カガクのギモン

なぜ虫歯はできるの?「甘いものを食べるとなりやすい」の真相も

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身近にある素朴な疑問をひも解く連載「カガクのギモン」。今回は「虫歯はどうしてできるの?」という疑問について、カガクに詳しい「モルおじさん」が答えます。

※ 本記事は、2022年冬号として発刊された三井化学の社内報『MCIねっと』内の記事を、ウェブ向けに再編集して掲載しています。

イラスト:ヘロシナキャメラ 編集:吉田真也(CINRA)

「甘いものを食べると虫歯になる」は本当?

歯医者さんに行ったとき、新たに見つかると「ドキッ」とする虫歯。できることなら健康な歯のままでいたいですね。歯磨きは毎日しているはずなのに、どうして虫歯になってしまうのでしょうか。今回は虫歯ができる仕組みに迫ります。

カガクに詳しい「モルおじさん」

「甘いものを食べると虫歯になるよ」。子どもの頃に言われたことがある方も多いのではないでしょうか。必ずしもそれだけが理由で虫歯になるとは限らないですが、虫歯菌の大好物が糖質であるのはたしかです。

そもそも虫歯とは、虫歯菌から出る酸によって歯が溶けてしまう病気のこと。口の中にある糖質を取り込んで歯垢(プラーク)をつくり、増殖していきます。さらに虫歯菌は糖質を栄養にしながら、酸をつくり出します。

この酸は歯の表面のエナメル質を溶かしていくため、 そのまま治療をしないと歯に穴があいてしまうのです。 穴が神経にまで達すると、 ひどい痛みを感じることもあります。

糖質を取り込んで増殖していく歯垢 (プラーク)。

ずっと健康な歯を守るために。日々の生活から虫歯を予防しよう

虫歯を予防するためには日々の歯磨きが欠かせません。歯間ブラシやフロスを使って歯と歯の間までしっかり磨きましょう。

また、加齢により歯茎は下がってきますが、若い人でも歯磨きが不十分だと、歯周病などで歯茎が下がるリスクも。下がった歯茎の近くは虫歯になりやすいので注意しましょう。

下がった歯茎は要注意

初期の虫歯は自覚症状が少なく、気がつかないうちに虫歯が進行してしまうこともあります。定期的に歯医者さんで健診を受けて早期発見できれば、虫歯の悪化を防ぐことも可能です。歯は生涯にわたるパートナー。 毎日の生活から歯を守ろうとする意識が大切ですね。

モルおじさんのひとこと

モルおじさんも「歯が命」。と言いつつ、いまはエネルギッシュなモルおじさんも、いずれは入れ歯(義歯)に頼らざるを得ないお年頃に……。厚生労働省の「歯科疾患実態調査」(2016年実施)によると、義歯(ブリッジ・部分入れ歯・総入れ歯)を使用している人の割合は、55~64歳で60%弱、75歳以上になると84%に達します。人生100年時代を笑顔で楽しく生きるには、義歯とうまくつき合っていくこともQOL向上の一つの要因になりそうです。こうしたなか、三井化学グループでは、100年以上の歴史で蓄積してきたポリマーテクノロジーや3Dプリンターなどの最新技術を組み合わせ、革新的な義歯や修復材料の開発を進めています。また、直近ではグループ会社のサンメディカルが、樹脂製の義歯やマウスガードの表面を「光反応性MPCポリマー」でコーティングし、汚れの付着を抑えてキレイに保つための製品『キレイキープ』を開発しました。従来、義歯のメンテナンスは「ついた汚れをいかに落とすか」がテーマにされていましたが、この『キレイキープ』は「いかに汚れをつきにくくするか」といった新たな発想で開発を進め、実際にその商品化に成功しました。このカガク技術により、モルおじさんのエネルギッシュも当面、保たれそうです。人生100年時代を笑顔で楽しく生きるうえで、三井化学グループが描く未来の技術にもご期待ください!