テレビでも、ネットでも、
ちかごろ「カーボンニュートラル」や「サーキュラーエコノミー」という言葉をよく見かける。
地球のこれからについてみんな心配している。
私だってもちろん心配で、どうにかしたいと思ってる。
でも地球環境のためにできることって、なんなんだろう。
I Will Do what I Can Do.
できることから、はじめてみよう。
普段使うプラスチック製品を、バイオマスプラスチックでつくられたものにする。
使用済みの食用油や、食用油をつくるときに出てきてしまう廃棄物がプラスチックの原料になっている。
家でも外でも毎日の食事で廃棄されてるものが、プラスチックになって生まれ変わってる。
食用油はバイオマスだから、カーボンニュートラルに貢献できるそうだ。
たとえば街の雑貨屋で買ったこのキッチン用品。
スーパーで買ってきたお惣菜のパッケージ。
世界のどこかのキッチンから、我が家のキッチンへやってきた。
小さな一歩かもしれないけど、
料理をするたび、ご飯をよそうたび、食卓から未来に想いを馳せる日々を、
私は気に入っています。
キッチン トゥー キッチンKitchen 2 Kitchen プロジェクトとは?
日々の料理で使われる食用油。たとえば、キッチンで使い終わった食用油は固めて捨てて、燃やして処分されています。そんな廃食油も見方を変えれば、まだまだ使える貴重なバイオマス資源なのです。
「Kitchen 2 Kitchen」とは、このようにキッチンから出る廃食油や、食用油の製造時に発生する廃棄物を、化学のチカラで再びキッチンで使用するバイオマスプラスチックに生まれ変わらせるプロジェクトです。
これにより、未利用資源を有効活用し、資源循環を促進させるとともに、社会のバイオマス度を向上させ、カーボンニュートラル社会の実現に貢献することができます。
また、このプロジェクトは、私たち一人ひとりの行動と選択を少し変えることで、より良い社会に向けて一歩ずつ、でも着実に、前進していくことを目指した取り組みでもあります。
廃食油や食用油製造時の廃棄物はバイオマス資源
バイオマスとは 「動植物に由来する再生可能な有機物(石油などの化石資源を除く)」のことで、使用済みの廃食油や、食用油を製造する際に発生する廃棄物は、バイオマス資源として再利用することができます。
具体的には、廃食油などを回収し、水素を使って精製すると、SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)やバイオディーゼルといったバイオ燃料を製造することができます。
さらに、これらバイオ燃料を製造する際に、バイオマスナフサ(バイオマス由来の炭化水素)と呼ばれる副産物が発生します。
このバイオマスナフサは、様々なプラスチックの原料として使用することができ、石油由来ナフサを使ったときと比較して、プラスチックのライフサイクルにおけるCO2排出量を大きく削減することができます。
たとえば、キッチンで発生した廃食油が、新たな世界を旅してバイオマスプラスチックに生まれ変わり、再び皆さんのキッチンに戻ってくる。
「Kitchen 2 Kitchen」のプロジェクトパートナーが展開している製品は、そんな旅物語を紡いでいます。
プラスチックがバイオマス化して何がいいの?
プラスチックのバイオマス化は、カーボンニュートラル社会の実現に貢献し、全世界的な社会課題である地球温暖化の抑制につながります。
カーボンニュートラルとは、 CO2をはじめとする温室効果ガスの人為的な「排出量」から、主に植物の成長過程での「吸収(除去)量」を差し引き、その合計を実質的にゼロにすることを言います。
バイオマスプラスチックの原料となる廃食油や食用油製造時の廃棄物は、そもそもが再生可能な植物由来のものであり、これらバイオマス資源は植物の成長過程で吸収した大気中のCO2の炭素分(C)を固定化・保持しています(動物を構成する炭素も、食物連鎖の中でそもそも植物が固定化した炭素に由来します)。つまり、バイオマスプラスチックに含まれる炭素分(C)も、元は植物の光合成により大気中から吸収・固定化された由来のものになります。
そのため、最終的にバイオマスプラスチックを焼却したり、分解したりしても、そこから発生するCO2はもともと大気中にあったものなので、大気中の CO2の総量を増やすわけではないとみなすことができます。
私たちが日々の生活の中で、バイオマス由来の製品を選択し、活用することは、地球を救うための大きな一歩と言えます。
マスバランス方式で提供されるバイマスプラスチック
「Kitchen 2 Kitchen」プロジェクトで使用されているバイオマスプラスチックは、マスバランス方式というアプローチで提供されています。
現時点では廃食油や食用油製造時の廃棄物から得られるプラスチックの原料(バイオマスナフサ)には限りがあるため、従来の石油由来ナフサと混合しながら原料として使用しています。
ただ、バイオマスナフサも石油由来ナフサも、物質としては炭化水素(CとHの化合物)であることに変わりはないため、混合原料から生まれたプラスチックのうち、どのCとHがバイオマス由来なのか正確に分けることができません。
そこで重要になるのが、マスバランス方式というアプローチです。
これは物質収支方式と呼ばれる手法で、ある特性を持った原料の投入量に応じて、製品の一部にその特性の割り当てを行います。
具体的には、製造工程においてバイオマス由来と石油由来の原料を混合して製品が作られた場合、マスバランス方式を活用すれば、バイオマス由来原料の投入量に応じて、できあがった製品の一部を「100%バイオマス由来」と見なすことができます※。
※ 三井化学では毎年の監査に基づきISCC PLUSという認証を取得しています。
マスバランス方式とその類似の手法は、すでに多くの産業で活用されており、例えば紙パルプ産業で普及しているFSC認証(国際的な森林認証制度)をはじめ、カカオ豆やコーヒー豆のフェアトレード認証など、皆さんの身近なところでも活用されています。
こちらをご参照ください。
お問い合わせ先
三井化学株式会社
グリーンケミカル事業推進室
Kitchen 2 Kitchenでは、プロジェクトパートナーを募集しております。
ご関心のある方は、是非、以下のお問い合わせフォームからご連絡ください。