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知的財産

知的財産戦略

当社グループは、知的財産を、特許・秘匿ノウハウ・実用新案・意匠・ブランド(商標)・著作権に、契約上の権利、営業秘密等を含めた事業に資する無形資産として広く捉え、これら保有する知的財産のベストミックスを戦略的に活用することが、持続的な競争優位の実現に重要であると考えています。同時に、他社が保有する有効な知的財産権を尊重し、適切な対応を確実に図っています。

VISION2030の全社基本戦略である、(1)社会課題視点に基づく事業ポートフォリオ変革、(2)事業デザイン力の強化とソリューション型ビジネスモデルの構築、(3)環境基盤技術の開発・獲得とサーキュラーエコノミー型ビジネスモデルの構築、(4)デジタル・トランスフォーメーションの全社・全領域への展開に基づき、事業部門/研究開発部門/生産技術部門、さらにグループ内外の関係部署とも緊密に連携して、競合に対して優位となる知的財産の取得・活用の方針を逐次見直し、事業に資する知財ポートフォリオを構築していくことにより、知的財産を活用した事業機会の最大化と知的財産に起因する事業リスクの最小化に取り組んでいます。

知財デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進

当社グループの目指す社会課題視点に基づくビジネスモデルを構築するためのイノベーションの推進に合わせ、知的財産部は、能動的・自律的に事業部門及び研究開発部門と協働して知的財産戦略を推進する、知財コンサルタント型活動を強化しています。ソリューション型、サーキュラーエコノミー型ビジネスモデル実現のための知財ポートフォリオ構築には、情報調査・解析が重要となります。社内外の知財情報およびビジネス情報を融合した調査・分析結果を活用し、将来の新規事業の可能性を探るディスカッションを通して、事業部門、研究開発部門など関係部署との連携を深める、いわゆるIPランドスケープを知財DX活動の中心に据えています。こうした取り組みにより、当社グループの事業と競合各社の動向とをあわせたビジネスの全体を俯瞰し、さらに顧客の視点も加えて、将来、どのような技術、材料、サービスの提供が必要になるかを予測し、事業戦略に直結した知的財産戦略の実行を推進しています。

知財ポートフォリオの構築と強化

社会課題視点に基づくビジネスモデルへの転換を推進し、事業戦略を実現するため、

  • ① 新製品を含む成長を牽引する事業領域では「原材料提供にとどまらないソリューション提供を目指した知財権の獲得」、
  • ② 基盤事業領域では「グリーンマテリアルの利用促進、事業買収・提携を含めた、成熟期からの知財競争力の再構築」、
  • ③ 次世代へ向けた新規事業開発領域では「最終製品の構成要素・各工程までを意識した事業デザインを強化する網羅的な知財網の構築」

を基本的な考えとし、各々の製品・プロセスの特性、市場の成熟度、製品ライフサイクルの各段階に適した知財ポートフォリオを構築・強化します。

排他力の高い特許網の構築

当社と主要関係会社が有効に権利保有している国内外の特許ファミリーは、近年、約4,000ファミリー前後で安定的に推移してきました。今後、成長を牽引するライフ&ヘルスケア、モビリティ、ICTの事業領域の拡大発展、ベーシック&グリーン・マテリアルズの基盤事業領域の変革拡大、および、次世代へ向けた新規事業開発の強力推進のため、さらに緻密で排他力の高い特許網への拡大・充実を目指しています。

三井化学グループの知財基盤の強化

上述の知的財産戦略の実行のため、① 高い知財マインド/知財スキルを持った人材育成の強化・支援、② 化学系に限らない幅広い知財人材の強化、③ 工場を含む「現場」での発明発掘の促進、等の施策のもと、当社グループの知財基盤の強化に取り組んでいます。

グローバル知財戦略の推進

事業のグローバルでの拡大にともない、各国・地域における当社やグループ会社の事業展開に対して、知財面からのサポートが不可欠となっています。欧米での新規事業展開への対応やブランド戦略の実行、アジアなどの新興国における知財リスクへの対策は、重要な課題です。グローバルな事業環境変化にタイムリーに適応しながら、当社、海外の地域統括会社、及びグループ会社が緊密に連携して、海外事業における知的財産戦略の浸透・推進に取り組んでいます。