LLP制度の活用による千葉地区エチレン装置の運営統合について
2010年4月1日
出光興産株式会社
三井化学株式会社
出光興産株式会社(以下、「出光」。本社:東京都千代田区、社長:中野和久)及び三井化学株式会社(以下、「三井」。本社:東京都港区、社長:田中稔一)は、昨年5月に合意した「千葉地区における生産最適化」に関し、その第1ステップとして両社のエチレン装置の運営統合について鋭意検討してまいりました。
今般、下記のとおり両社折半出資による有限責任事業組合(LLP)を本日(4月1日)付で設立しましたので、お知らせいたします。
記
1. LLPの概要
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | 千葉ケミカル製造有限責任事業組合 |
事業内容 | ・千葉地区におけるエチレン装置の運営の統合 ・エチレン、プロピレン、その他の留分の生産 ・上記生産品目の、組合員(出光および三井)への供給 |
役割と運営 | ・エチレン、プロピレンを始めとした石化原料のコストミニマムを追求 ・生産機能を中心としたLLPで、コストセンターとしての運営が原則 |
所在地 | 東京都千代田区丸の内3-1-1(出光本社内) |
出資 | 出資金:2億円 出資比率:出光と三井が折半出資 |
エチレン生産能力 | 92万トン/年 (出光エチレン装置 37万トン、三井エチレン装置 55万トン) |
職務執行者 |
・出光:西依 章郎 (出光興産 常務取締役) ・三井:岩淵 滋 (三井化学 専務執行役員) |
2. 運営統合の背景と意義
中東および中国を中心とした大型石化設備の新増設により、石化製品のアジアへの供給増大に加え、域内自給率の向上が加速する見込みとなっております。世界同時不況以降の内需低迷と併せ、日本の石化事業は抜本的な国際競争力の強化が必須の状況にあります。
このような状況に対応すべく、出光および三井は、千葉地区における両社のエチレン装置を LLPへ移管し、運営を統合することの合意に至りました。今後、原料選択・装置稼動の最適化や留分の高付加価値化、共同合理化投資等、単独では実現できないシナジーを徹底的に追求してまいります。これにより、日本トップレベルの競争力を持つエチレンセンターの構築を目指していきます。
3. LLPの今後の展開
今回のエチレン装置の運営統合に留まることなく、リファイナリー等への生産最適化領域の 拡大を検討し、合理化効果のさらなる最大化を図ってまいります。
以上
【ご参考:LLPのスキーム概要】
【ご参考2:LLP制度の概要】
LLP制度は、企業間の連携や共同事業促進を目的として、我が国に2005年に導入された。
通常の株式会社と比較した、主な特徴は以下のとおり。
項目 | 株式会社 | LLP |
---|---|---|
法人格 | あり | なし |
出資者責任 | 有限責任 | 有限責任 |
課税 | 当該会社に課税 | 出資者に課税(構成員課税) |
会社運営 | 株主総会・取締役会等の機関が必要 | 当事者自治による柔軟な運営が可能 |
※出光・三井が本日付で設立した「千葉ケミカル製造」は、大型生産設備の運営を伴うLLPとして、我が国で初めてのケースとなる。
【ご参考3:両社千葉地区の事業所概要】
(1)出光興産株式会社 千葉製油所
所在地 | 千葉県市原市姉崎海岸2-1 |
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所長 | 水田 清継 |
敷地面積 | 約270万m2(82万坪) |
操業開始時期 | 1963年1月 |
原油処理能力 | 22万バレル/日 |
主要生産品目 | 石油製品、潤滑油 |
(2)出光興産株式会社 千葉工場
所在地 | 千葉県市原市姉崎海岸1-1 |
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工場長 | 升本 竜平 |
敷地面積 | 約108万m2(33万坪) |
操業開始時期 | 1975年2月 |
エチレン生産能力 | 37.4万トン/年 |
主要生産品目 | 石油化学製品、合成樹脂 |
(3)三井化学株式会社 市原工場
所在地 | 千葉県市原市千種海岸3 |
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工場長 | 池田 俊治 |
敷地面積 | 約142万m2(43万坪) |
操業開始時期 | 1967年3月 |
エチレン生産能力 | 55.3万トン/年 |
主要生産品目 | 石油化学製品、合成樹脂 |
(4)両社事業所の位置関係図
本件に関するお問い合わせ先
出光興産株式会社 IR・広報室 | TEL:03-3213-3115 |
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三井化学株式会社 IR・広報部 | TEL:03-6253-2100 |
LLP制度の活用による千葉地区エチレン装置の運営統合について(PDF:198KB)
有限責任事業組合(LLP)について(経済産業省提供)(PDF:286KB)