FUTURE
三井化学が目指す未来
03
世界を素から変えていく、
三井化学のこれから

環境と資源を守る3R(Reduce,Reuse,Recycle)の促進は、地球規模で着実に進行しています。プラスチックは今や「捨てる量を減らす」アプローチだけではなく、「捨てるのでなく有効利用する」具体的アプローチが求められています

環境と資源を守る3R(Reduce,Reuse,Recycle)の促進は、地球規模で着実に進行しています。プラスチックは今や「捨てる量を減らす」アプローチだけではなく、「捨てるのでなく有効利用する」具体的アプローチが求められています

プラスチック資源循環促進法が見据える未来

2022年4月、「プラスチック資源循環促進法(プラスチック新法)」がいよいよ施行されました。 これは3つのR(Reduce:リデュース・Reuse:リユース・Recycle:リサイクル)に加えて、Renewable(リニューアブル:再生可能資源)をコアとする資源循環の取り組みを促進するための法律です。

3R+Renewableの基本原則

プラスチックごみの3R、つまり排出するごみを減らし(Reduce)、繰り返し使う (Reuse) こと、ごみを資源として捉え再利用する(Recycle)ことは、枯渇性資源の使用を抑えることになり、ごみを燃焼する時に発生するCO2の排出量を減らすことができる活動で、地球温暖化対策に貢献するだけでなく、ごみ問題への基本的な取り組みになります。

これにさらにRenewable(リニューアブル)という概念、つまり石油という枯渇性資源から再生可能資源に切り替えていくことでカーボンニュートラル社会を実現しようという考えです。

地球規模の取り組み

今やプラスチックを取り巻く環境は世界的に厳しいものとなってきています。
気候変動の問題やプラスチックごみ問題を背景に、日本でもプラスチック資源循環を促進する動きがより活発に、そして具体的になっています。

あらゆるシーンで「3R+Renewable」を意識した仕組みに創り変えること、こうした考えは地球環境の保護につながり、サステナブルを超えてリジェネラティブな社会を創っていくためのアプローチになります。

海洋プラスチック問題はグローバルな視点が必要

日本の具体的な取り組み

世界的なカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー実現に向けた動きを受け、日本の歩みも加速しています。

2019年5月31日には、消費者庁・外務省・財務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省・環境省の9つの省庁が中心となって「プラスチック資源循環戦略」が策定されました。これは、3R+Renewableの基本原則とともに、6つのマイルストーン(プロジェクト遂行のために重要な中間目標値)を掲げ、今後日本が取り組んでいくべき方向性を示しています。

さらに2021年6月には「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環促進法、プラスチック新法)」が成立。
この法律はプラスチック製品全般に、環境配慮設計の促進、使用の合理化、排出・回収・リサイクルの仕組みづくりを目指すもので、プラスチックのライフサイクルに関わるあらゆる立場の人が、プラスチック資源循環に取り組みやすくする方法を盛り込んだものとなっています。

それぞれの立場で取り組む3R+Renewable

三井化学は素材メーカーとして、プラスチック資源循環の源流ともなる素材の素材から取り組みを始めています。

例えばRenewableの具体例として、2021年12月からバイオマスナフサを使用した国産バイオマスプラスチックの生産を日本で初めて開始しています。

江戸時代の豊かな循環型社会

歴史を振り返れば日本の江戸時代は循環型社会が実現されていたとされ、近年、当時の暮らしが参考になるとして見直されています。資源が乏しいこの時代において約125万人もが暮らしたといわれている当時の世界最大の都市・江戸では、あらゆるものが貴重な資源となり、自然と3Rの世界が広がっていました。

ほとんどのものがごみになるのではなく、ある時は形を変え、暮らしの中で使われ続けていたといいます。

江戸時代には3Rを支える職業がたくさんあったと考えられています。たとえば金属製品の修理専門業者である鋳掛けや瀬戸物の焼き継ぎ、提灯の貼り替えなど……

また紙屑買いや紙屑拾い、灰買いなど回収専門のさまざまな仕事も数多く存在し、分別回収されることで江戸の循環型社会は支えられていました。

もちろん、この時代に戻ることはできませんが、この時代の考え方は、これからの循環型社会の在り方を示しているのかもしれません。

丁寧に修理しながら長く使う暮らし。

ものを捨てることなく大切にし、必要に応じて形を変えて最後まで使い切る暮らし。

江戸時代の循環型かつクリエイティビティに溢れたライフスタイルは現代でも実現できるのではないでしょうか。

三井化学は循環型社会の実現に貢献します

資源が乏しい、情報が少ないなど、さまざまな制約の中から創意や工夫が繰り出された江戸時代。

これを現代社会に置き換えれば、枯渇性資源である石油の使用をあえて制約することで、新たな発想が生まれ、そこにまた新たな産業も生まれてくるのかもしれません。カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの考え方は、現代社会の仕組みを見直す良いきっかけになるものだと思います。

今回の法の整備によって、3R+Renewableに取り組みやすい環境が整いつつあります。個人も企業もそれぞれの立場で、これからの循環型社会の担い手として、そしてこの先もこの大きな潮流を絶やさないために、積極的な活動が求められています。

豊かな循環型社会、カーボンニュートラル社会の実現に向けては、まだまだ大きな壁があります。でも今進めることで、未来への貢献も大きいのです。

私たち三井化学は素材メーカーとして、これまでも限られた資源やエネルギーを最大限有効に使い、無駄にしないためのものづくりと研究を重ねてきました。

そしてこれからも循環型社会実現への担い手として、パートナー企業、顧客や生活者の皆さまとともに、一歩ずつ、しかし着実に、素材の素材から世界を変えていきます。


三井化学が目指す未来