素材の性能を引き出し、
明確なニーズに応えていく。
PP(ポリプロピレン)という素材を用いた、自動車内装材の開発に携わっています。私がつくった製品は、主にインパネやコンソールボックス、ドアトリムの内側などに採用されています。お客様である自動車会社からの一番のニーズは部材の軽量化です。そういった要望に応えるために、もともと使用している金属や他の樹脂の部分をPPに置き換えるのですが、そのまま使用するだけでは求める性能は得られません。そこで強度や耐熱性を高めるために特定の材料を混ぜ合わせてみたり、あるいはPPだけで必要な条件を満たす方法を検討するなどして、新規内装材の開発と製品化を目指しています。
自分の適性を見つめ直し、
幅広いフィールドを志望。
学生の頃は、物理が得意で化学実験が好きだったため、物理化学的な進学先へ進みました。そこでは有機化学や高分子化学について学び、導電性高分子ナノファイバーの研究に没頭していました。それから、モノをつくって対価を得るメーカーの研究職が自分に合っていると思い就職活動をはじめましたが、車や化粧品など、特定のモノをつくるのではなく、幅広い製品の開発に携わりたいという自分の想いに気づき、総合化学メーカーへの就職を志望することに。いくつか企業で面接を受けていく中、三井化学には気さくな方が多く、人柄が良いと感じたことが入社の決め手になりました。
課題を解決した時に感じる、
研究開発の醍醐味。
研究所での仕事は、粒状の材料をつくる造粒、試験片への加工、試験、考察というのが基本的な流れになります。特に考察を行うことは、とても重要に思っています。自分が配合して造粒したものが、想定通りの結果を出せなかった時は、なぜうまくいかなかったんだろう、どこが間違っていたんだろう、と考えを巡らすことも多いですね。そして、その疑問が解決できた瞬間に、私はこの仕事の楽しさを感じています。お客様の要求値もどんどん高くなり、これは難しいという条件も出てきますが、みんなで知恵を絞って試験を繰り返し、求める性能が出た時はやっぱり嬉しいですね。
正解はひとつじゃない。
仲間とともに成果を目指す。
職場には、正解・不正解に関わらず、若手の意見に耳を傾けてくれる雰囲気があります。だからディスカッションもしやすいですね。以前にも、最初は受け入れられているのかわからなかった自分の推察を、きちんと検証して議論してもらったことがあり、それが成果に結びついたという事例がありました。そういった経験から、チームで動く場合には、いろいろな考え方を持つ人がいたほうが良いと思っています。例えば全然違うバックグラウンドで研究してきた人が入ってきたりすれば、新しい発想から新たな発見ができるのではないかと期待できますよね。そんな風に様々な方と関わり合いながら、自分たちがつくった製品が世界に広まっていくのを見届けていきたいですね。
Private
趣味は旅行です。国内だけでなく、最近は海外にも行くようになりました。写真は会社の同期と行ったフィリピン旅行の写真です。この日は30℃超えの気温でしたが、日本の夏と比べると涼しく感じられましたね。
スポーツ観戦も趣味の一つです。色んなスポーツを観に行きますが、私は普段サッカーをよく観ています。テレビで見るスポーツとは違い、現地の熱も伝わってきて楽しいですよ。