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新事業

ソリューション型ビジネスモデルの構築

新事業開発センター長メッセージ

社内横串連携や社外パートナーとの連携を深め、事業デザイン力を強化して新事業創出を推進することで、三井化学グループの強みを生かしたソリューション型ビジネスへの取り組みを加速します。

新事業開発センターは、これまで三井化学グループとの親和性の高いスタートアップやアカデミアなどの社外パートナーとの連携を通じて新事業を創出し、VISION 2030の基本戦略の一つであるソリューション型ビジネスモデルの構築・展開を進めてきました。2022年4月からは新たな組織体制としてスタートし、新事業創出をより加速化するために、全社横断的な戦略会議にも参加することで積極的に社内連携の強化を図っています。
2022年7月には、新たな試みとして、投資事業有限責任組合(Corporate Venture Capital、 CVC)を設立しました。321FORCE™と称する本CVCでは、社内および国内パートナーとの連携だけでなく、グローバルを意識した社外パートナーとの連携強化も推進します。さらに、本CVCの活用により全社グループ横断のインテリジェンス・プラットフォームをモデル化し、事業デザイン力を強化するとともに、全社員による起業家精神の共有を通じて新事業開発センターがVISION 2030戦略における事業ポートフォリオ変革のDriving FORCEとなることで、サステナブルな社会の実現をカガクしていくことを目指します。

新事業開発センター長 藤井 俊介

新事業開発センター長
藤井 俊介

新事業開発センターの役割

  1. 新事業の基幹となる技術を創出・活用するため、研究開発部門と連携する、あるいはCVCを活用して国内外のスタートアップ企業等の社外パートナーとの連携の構築・強化を行う。
  2. 提供するモノ・サービスの最適な供給体制を構築するため、自社の製造部門あるいは好適な社外パートナーと連携する。
  3. 市場開発と販売網の構築・拡大をグローバルに推進するため、4事業本部と連携する。
  4. 時代や社会の要請に適う組織の運営や効率向上のため、DX、ESG、経理等の管理部門と連携する。

新事業開発センターの体制

新事業開発センターの体制

新事業の探索・創出方法論

新事業開発センターでは、三井化学グループの4事業ポートフォリオ領域を含むすべての領域における新事業開発を行っています。その一環として、自社にはない技術やビジネスモデルを、スタートアップを中心とする社外パートナーに求め新事業を共創していくオープンイノベーションも積極的に行っています。
新事業では開発、製造、販売の各プロセスにおいて、自社で経験のない技術課題、事業課題に直面することが数多くあります。一方で、スタートアップは独自の技術やビジネスモデルをベースに社会課題を解決し新市場・新顧客の創出を目指しています。

こうした尖った技術・ビジネスモデルで新市場・新顧客にアプローチしているスタートアップなどの社外パートナーに対し、不足するアセットを提供し相互に補完し合いながら事業を共創していく取り組みを、当社グループでは「Inside out型オープンイノベーション」と呼び、積極的に推進しています。このような取り組みにおいては、パートナーとともに事業仮説を立て、いかに高速にPoC(Proof of Concept)を回していくかが新事業開発のカギになると考えています。

Outside In: 既存事業の強化
Inside Out: 新事業の創出

新事業開発センターにおける取り組み

太陽光発電診断ソリューション

以下に示す当社グループの太陽光発電に関する知見・経験・データというアセットを用い、太陽光発電所のファイナンスにおける第三者機関として、太陽光パネル劣化予測や期待発電量算出サービスを行ってきました。

  • 三井化学東セロ(株)にて、30年以上製造販売している太陽光パネル封止材、および太陽光パネルの劣化予測技術
  • 2014年より愛知県田原市で太陽光発電所の事業者として開発運営してきた経験
  • 千葉県茂原市・袖ヶ浦市にある実証実験用太陽光発電所を用いた発電量・気象データ蓄積

2022年6月時点で、累積約2,000発電所(容量で5GW)の太陽光発電所のファイナンス実行へ貢献しています。今後成長が期待される小規模太陽光発電所に対しては、今まで発電量を正確に予測する簡易な方法がなかったため、100を超える小規模太陽光発電所ポートフォリオにおいて発電量予測ができていませんでした。そこで2021年8月より、最新のAI技術等を用いて、オンラインで誰でも簡易的に期待発電量算出・レポート取得できるサービスの提供を開始し、2022年6月現在、500を超える発電所を対象として、発電所買収やファイナンス実行等向けに活用されています。

太陽光発電診断ソリューション

ロボットソリューション

ロボットソリューション室では、少子高齢化による労働力不足の解消、高齢者のQOL改善といった社会課題に対し、総合化学メーカーとしての当社グループの知見を活かし、材料選定、設計、金型製作、成型加工、試作、量産、評価といった機能をワンストップで提供することをソリューションとして、ロボット業界に貢献しています。

社会貢献事例 1

パワーアシストインターナショナル社とアシストスーツを協働で開発。金属部品を樹脂部品に置き換えることにより、軽量化を実現。自社工場にて実証試験中。

構造材の樹脂化、部品点数の削減で圧倒的な軽量化
社会貢献事例 2

内閣府ImPACTプログラムにおいて、名古屋大学、東京大学とともに、ヒトの強膜の感触を忠実に再現した緑内障手術練習用眼球モデル(Bionic-EyE™)を開発。若手医師の早期習熟に貢献。

緑内障手術練習用眼球モデル ヒトのコラーゲン線維の層状構造を実現

細胞培養技術の革新

プラスチック素材の中で、最も高いレベルの酸素透過性を有すTPX®(4-polymethyl-1-pentene polymer、PMP)を用いてInnoCell™(イノセル、高酸素透過性細胞培養容器)を開発しました。培養容器底面にTPX®を使用することにより、従来の培養プレートに比べ、約200倍の酸素供給能を有すことが可能となりました。またTPX®が持つ高い離型性に加え、精密加工技術により、細胞毒になる化学物質の溶出が抑えられ、薬剤の収着も起こりにくいことから、研究用途だけでなく創薬アッセイツールとしての活用も可能になると考えられています。InnoCell™を使うことで、簡便に酸素供給を行える新規in vitro培養法が創出され、再生医療研究や創薬支援ツール(毒性試験、薬物動態試験、薬効試験)としての活用が期待されています。
また、スタートアップ企業であるフルステム社が開発した幹細胞高密度大量培養装置の幹細胞培養の足場材として不織布の形状・素材を最適化することで幹細胞の大量培養を実現しています。
次世代事業領域では、研究開発力やアセットを生かしたソリューションビジネスの強化を掲げています。培養用プレート、マイクロ流路デバイスなどの試験・創薬用途、不織布材料を用いた高品質幹細胞の合成など、医療・創薬領域で顧客課題解決型ソリューションビジネスを展開することにより、動物実験や動物原料の使用の削減に貢献していきます。

細胞培養技術の革新

Topics人工肩関節デバイス・ソフトウェア開発のShoulder Innovationsへ投資

国内有数の独立系ベンチャーキャピタルであるグローバル・ブレイン社とともに設立した321FORCE™を通じて、人工肩関節デバイス・ソフトウェア開発のShoulder Innovations Inc. へ投資を行いました。

Shoulder Innovationsは人工関節の中でも今後成長が見込まれる肩関節分野において、既存製品の課題を解決する次世代製品プラットフォーム開発と、本製品プラットフォームを用いた手術のプランニングを自動で行うソフトウェアを展開する米国スタートアップ企業です。

Shoulder Innovations Inc.

当社グループは長期経営計画VISION 2030のライフ&ヘルスケア・ソリューション事業戦略において、整形外科領域を将来の成長分野として位置付けております。整形外科領域の中でも人工肩関節分野は成長領域としてとらえており、321FORCE™によるShoulder Innovationsへの投資を通して、本分野での事業機会の探索を進めて参ります。

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