事例紹介

アシストスーツの金属部品を樹脂化

パワーアシストインターナショナル株式会社様

アシストスーツとは、歩行、運搬、重労働(持ち上げ、中腰)の動作をアシストする装着型の装置です。着用者の作業負担を軽減するほか、下肢に障害があり自立歩行が困難な方が装着することで、歩行を補助します。介護、リハビリ関連でニーズが高い他、農業、水産業、建設現場、倉庫内作業での活用も期待されています。
弊社グループ内においても、倉庫内作業や物流スタッフの腰痛や疲労が課題となっている中、アシストスーツの導入を検討していました。そこで、パワーアシストインターナショナル社の開発品を茂原・市原・大阪工場で試用しフィードバックすることでも、商品改良を支援しました。

三井化学グループ内現場作業で使用し改善点を検証

金属部品を樹脂化することのメリット

樹脂の強度は金属に劣りますが樹脂に掛かる荷重や応力が許容範囲内であれば、金属から樹脂に置き換えることが可能です。メリットとしては主に下記が期待されます。

・部品の軽量化
・部品点数の削減
・材料コスト削減
・後加工工程の削減

また、樹脂は成形の自由度が高く着色性にも優れているため、デザインの自由度が高くなり意匠面で有利な製品の開発が可能です。

製品の大幅な軽量化が可能

鉄の比重は7.8ですが、樹脂は比重が高いPTFEでも2.2と軽く、鉄を樹脂に置き換えるだけで重量を1/3もしくはそれ以下まで軽量化できます。アシストスーツのような人体に装着するような装置では、製品重量の大きさがそのまま着用者の負担になるため、可能な限り軽くすることが求められます。
三井化学では、機能や強度の面で金属が必要な部品以外を樹脂化することで、アシストスーツの軽量化を支援した実績があります

成形の自由度が高くなる

樹脂には硬いものや柔らかいもの、樹脂縫製品などさまざまな特性を持った種類があります。ある程度強度が必要は部位は硬い樹脂を、装着感を優先したいところは柔らかい樹脂や樹脂縫製品を使用します。
樹脂は金属よりも融点が低く、成形の自由度が高いため、人間の体にフィットするような形状に加工することが容易です。樹脂は金属よりも熱伝導性が低いため、金属に触れるよりも温度差を感じにくくなります。

アシストスーツの金属部品を樹脂化

金属製だったアシストスーツ部品の樹脂化設計を実施しました。使用時に応力の掛かる部位は樹脂部品で剛性を担保し、使用者の体に触れる部分は縫製品を使用し、リュック状の部品とすることを提案し、樹脂・縫製品それぞれの部品を提供しています。

樹脂部品の材料設計

軽量化が可能かつ要求物性を満たした樹脂を選定

樹脂部品の構造設計

強度解析を行い、改良した部品形状を提案

樹脂部品の成形方法の提案
及び成形品の提供

部品コストや必要数量から適切な成形方法を提案

お客様のフィードバックをもとに
部品設計を変更

成形品をお客様に評価いただき、フィードバックをいただくことで、お客様に満足いただける設計まで落とし込む

縫製品の提案・提供

強度、耐久性、利便性などを考慮して生地や部材を選定し、縫製品を提供

三井化学のロボット開発ソリューション

三井化学では、材料開発・選定、設計開発、部品加工、評価/分析といったロボット開発に必要なソリューションをワンストップで提供しております。
ロボット開発において抱えている技術課題に対し、これまでに培った樹脂素材の豊富な知見を活かし解決します。