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CSOメッセージ

CEOメッセージ
CEOメッセージ

ESG要素の経営/戦略への組込みは、
リスクマネジメントの一環

当社グループのESG推進方針は、社会課題に対して「価値の最大化」と「リスクの最小化」を進め、社会および当社グループの持続可能な発展を目指すものです。これは、「不確実性が引き起こす脅威を最小化し、かつ機会を最大限に活用するためのプロセス/施策のPDCAを継続的に実行すること、およびそのための組織体制を整備すること」である当社グループの全社リスクマネジメントと同義と考えています。

もう少しご説明しますと、図の右側にお示ししているような、ESGにおける課題として、我々を取り巻く環境、くらしを営む社会、そうした環境・社会に対し企業としてどう貢献していくか、どうガバナンスを効かせていくかという3つの視点をもって、我々はリスクとその対応を考えているという意味です。世の中では多くの変化が起きており、不確実性も高まっています。我々は、そうした変化がリスク(機会/脅威)であり、それらを捉え先んじて行動することによって、「ビジネス(機会)の最大活用」と「脅威の最小化」に結びついてくると考えています。

※1 リスク:

経営戦略及び経営目標の達成に影響を与える三井化学グループを取り巻く事象がもたらす不確実性および変化

※2 リスクマネジメント:

リスクが引き起こす脅威を最小化し、かつ機会を最大限に活用するためのプロセスおよび施策のPDCAサイクルを継続的に実行することおよびそのための組織的体制を整備すること

「ビジネス(機会)の最大活用」による事業活動を通じた社会貢献と、
成長に対する「
脅威の最小化」のためのリスクマネジメント

当社グループでは、全社的かつ網羅的に、機会と脅威の両面からリスクを捉えるため、2023年にリスクマネジメントを強化しました。具体的なシステムとしては、リスクマネジメント委員会を設置し、各担当役員をリスクマネジメントオーナーとすることで、所管のリスクをボトムアップで広く拾い上げるとともに、経営の目線から重要性を議論し、全社的な重要リスクを特定する仕組みを作りました。

「ボトムアップ」という点に関しては、社員一人ひとりが活動の中でリスクを認識し、行動を素早くとっていくことが重要と考えています。また、「強化」に関しては、全社重点リスクやその考え方、対応を明文化することにより、社内共有できるようにすること、社外のステークホルダーに対して開示していくことも意識しました。

2023年度は、強化した体制の中で特定した全社重点リスクと、マテリアリティ/非財務KPIとの整合を確認し、ESG推進委員会で議論し、経営会議にて審議のうえ、一部を改訂しました。この図は、リスクシナリオに照らし、各全社重点リスクが関係しているマテリアリティを示しています。ボトムアップで拾い上げた全社重点リスクと、トップダウンで取り纏めたマテリアリティを掛け合わせることで、経営と現場の両目線を取り入れたマテリアリティ/非財務KPIのレビュー、再設定を行っています。

ロジックツリー(イメージ)

なお、2023年度は、設定した全社重点リスクのうち「事業継続に関するリスク」を当社グループの最重要リスクとし、事業部門・機能部門の双方が取り組むべき課題として全部門の2024年度予算に展開し、具体的な対応の方策を策定しています。

新CSOとして

新たなリスクマネジメント体制・プロセスにより、これまでは暗黙知として管理/対応されてきた「リスク」がリスト化されて形式知となり、全社員に共有化され全社で管理運営することができるようになりました。一方で、世の中の環境は多様化し、急速に動き、変化しているため、一人ひとりが自分事として機敏に対応していかなければ、リスクをチャンスに変えることができないと考えています。今後は、経営層のみならず現場も交え議論を深め、リスト化されたリスクが形骸化しないような運用、そして、リスクマネジメントのPDCAを定着させていくことが必要です。新CSOとして全社を巻き込んで取り組んでいきます。