CO2からのメタノール合成プロセスの実証パイロット設備建設について
2008年8月25日
各位
三井化学株式会社
当社(社長:藤吉建二)は、CO2からのメタノール合成技術の開発を進めておりますが、下記のとおり実証パイロット設備の建設に着手することを決定しましたので、ご連絡致します。
当社は、中期経営計画において「新たな価値創造への挑戦」を基本コンセプトに掲げ、経済・環境・社会の3軸経営確立と革新的な新技術の創出により、新たな価値の創造に向けて挑戦しております。
この内、環境軸においては「GHG大幅削減に資する革新的プロセスの開発」を基本戦略のひとつとしており、その具体的な取組みとして、工場等から排出されるCO2と水の光分解などから得られる水素からメタノールを合成し、その得られたメタノールから石化製品(オレフィン類、アロマ類等)を製造するという、いわゆる「CO2化学的固定化技術」の開発を進めております。
この度、「CO2化学的固定化技術」の工業化実現への第一歩として、CO2分離・濃縮及びメタノール合成工程を実用化技術として確立すべく、実証パイロット設備を建設することと致しました。
なお、当社は1990年~1999年に財団法人地球環境産業技術研究機構「化学的CO2固定化プロジェクト(NEDO委託事業)」に参画し、その共同研究成果としてメタノール合成の高活性触媒を既に開発しており、現在その高活性触媒の更なる改良も進めております。
近年、CO2排出量の増加により地球温暖化が進んでいると言われており、地球環境保護が急務となっております。
「CO2化学的固定化技術」は、この温暖化の原因であるCO2そのものを原料として消費する、まさに究極の環境対応型技術であり、さらにその工業化が実現すれば大幅なCO2削減が可能となります。
また、昨今の原油高騰対策として原油以外の多様な資源から化学製品を製造する技術の開発が重要となっており、「CO2化学的固定化技術」の工業化により、原油代替原料の確保が可能となります。
当社は、「地球環境との調和」を企業グループの理念に掲げており、これからも「CO2化学的固定化技術」など地球環境に貢献する革新的な新技術の開発に邁進していく所存です。
CO2化学的固定化の概念
※財団法人地球環境産業技術研究機構「化学的CO2固定化プロジェクト(1990~99年:NEDO委託事業)」の共同研究開発成果
実証パイロット設備の概要
設置場所 | 三井化学大阪工場 |
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設備能力 | 約100トン/年(メタノール換算) |
投資額 | 約15億円 |
建設スケジュール | 着工:2008年10月、完工:2009年2月 (2010年3月を目処に実用化技術確立を目指します) |
本件に関するお問い合わせ先
三井化学株式会社 CSR・広報部長 田中 達也 | TEL:03-6253-2100 |
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以上