注型用途

ポリエステル系注型ポリウレタン樹脂

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主な用途

注型用プレポリマー タケネートL ハイプレンU ハイプレンL ハイプレンHL サイアナプレン

用途分類

特性分類

  • 基本情報
  • ラインナップ
  • 用途詳細

概要

三井化学の注型用ポリウレタンプレポリマー

注型用ポリウレタンプレポリマーは耐摩耗性、耐薬品性、耐寒性等が優れており、これらの特長を活かして、射出成型では困難な少量多品種の製品や大型成型品の製造に適しています。
用途としては、各種大型ロール、ソリッドタイヤ、ベルトや機械部品などがあります。
三井化学では、各種用途に応じたプレポリマーを取り揃えており、以下に当社注型用ポリウレタンプレポリマーの代表的な製品ラインアップをご紹介します。

注型用ポリウレタンプレポリマーの特性と用途

注型用ポリウレタンプレポリマーは、耐衝撃性、耐薬品性、耐寒性など、ポリウレタン樹脂(ポリウレタンエラストマー)としての性能に加え、

① 製造、工程が簡単
② 加工設備や金型が安価
③ 機械加工、手加工がいずれも可能
④ 大型製品、ライニングなどに有利
⑤ 圧縮永久歪が少ない

などの長所があります。
注型用ポリウレタンプレポリマーは、硬化剤としてMBOCA(3,3’-ジクロロー4,4’-ジアミノジフェニルメタン)に代表されるアミン系硬化剤を使用するTDI系、主にグリコール系硬化剤を使用するMDI系に分けられ、各々について、プレポリマーの構成成分から、ポリエステル系、ポリエーテル系、及び特殊品に分けることができます。それらの特性と代表的な用途は次のとおりです。

注型用ポリウレタンプレポリマー
TDI系
系統 グレード 製品 特性 主な用途
ポリエーテル系
(PTMEG)
一般 タケネート® L-2700シリーズ
ハイプレン® Lシリーズ
耐水
高反発弾性
耐衝撃
耐オゾン
低温特性
製紙ロール
ベルト
ピストン
ソリッドタイヤ
各種ロール
低発熱 タケネート® L-2300シリーズ
L-2600シリーズ
ハイプレン® HLシリーズ
ポリエーテル系
(PPG)
一般 タケネート® L-1100シリーズ
ハイプレン® Uシリーズ
耐水 緩衝材 シート
ポリエステル系 一般 タケネート® L-1200シリーズ 耐溶剤
耐油
耐熱
製鉄ロール
ソリッドタイヤ
ベルト
ガスケット
Oリング
オイルシール
ポンプ
低発熱
低フリーモノマー
サイアナプレン® シリーズ
ポリカプロラクトン タケネート® L-1300シリーズ
タケネート® L-1600シリーズ
MDI系
系統 グレード 製品 特性 主な用途
ポリエーテル系
(PTMEG)
一般 タケネー®ト L-5200シリーズ 耐水
高反発弾性
製紙ロール
ベルト
ソリッドタイヤ
各種ロール
ポリエステル系 一般 タケネート® XLC-13シリーズ 耐溶剤
耐熱
製鉄ロール
ベルト
ガスケット
Oリング
ポンプ
ポリカプロラクトン タケネート® XLC-14シリーズ

注型用ポリウレタンプレポリマーと動的性能

各種エラストマーでは、繰り返し応力をかけると、エラストマーが完全弾性体でないため内部発熱が起こり、最終的には疲労破壊に至ります。
特に、高速で回転するロールの場合は、内部発熱による熱破壊がおきる場合があります。 製紙、製鉄用ロール、各種ベルトなどの用途では、その動的性能により、それぞれの用途における耐圧性、回転数などに制約が生じます。
タケネート® / ハイプレン® の低発熱グレードは、優れた分子設計により内部発熱を抑え、動的性能が問題となる各種ロール、ベルトなどの用途に好適に用いることができます。

ロール走行試験によって熱破壊したテストロール
ロール走行試験によって熱破壊したテストロール:試験前
試験前
ロール走行試験によって熱破壊したテストロール:熱破壊(熱バースト)
熱破壊(熱バースト)
低発熱グレードと一般グレードのロール走行性比較
低発熱グレードと一般グレードのロール走行性比較

<試験:三井化学法>

60分毎に線圧を上げていき、ロール表面温度と熱バーストする線圧を評価

ロール走行テストにおいて、線圧を上げていくと、L-2390/MBOCA硬化品のほうが、一般グレードのものと較べて、高い線圧まで熱バーストしないことがわかる。

ポリウレタンエラストマーの加工工程

ポリウレタンエラストマーの加工方法には、遠心成型(シート、パイプ内ライニング、シームレスベルト)、真空成型(タイミングベルト、肉薄チューブ)、回転注型(ボール)、圧縮成型(高精度精密部品)など各種ありますが、次の図は一般的なMBOCA硬化系注型法の概要です。

ポリウレタンエラストマーの加工工程

※1ウレタンプレポリマー100重量部に対する重量部

※2カタログ値ではなく、納入されたウレタンプレポリマーの試験成績表の値を使用してください。

※3NH2/NCO比で、一般的な用途には、0.9を推奨しています。

自動注型機を使用すると混合まで連続的に行われます。

鉄芯などに接着する必要がある場合、ケムロック218などの接着剤を使用する必要があります。

離型剤としては一般的にポリウレタンエラストマー用シリコン系又はフッ素系を使用します。

タケネート® ・ハイプレン® の取り扱い上の注意

1. 注型用ポリウレタンプレポリマーの工程管理

  • 温度管理

硬化温度、金型温度に注意して下さい
所定の温度より高くなりますと成形物の硬度が下がることがあります

  • 混合当量比

計量に注意してください
所定の比率と異なる場合、物性に影響します

  • 水分の影響

水分の混入(可塑剤、硬化剤中の水分、湿度(特に夏季))に注意してください
イソシアネート基は、下記のように水と反応し、炭酸ガスを発生します

2RNCO + H2O → RNHCONHR + CO2

NCO含有量3.0%のプレポリマー100gは0.7gの水で全てのNCO基が消費されます

2. 安全上の取扱い

  • SDSをご参照の上、以下の取り扱いをお願いします。
  • 火気のあるところでは使用しないでください。
  • 取扱作業場には、局所排気装置を設けてください。
  • 取扱中は眼や皮膚に触れないよう、保護メガネ、保護手袋を着用し、必要に応じて有機ガス用防毒マスク、送気マスクを着用してください。
  • 容器から出し入れするときは、こぼさないようにして下さい。
  • 水やアルカリとの接触を避けて下さい。
  • 容器を開放したあとは、窒素ガス又は乾燥空気を吹き込んで、密栓して下さい。
  • 取扱い後は、手洗い及びうがいを十分に行って下さい。

フォルティモ®(1,4-H6XDI)系

【1】TDI/ポリエーテル(PTMEG)系

PTMEG系は、ポリウレタンエラストマーの特長を最大限に活かすことができます。特に耐水性、耐衝撃性、耐オゾン性、反発弾性や低温特性に優れ、過酷な条件で用いられる製紙・製鉄用ロール、ローラー、ベルトや電気器具部品などに使用されています。

一般グレード
品名 硬度 特長
ハイプレン® L-80 HsA 80 低硬度
タケネート® L-2710 HsA 90 作業性良・加工性良
ハイプレン® L-100 HsA 90
タケネート® L-2760 HsA 95
ハイプレン® L-167 HsA 95
タケネート® L-2761 HsD 60 高硬度
タケネート® L-2790 HsD 67
ハイプレン® L-315 HsD 73
タケネート® L-2690 HsA 90 低発熱性
タケネート® L-2695 HsA 95
タケネート® L-2665D HsD 65 低発熱性・高硬度
低発熱低粘度グレード
品名 硬度 特長
タケネート® L-2380 HsA 80 低発熱性・低粘度・低硬度
タケネート® L-2390 HsA 90 低発熱性・低粘度
タケネート® L-2395 HsA 95
ハイプレン® HL-651 HsD 65 低発熱性・低粘度・高硬度
硬化物物性(PTMEG系)
タケネート® L-2710 タケネート® L-2760
硬化剤 MBOCA Ethacure300 MBOCA Ethacure300
項目 単位
硬さ Shore A 89 87 95 94
100% Modulus MPa 7 8 13 12
300% Modulus MPa 14 14 28 24
引張強度 MPa 40 43 47 50
伸び % 460 480 390 440
引裂強度 N/mm 87 95 123 128
圧縮永久歪(70℃、25%) % 38 42 36 46
反発弾性率 % 51 51 44 46

測定方法:JIS K 7312準拠
引張試験 3号型ダンベル 500mm/min
引裂試験 切込みなしアングル型 500mm/min

硬化物物性(PTMEG系)
ハイプレン® L-80 ハイプレン® L-100
硬化剤 MBOCA Ethacure300 MBOCA Ethacure300
項目 単位
硬さ Shore A 78 77 89 88
100% Modulus MPa 4 5 7 8
300% Modulus MPa 6 9 13 13
引張強度 MPa 29 37 37 42
伸び % 580 480 480 480
引裂強度 N/mm 60 65 91 98
圧縮永久歪(70℃、25%) % 42 36 35 39
反発弾性率 % 62 63 48 52

測定方法:JIS K 7312準拠
引張試験 3号型ダンベル 500mm/min
引裂試験 切込みなしアングル型 500mm/min

【ラインナップ注意点】

  • 硬度は三井化学法に従って、ショア硬度A(HsA)またはD(HsD)で測定しています。
  • 硬度は、所定のバネの力で針先が試験片に入っていく際の抵抗によって測定します。
  • 値はAまたはDで、0~100の間になり、硬いものほど大きい値を示します。
  • 一般的にAは柔らかいタイプ(ゴム領域)に、Dは固いタイプ(プラスチック領域)に用います。

(単位:Hs)

※ 値は代表値となります。

【2】TDI/ポリエーテル(PPG)系

PPG系のポリウレタンエラストマーは、物性的にはPTMEG系に劣りますが、低価格であるため、ポリウレタンエラストマーの特性は要求されるが、さほど使用条件の厳しくない分野に適しています。
用途としてはスプリング、ハンマー、カッター受け、緩衝材などの工業部品や、ロール、ソリッドタイヤなどに用いられます。

一般グレード
品名 硬度 特長
タケネート® L-1170 HsA 70 低硬度
タケネート® L-1128 HsA 90 高反発弾性
タケネート® L-1158 HsA 91
タケネート® L-1150 HsA 97 高硬度
タケネート® L-1080D HsD 80 超高硬度
硬化物物性(PPG系)
タケネート® L-1170 タケネート® L-1128
硬化剤 MBOCA Ethacure300 MBOCA Ethacure300
項目 単位
硬さ Shore A 65 63 90 89
100% Modulus MPa 2 3 6 9
300% Modulus MPa 3 5 11 11
引張強度 MPa 10 12 30 24
伸び % 1100 1000 550 580
引裂強度 N/mm 37 50 50 98
圧縮永久歪(70℃、25%) % 64 51 ND 61
反発弾性率 % 39 42 ND 39

測定方法:JIS K 7312準拠
引張試験 3号型ダンベル 500mm/min
引裂試験 切込みなしアングル型 500mm/min

【3】TDI/ポリエステル系

特に、サイアナプレン® は、ポリエステル系注型用ポリウレタンプレポリマーの最高級ブランドとして、製鉄ロールなどの厳しい用途にご利用いただいております。

一般グレード
品名 硬度 特長
タケネート® L-1270 HsA 71 耐摩耗性・低硬度
タケネート® L-1280 HsA 81
タケネート® L-1290 HsA 92 耐摩耗性
低発熱、低フリーモノマーグレード
品名 硬度 特長
サイアナプレン® A-7QM HsA 71 耐摩耗性・低粘度・低硬度
サイアナプレン® A-75QM HsA 76
サイアナプレン® A-8QM HsA 81
サイアナプレン® A-85QM HsA 86 耐摩耗性・低粘度
サイアナプレン® A-9QM HsA 91
サイアナプレン® D-5QM HsD50(HsA96)
ポリカプロラクトン系
品名 硬度 特長
タケネート® L-1350 HsA 53 耐油性・低硬度
タケネート® L-1660 HsA 60
タケネート® L-1570 HsA 73
タケネート® L-1680 HsA 81
タケネート® L-1390 HsA 90 耐油性
タケネート® L-1395 HsA 95
硬化物物性(ローフリーエステル系)
サイアナプレン® A-8QM サイアナプレン® A-9QM サイアナプレン® D-5QM
硬化剤 MBOCA Ethacure300 MBOCA Ethacure300 MBOCA Ethacure300
項目 単位
硬さ Shore A 77 75 92 92 97 97
100% Modulus MPa 4 4 8 7 12 11
300% Modulus MPa 6 6 13 12 20 17
引張強度 MPa 42 42 54 54 50 48
伸び % 680 750 570 610 520 570
引裂強度 N/mm 65 69 107 102 132 124
圧縮永久歪(70℃、25%) % 44 45 34 45 36 55
反発弾性率 % 35 36 29 31 33 35

測定方法:JIS K 7312準拠
引張試験 3号型ダンベル 500mm/min
引裂試験 切込みなしアングル型 500mm/min

【4】MDI/ポリエーテル(PTMEG)系

MDI系の注型用ポリウレタンプレポリマーは、MBOCA硬化剤を使用せずに、耐水性や、耐溶剤性、耐摩耗性など、特徴ある性能を付与したポリウレタンエラストマーが得られます。

一般グレード
主剤 硬化剤 硬度
タケネート® L-5290 タケラック® U-801 HsA 90 PTMEG系・耐水性
タケネート® L-5295 タケラック® U-801 HsA 95
タケネート® L-5298 タケラック® U-801 HsA 98
硬化物物性(PTMEG系)
タケネート® L5298 タケネート® L5295 タケネート® L5290
硬化剤 タケラック® U801 タケラック® U801 タケラック® U801
項目 単位
硬さ Shore A 98 95 90
100% Modulus MPa 29 13 8
300% Modulus MPa 46 27 18
引張強度 MPa 49 44 47
伸び % 330 410 460
引裂強度 N/mm 173 122 109
圧縮永久歪(70℃、25%) % 48 16 16
反発弾性率 % 49 52 55

測定方法:JIS K 7312準拠
引張試験 3号型ダンベル 500mm/min
引裂試験 切込みなしアングル型 500mm/min

【5】MDI/ポリエステル系

MDI/ポリエステル系の注型用ポリウレタンプレポリマーは、特に耐溶剤性、耐油性に優れ、各種ロールの他にスキージー、ブレードなどに用いられます。

一般グレード
主剤 硬化剤 硬度
タケネート®
XLC-13-7062A
BDO(1,4-ブタンジオール) HsA 95 汎用エステル系
タケネート®
XLC-13-7063A
BDO(1,4-ブタンジオール) HsA 90
ポリカプロラクトン系
主剤 硬化剤 硬度
タケネート® L-5065 タケラック® U-7060 HsA 60 ポリカプロラクトン系・耐摩耗性
タケラック® U-7065 HsA 65
タケラック® U-7070 HsA 70
タケラック® U-7075 HsA 75
タケラック® U-7080 HsA 80
タケラック® U-7085 HsA 85
タケネート®
XLC-14-7060A
BDO(1,4-ブタンジオール) HsA 95 ポリカプロラクトン系
タケネート®
XLC-14-7061A
BDO(1,4-ブタンジオール) HsA 90
耐溶剤性ウレタンシステム
主剤 硬化剤 硬度
タケラック® U-6230 タケネート® LSI-990 HsA30~80 耐溶剤性
硬化物物性(汎用ポリエステル系)
タケネート®
XLC-13-7062A
タケネート®
XLC-13-7063A
硬化剤 BDO BDO
項目 単位
硬さ Shore A 95 90
100% Modulus MPa 12 8
300% Modulus MPa 21 15
引張強度 MPa 46 49
伸び % 630 650
引裂強度 N/mm 161 127
圧縮永久歪(70℃、25%) % 21 17
反発弾性率 % 44 49

測定方法:JIS K 7312準拠
引張試験 3号型ダンベル 500mm/min
引裂試験 切込みなしアングル型 500mm/min

硬化物物性(ポリカプロラクトン系)
タケネート®
XLC-14-7060A
タケネート®
XLC-14-7061A
タケネート®
L5065
硬化剤 BDO BDO BDO
項目 単位
硬さ Shore A 95 90 85
100% Modulus MPa 12 8 6
300% Modulus MPa 23 15 13
引張強度 MPa 44 46 43
伸び % 490 520 430
引裂強度 N/mm 147 109 82
圧縮永久歪(70℃、25%) % 22 15 21
反発弾性率 % 51 58 63

測定方法:JIS K 7312準拠
引張試験 3号型ダンベル 500mm/min
引裂試験 切込みなしアングル型 500mm/min

用途例

産業用(製紙・製鉄・搬送)ロール、プリンターロール
産業用(製紙・製鉄・搬送)ロール、プリンターロール
台車・キャスター
台車・キャスター
ソリッドタイヤ(フォークリフトタイヤ)
ソリッドタイヤ(フォークリフトタイヤ)
スキージーブレード
スキージーブレード

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コーティング・機能材事業部
TEL03-6253-4125
FAX03-6253-4222