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2020年『三井化学 触媒科学賞』受賞者の発表について
2020.07.20
三井化学株式会社
三井化学株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:橋本 修)は、2020年 『三井化学 触媒科学賞』 および 『三井化学 触媒科学奨励賞』 受賞者を決定しましたのでお知らせします。
当社グループは、化学および化学産業の持続的発展に寄与する目的で、世界の触媒科学分野において特に優れた業績をあげた研究者を表彰する制度を2004年に制定し、2005年3月に第1回の表彰を行っております。
第8回となる今回も多数の応募をいただき、今般、下記の通り受賞者を決定しました。授賞式と各受賞者による記念講演は、2021年秋に実施いたします。(詳細は、別紙参照)
2020年 『三井化学 触媒科学賞』 受賞者(1名)
Frank Glorius 博士 ミュンスター大学 教授 |
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2020年『三井化学 触媒科学奨励賞』受賞者(2名)
Matteo Cargnello 博士 スタンフォード大学 助教授 |
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岩﨑 孝紀 博士 東京大学 准教授 |
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< 別紙 >
1.授賞理由詳細
<2020年『三井化学 触媒科学賞』受賞者(1名)>
氏名 | Frank Glorius |
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所属・肩書等 | ミュンスター大学 教授 |
タイトル | Development of Chemo- and Enantioselective Arene Hydrogenation and of Additional Tools for Improving Synthesis |
選考理由 | Frank Glorius博士は、効率的な有機合成反応を実現するための様々な触媒を開発してきた。N複素環カルベン(NHC)配位子にいち早く着目し、金属・NHC錯体を用いる選択的なアレーン水素化を実現し、また、ナノ粒子触媒にも適用できることを明らかにした。さらに、C-H結合活性化のための触媒開発でも顕著な成果を挙げ、独創的な可視光フォトレドックス触媒や有機触媒も開発している。また、最近ではスマートデータ生成の方法や機械学習でも成果を挙げている。これらの幅広い研究は触媒科学の発展に大きく貢献しており、今回の受賞に至った。 |
<2020年『三井化学 触媒科学奨励賞』受賞者(2名)>
氏名 | Matteo Cargnello |
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所属・肩書等 | スタンフォード大学 助教授 |
タイトル | Use of Well-Defined Materials for the Preparation of Catalysts Aimed at the Sustainable Production of Fuels and Chemicals, and Environmental Protection |
選考理由 | Matteo Cargnello博士は、触媒構造と触媒活性の関連をこれまでにない精度で解明し、固体触媒科学の進展に寄与した。特に、Pd-CeO2のコアシェル構造の工夫によるメタン燃焼活性の長寿命化、金属-酸化物の境界の長さと触媒活性の関連の実証、排ガス処理触媒中の活性金属の原子状分散による活性低下解明等が高く評価された。 |
氏名 | 岩﨑 孝紀 |
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所属・肩書等 | 東京大学 准教授 |
タイトル | Cooperative Catalyses of Transition Metal Anion and Typical Metal Cation |
選考理由 | 岩﨑孝紀博士は、遷移金属アニオンと典型金属カチオンの協調触媒を用いる様々な有機合成反応を開発した点が評価された。典型金属のマグネシウム、リチウム、亜鉛と遷移金属のロジウム、コバルト、銅、鉄などからなる錯体を用いて、効率的なC-C結合形成を行う一方、これらの錯体がC-OおよびC-F結合などの強力な化学結合を切断できることを実証した。 |
2.授賞式・記念講演について
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今回の授賞式・記念講演は2021年秋に実施することといたします。
具体的な日程等につきましては、確定後に当社ウエブページ等でお知らせいたします。
以上