1-ヘキセン製造プラント営業運転開始について
2011年4月4日
三井化学株式会社
当社(社長:田中稔一)は、この度、市原工場内に新設した1―ヘキセン製造プラントの営業運転を開始致しましたのでお知らせ致します。
1. 背景・目的
中東の安価なエチレン系製品の大量流入による競争激化に備えるため、当社は、5年以上前から着実に対抗策を実行してまいりました。その対抗策の一つとしてエチレン系製品の高付加価値化を推進しており、市原工場において今後更なる供給過剰の懸念があるエチレングリコール(EG)を生産するEOGプラントを09年7月に停止し、より高付加価値な1-ヘキセンを製造するプラントを新設しました。
当社は、事業基盤強化策として、本件を含む“競争力ある設備への入替え”を売上高約1000億円規模で実行し、既にその殆どが完了しております。
また、昨年11月に策定した新中期経営計画(11中計)の基本戦略の一つ「国内勝ち残り」戦略において、高付加価値製品への展開を一層加速すべく汎用ポリエチレン等の抜本的な事業再構築を進めてまいります。
1-ヘキセンは、HAO-LLDPE※やHDPE(高密度ポリエチレン)の副原料として使用されており、全世界で65万トン程度使用され、年率6~7%の成長が見込まれております。
当社と出光興産株式会社のポリオレフィン合弁会社「株式会社プライムポリマー」では、中東では生産されない高付加価値なポリエチレン「エボリュー® 」(メタロセン触媒系HAO-LLDPE)をコア事業としており、1-ヘキセンはその副原料として使用されます。これまで全量外部から調達していた1-ヘキセンを自製化することにより、当社グループの外部購入費用の削減を図るとともに、「エボリュー® 」事業の安定・強化に貢献いたします。
- ※
- HAO-LLDPE:フィルム等製品の強度、ヒートシール性、加工性などを改良するためにコモノマーをブテン(C4)からヘキセン(C6)などの炭素数6以上のハイヤーαオレフィンに変更した直鎖状低密度ポリエチレン
11中計において、「エボリュー® 」を含むメタロセンポリマー事業は「世界トップ5事業」の一つに位置付けられており、競争優位事業として更なるグローバルな拡大を進めてまいります。
「エボリュー® 」事業の拡大策に関しては、現在既存プラントの能力増強を実施しており、本年11月に完工する予定です(24→30万トン/年:+6万トン増強)。また、海外では、高機能包材分野でのトップシェアの更なる強化を図るため、アジアでの新プラントの設置を計画しております。
2. 1-ヘキセン製造プラントの概要
① 製品名 :1-ヘキセン
② 生産能力:3万トン/年
③ 技術 :当社独自の触媒技術による選択的エチレン三量化技術 ※2
④ 投資額 :75億円
⑤ スケジュール:10年12月完工、11年4月1日営業運転開始
- ※2
- 従来のクロム触媒技術を使用した場合に比べ、約600倍の極めて高い活性を示す。さらに、選択率が高く、低温かつ低圧でも優れた活性が得られるため、シンプルかつ省エネルギー型のプロセス設計が可能となる
以上
本件に関するお問い合わせ先
三井化学株式会社 IR・広報部 | TEL:03-6253-2100 |
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