再構築を完遂するとともに、環境負荷の低減、脱炭素社会の実現を目指し、
全社サーキュラーエコノミー変革をリードします。

事業ビジョン
社会課題・ニーズ
- 一層の高付加価値製品の提供
- 環境意識の高まり
- 省エネルギー・再生可能エネルギー、バイオマス原料活用などによるGHGの排出抑制
- プラスチックごみの低減・再利用
事業課題
- ボラティリティのさらなる低減
- 高機能製品の強化・拡大
- GHG排出量の削減
- サーキュラーエコノミーへの取り組み強化
環境分析・戦略
リスクと機会
- ロシアのウクライナ侵攻による世界・日本経済への影響
- 新型コロナウイルス感染症による世界経済の減速
- 米金利上昇に伴う円安の加速
- 米金利上昇に伴う新興国通貨の下落・経済への影響
- 原油価格(ナフサ)高騰
- 環境対応ニーズの拡大(バイオ原料)
- 高付加価値品の提供拡大(例:包装材、断熱材など)
- DX技術の進化
競争優位性
- 世界トップクラスの競争力を有するナフサクラッカー
- メタロセンをはじめとするポリオレフィン触媒技術
- ウレタン製品差別化のための高機能ポリオール、高機能MDI
- バイオマスポリオールの開発、製造技術
戦略
再構築
フェノール・PTA・ウレタン事業の再構築の加速によるボラティリティの低減
- コストダウン
- 各拠点での製品チェーン最適化
- 提携拡大等でライトアセット化
ダウンフロー強化
高機能化・ニッチ品の拡大など、ダウンフロー強化による収益安定化
- 高機能PP、高機能MDI
- 本州化学(ヘルスケア、ICT材料)
- HQ、触媒ライセンス
グリーンケミカル
グリーンケミカルの拡大による環境対応強化
- バイオ原料
- バイオ誘導品(バイオポリオレフィン、バイオポリオール)
- リサイクル(マテリアル/ケミカルリサイクル)
主要製品
石化製品
エチレン、プロピレン、高密度ポリエチレン、
メタロセン直鎖状低密度ポリエチレン(エボリュー®)、
直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン重合触媒

基礎化学品
フェノール、ビスフェノールA、アセトン、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン、
高純度テレフタル酸、PET樹脂、エチレンオキサイド、エチレングリコール、ハイドロキノン、
メタ/パラクレゾール、アンモニア、尿素、メラミン

ポリウレタン原料
TDI (コスモネート®)、MDI( コスモネート®)、
PPG(アクトコール®、
エコニコール® )

Pick Upグリーンケミカルの事業化を加速
当事業本部では、2022年4月にグリーンケミカル事業推進室を新設し、全社のサーキュラーエコノミー型ビジネスモデルへの転換をリードする体制が整いました。今後各事業本部のグリーンケミカル事業に関する情報を共有し、全社の関係部署と連携することで、グリーンケミカル事業の推進を加速します。クラッカーから多様な化学品・各種ポリマーに至る、当事業本部の有する事業・設備基盤を活かし、バイオマス原料やプラスチックリサイクル、CCU等の幅広い分野での事業化を目指します。
バイオマス原料への取り組みとしては、2021年にフィンランドNeste社との提携により、日本で初めてバイオナフサを導入しました。国内外の顧客からの関心も高く、2022年10月には3ロット目の投入を予定しています。今後は他工場においてもISCC認証*の取得を進め、バイオマス製品の拡充を図っていくとともに、バイオ原料の多様化や他社との提携も検討しています。
また、当事業本部では、カーボンニュートラルへの取り組みとして、クラッカーの燃料転換を推進しています。従来のメタンからクリーンアンモニアへの転換を実現することで、燃焼時のCO2排出量低減を目指しており、2026年までにアンモニアバーナーおよび試験炉の開発、2030年には実証炉の開発・運転開始を予定しています。
廃プラスチックをプラスチック製品として再利用するマテリアルリサイクルについては、J-CEP(ジャパン・サーキュラー・エコノミー・パートナーシップ)への参画や、自治体やブランドオーナーとの連携を通じて、すでにパッケージング分野の機能性フィルム・シートなど他事業本部の持つ製品での実証実験が立ち上がっています。また、廃プラスチックの化学原料へのリサイクルを可能とするケミカルリサイクルについては、BASFジャパン(株)やマイクロ波化学(株)をはじめとした優位な技術を有する他社との連携を積極的に進めており、社会実装の早期化を目指しています。
* International Sustainability & Carbon Certification
Topicsバイオマス原料の調達拡大に向けて
当社グループは、バイオマスナフサの原料となる廃食用油で東南アジア・中国地域最大の集荷・販売会社であるApeiron AgroCommodities Pte. Ltd.へ2022年6月に出資しました。カーボンニュートラル社会の実現に向けて世界規模で石油由来からバイオマス由来への原燃料転換を推進する動きが加速していますが、バイオマス原料は需要の伸びに対して供給が限定的なため、今後ますます調達競争の激化が予想されます。主なバイオマス原料には様々な種類がありますが、廃食用油はもっともGHG削減貢献量の大きなバイオマス原料です。また、非可食である点から食糧問題と競合することもありません。今後もバイオマス原料の安定調達を行い、カーボンニュートラル社会の実現に向けて貢献していきます。