2011年『三井化学 触媒科学賞』受賞者の発表について
2010年12月6日
三井化学株式会社
当社(社長:田中稔一)は、化学および化学産業の持続的発展に寄与する目的で、世界の触媒科学分野にて特に優れた業績をあげた研究者を表彰する制度を2004年に制定し、2005年3月に第1回の表彰を行っております。第4回となる今回も多数の応募をいただきましたが、今般、下記の通り2011年『三井化学 触媒科学賞』および『三井化学 触媒科学奨励賞』受賞者を決定しましたのでお知らせします。
2011年『三井化学 触媒科学賞』受賞者(1名)
氏名 | デイヴィッド・W・C・マクミラン氏(David W. C. MacMillan) |
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所属・肩書等 | プリンストン大学 教授 1968年生まれ |
タイトル | 有機触媒の新しい展開 |
選考理由 | David W. C. MacMillan博士は、有機触媒、特にキラルな触媒について顕著な業績をあげている。有機触媒の開発を先導し、環境にやさしい非金属触媒を実用的なレベルで実現するとともに、その後もこの分野で中心的な役割を果たしてきている点が評価できる。 |
2011年『三井化学 触媒科学奨励賞』受賞者(2名)
氏名 | 山口 和也 氏 | 依光 英樹 氏 |
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所属・肩書等 | 東京大学 准教授 1974年生まれ |
京都大学 准教授 1975年生まれ |
タイトル | 金属水酸化物の特性に基づく高活性不均一触媒の開発 | 不飽和アルコールと有機ハロゲン化物のパラジウムによる触媒反応の開発 |
選考理由 | 山口和也 博士は、不均一系触媒の分野に新しい分子設計的な概念を導入し、独自の視点から創出した金属水酸化物触媒 (Ru(OH)x / AI2O3 等)が、効率的な有機合成反応に適用できることを明らかにした。着眼点がよく、よく知られた材料のなかに新たな価値を見出した。今後幅広く使われることが期待される。 | 依光英樹 博士は、活性な有機金属化合物を使って実現されてきたパラジウム触媒によるクロスカップリング反応を、ホモアリルアルコールの巧みな分子設計により、中性分子を用いて高効率に実現した。この合成手法は環境負荷の少ない精密触媒科学の新天地を切り開くものと評価される。 |
授賞式と各受賞者による記念講演は、2011年3月9日、10日にかずさアカデミアホール(千葉県木更津市)にて開催される、「三井化学 第5回 触媒科学国際シンポジウム」において実施されます。(同シンポジウムの内容に関しましては、本日別途発表を行っております。)
2011年『三井化学 触媒科学賞』および『三井化学 触媒科学奨励賞』の概要
1.『三井化学 触媒科学賞』
- 研究分野:重合触媒、精密合成触媒、環境保護に寄与する触媒等の触媒科学の分野
- 対象者 :上記の分野で、特に優れた研究業績をあげた大学、あるいは公的研究機関に属する45歳以下(2010年4月1日時点)の研究者1名以内
- 賞品・副賞:記念楯、副賞賞金500万円
2.『三井化学 触媒科学奨励賞』
- 研究分野:『三井化学 触媒科学賞』に同じ
- 対象者 :上記の分野で、特に独創的な研究業績をあげた大学、あるいは公的研究機関に属する35歳以下(2010年4月1日時点)の研究者2名以内
- 賞品・副賞:記念楯、副賞賞金100万円
ご参考
<2005年の第1回受賞者> ※所属や肩書きは受賞当時のものです。
『三井化学 触媒科学賞』
氏名 | エリック・N・ジェイコブセン(Eric N. Jacobsen) 氏 | 小林 修 氏 |
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所属 | ハーバード大学(米) 教授 | 東京大学 教授 |
業績 | 不斉酸化・加水分解・炭素-炭素結合生成反応に向けた不斉触媒の開発 | 環境調和型有機合成を指向した新触媒の開発 |
『三井化学 触媒科学奨励賞』
氏名 | 桑野 良一 氏 | 伊丹 健一郎 氏 |
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所属 | 九州大学 助教授 | 京都大学 助手 |
業績 | 新規不斉触媒と遷移金属反応の開発 | 着脱可能な配位性制御基を用いた新合成方法論の開拓 |
<2007年の第2回受賞者> ※所属や肩書きは受賞当時のものです。
『三井化学 触媒科学賞』
氏名 | 侯 召民(Zhaomin Hou) 氏 | グレゴリー・C・フー(Gregory C. Fu)氏 |
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所属 | 理化学研究所 主任研究員 | マサチューセッツ工科大学 教授 |
業績 | 新しい希土類金属錯体触媒による重合反応の開発 | 新概念触媒に基づくカップリング反応と不斉合成反応 |
『三井化学 触媒科学奨励賞』
氏名 | 寺尾 潤 氏 | 陳 志宏(Michael C. W. Chan) 氏 |
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所属 | 大阪大学 助手 | 香港市立大学 助教授 |
業績 | 陰イオン性遷移金属錯体を鍵触媒中間体とする炭素結合生成反応 | 重合反応における弱い吸引性相互作用の重要性を提示 |
<2009年の第3回受賞者> ※所属や肩書きは受賞当時のものです。
『三井化学 触媒科学賞』
氏名 | ジョン・F・ハートウィグ(John F. Hartwig)氏 | 野崎 京子 氏 |
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所属 | イリノイ大学 教授 | 東京大学 教授 |
業績 | 炭素-水素結合活性化および高効率カップリング反応などの斬新かつ実用的な触媒反応の開発 | 極性モノマーの配位共重合のための新しい触媒の開発 |
『三井化学 触媒科学奨励賞』
氏名 | 松永 茂樹 氏 | 中尾 佳亮 氏 |
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所属 | 東京大学 講師 | 京都大学 助教 |
業績 | 不斉配位子設計に基づく多中心触媒反応の開発 | 炭素-炭素結合形成付加反応のための協働金属触媒の開発 |
2011年『三井化学 触媒科学賞』および『三井化学 触媒科学奨励賞』受賞者の写真
<2011年『三井化学 触媒科学賞』受賞者(1名)>
David W. C. MacMillan 氏 プリンストン大学 教授 |
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<2011年「三井化学 触媒科学奨励賞」受賞者(2名)>
山口 和也 氏 東京大学 准教授 |
依光 英樹 氏 京都大学 准教授 |
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以上
本件に関するお問い合わせ先
三井化学株式会社 IR・広報部 | TEL:03-6253-2100 |
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