ迅速にお客さまへお届けする」というミッションが果たせなくなります。
  • 再生材をフィルムに配合すると、厚みが約3倍になってしまい、巻き芯(コア)や梱包材も従来より必要になるため、逆に廃棄物が増えてしまう、という矛盾が生じることも分かりました。

ご担当者に聞く採用の決め手3つの評価ポイント

  • 従来品と遜色ない使用感が得られる

  • SAFを製造する際に副産物として得られるバイオマスナフサを原料として有効活用できる

    SAFと同じ由来の植物原料からできたバイオマスストレッチフィルムを、航空貨物の資材として活用できることは、SAFを使用する私たちにとって社会的な観点からも大きな意義があると考えています。

    ※SAF: Sustainable Aviation Fuel、廃食油などのバイオマスを原料とする持続可能な航空燃料

    ※バイオマスナフサ: https://jp.mitsuichemicals.com/jp/sustainability/beplayer-replayer/biomass/01.htm

  • 原料供給が安定しており、長期的に使い続けられる

    環境配慮と安全・確実な物流品質を両立できる、現時点で最適な選択肢であると考えました。

これまでに10種類以上の環境配慮型ストレッチフィルムのサンプルを現場で実際に試してきましたが、今回採用したバイオマス素材のストレッチフィルムは、従来品と比べても「使用感がほとんど変わらない」という点が、特に高く評価されました。

作業中にフィルムが切れることもなく、運搬時や巻き付け時の重量感と手ごたえも従来品と大きな差がないため、作業スピードを落とさずに使用できます。実際に現場からも、「現在使用しているものと遜色なく使えている」といった評価が寄せられました。

このバイオマス由来のストレッチフィルムを2025年10月より導入を進め、約50t/年のCO2排出量削減に貢献しています。

※年間ストレッチフィルム使用量に基づき当社において試算

バイオマスストレッチフィルムの使用状況を見学する様子

バイオマス・エボリュー® によるストレッチ・フィルムのバイオマス化

バイオマス・エボリュー® によるストレッチ・フィルムのバイオマス化

※年間ストレッチフィルム使用量に基づき当社において試算

*ストレッチフィルム製造協力会社様:株式会社タニックス様、司化成工業株式会社様

*エボリュー®: https://www.primepolymer.co.jp/jp/product/pe/evolue/index.html

マスバランス方式とは?

「マスバランス方式」とは、「原料から製品への加工・流通工程において、ある特性を持った原料(例:バイオマス由来原料)がそうでない原料(例:石油由来原料)と混合される場合に、その特性を持った原料の投入量に応じて、製品の一部に対してその特性の割り当てを行う手法」(環境省バイオプラスチック導入ロードマップ)を言います。

マスバランス方式 説明動画

https://www.youtube.com/watch?v=ezL3mF1UsWE&t=77s

石油由来のプラスチック・化学品と物性が全く変わらないこと、これまで難しかった素材でもバイオマス化やリサイクル由来とすることが可能になるなど、カーボンニュートラル・サーキュラーエコノミー社会の実現に向けて社会全体のバイオマス度やリサイクル率を向上させるための重要なアプローチです。
三井化学グループでは、既に約50の製品群でマスバランス方式によるバイオマス・リサイクル製品を提供しております(2026年1月現在)。