お客様の視点に立ち、
求められる製品をつくる。
私は現在、リチウムイオン電池向けに、電解液(添加剤含む)や安全機能材等の材料開発を行う新事業開発研究所・電池材料グループに所属し、開発した材料の機能評価や機能発現のメカニズム解析を担当しています。具体的には、材料を導入した電池試作品を作製し、電池性能及び、充電放電に伴う電池の劣化、安全性といった観点から三井保有材料の検証をしています。お客様に材料紹介する際は、電池全体の性能を捉えた上で、個々の材料物性を提案することが求められます。当社は素材メーカーですが、電池の知見や外部評価環境を活用することで、お客様の視点に立った製品開発を行っています。当社内でも評価環境を整えようという動きがあり、基盤技術開発も担当しています。
自身の成長のための
外部評価機関出向という選択。
学生時代は、ライフサイエンス分野の研究を専門としていましたが、小さい頃からエネルギー関連に興味を持っていたこと、当時、当社がエネルギー関連事業に強みを持っていたことから、三井化学を志望しました。入社後は、希望が叶い電池材料グループに配属。学生時代の研究分野とは異なりますが、細胞等の生体材料を評価する際に使用していた分析の手法や考え方は活かすことができました。一方で、お客様の視点に立った電池部材の評価や開発を行うためには、電池に関する知識や理解が必要だと感じ、入社2年目に外部評価機関への出向を希望しました。この時、会社の外で様々な方と仕事をし、学んだことは私にとって非常に貴重な経験になっています。
最も大きなやりがいは、研究開発で
イメージ通りの結果を出すこと。
2年間外部評価機関へ出向していたのですが、その間に「新しい評価方法を考案する」というテーマを持ち、仕事をしていました。電池の分野で重要視されていたのが、電池の耐熱性を測る評価。しかし、その実験に必要な環境は電池メーカーと評価機関以外には整っていなかったため、当社でも実践できる別の方法での実験を考案することにしたのです。そこで、行った実験は、電池の中の構造を疑似的に再現し、汎用的な装置を使用して評価を行うというもの。専用の装置を使わなくても構造を再現すれば、電池と同じデータが計測されるという仮説のもと、実験を実施し、結果、見事に同じデータが計測され、出向先からも高い評価をいただきました。この方法は現在でも利用されています。研究開発を行う上で自分が立てた仮説が立証され、イメージ通りの結果を出すことができた時が、仕事をしていて最もやりがいを感じる瞬間です。
スキルを幅広く磨き、
未来に向けた新しい提案を。
当面の目標として、現在担当している電池に関する評価や開発のスキルを磨いていきたいと考えています。そして、ゆくゆくはマーケットや事業、製造プロセスを俯瞰するマネジメント業務にも携わりたいという想いがあり、そのためには、顧客対応などのコミュニケーションスキルも伸ばす必要があると感じています。実際、キャリアを重ねるにつれ、業務の幅も広がり、研究も実験も一人で手を動かすだけではなく、他部署と一緒に行う機会も増えてきました。また、近年は、電池材料という分野が、業界として新たな壁に当たっていると感じているので、何か面白い、新しい提案を行いたいという想いもあります。近い未来、今とは違った革新的な電池が生まれると思います。その時、素材という面で貢献することができたら面白いですよね。
Private
鳥取県の大山に行ったときの写真です。大山の牧場で、搾りたてのミルクからつくったアイスやシチューを食べてまわっていました。